表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カシューナッツはお好きでしょうか?  作者: ストレッサー将軍
最終章 『恋の行方 ~目ざわりだ! 邪魔だ! でも、好きだ!~』
119/126

118.警察官川島



 今日は久しぶりに、ハルカちゃんとランチだ。何でも、頼みごとがあるらしいのだが、まぁ、理由は何でもいい。会えればそれで、大満足さ!


「いらっしゃいませ」


 俺はいつもハルカちゃんと食事をするときに使う、イタリアン『天使のお零れ』の店内に入った。すると、


「あ、川島さん! こっちこっち!」


 俺のことを呼ぶ声が聞こえた。ハルカちゃんかな? と思いそちらの方を見ると、そこにはカエデちゃんがいた。はて? 何故カエデちゃんが? 俺はそう疑問に思いながらも、招かれるがままにカエデちゃんのいる席に座った。


「何でカエデちゃんがいるの? ハルカちゃんは?」


「あ、ハルカなら遅れてきますんで。ご心配なく」


「はぁ……それならいいんだけど」


 俺は少し気落ちしながらも、ハルカちゃんが来るならいいかぁ、と思い『天使の涎パスタ』を注文した。


「実は、川島さんに話があるのは、私なんです」


 カエデちゃんは一足先に頼んでいた『天使のくしゃみピッツア!』を食べながらしゃべり始めた。


「そうなの? 何の話?」


「いや、まぁ、私がどうこう言うことじゃないんだけどさ、ハルカのこと、守ってあげて。あの子、ああ見えて結構弱い子だからさ」


「え? えっと……?」


「うん、まぁ、その、私アイドルやめるから、ハルカの側にいられなくなっちゃうしさ」


「え、ええ? カエデちゃんアイドルやめるの!?」


「それに、私はハルカの“一番”を奪う決心、しちゃったんだよね…………」


「えっとね、カエデちゃん、全然話が読めないんだけど……」


「うん、やっぱりアイドルにとって自分のことを無条件で、全身全霊で好きでいてくれる人の存在って大きいからさ。今のところ川島さんしかいないんだよね、ハルカにとってのそういう人は。だからさ、何をしてあげて欲しいとかはないんだけど、いつまでも、ハルカのこと好きでいてあげて。そして、その好きだっていう気持ちを表現してあげてよ。お願いね」


 カエデちゃんの目は強く澄んでいて、俺は拒否することなどできなかった。


「わかった。任せてよ! むしろ俺には、それだけしかできないけどさ」


「よかった。川島さんありがとう」


 カエデちゃんは俺に向かって深く頭を下げた。


“この子は結構ガサツな子だと思っていたが、存外礼儀が正しくて友達思いの良い子なんだなぁ”


と俺が思った瞬間、


「それで、ここからが本題なんだけど!」


 カエデちゃんは勢い良く顔を上げた。そして、勢い良くしゃべりだした。


「ふけさんの居場所教えて!!」





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ