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カシューナッツはお好きでしょうか?  作者: ストレッサー将軍
第13章 『悪徳プロデューサーは許さない! ~チュウ、チュウチュウ!~』
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113.カエデ


 

 最近、心に穴が空いたみたい。何だかやるきが起きないし、気持ちも入らない。夢に見たアイドル生活が今ここにあるというのに……。今の私を過去の私が見たら、


「なんて贅沢な女なの! 夢の中にいるというのに、何故全身全霊でアイドル道を邁進しないの!! このアホンダラ!!」


 と罵倒してくることだろう。


「ハァー……」


 思わずため息がこぼれる。私はこのため息の原因を知っている。知っているのだけれど、直視したくなかった。


「カエデさん、こんにちは」


 いつものように、しれっとした態度でハルカが私の楽屋にやって来た。同じ事務所になってから、ハルカは大分なれなれしくなった。


「なんだ、ハルカか……ハァー……何か用?」


「カエデさん、ため息はだめですよ。ため息をすると妖精が死んでしまいます」


 妖精って、あんたどんだけメルヘンチックなのよ。私はそっぽを向きながら、軽く鼻で笑った。


「そうね、ため息はやめる。それで、何用?」


 私はハルカの顔を見た。その瞬間、背中が震えた。軽快な口調からは想像できない程の、ハルカの怖い顔に。


「ハルカ…………どうしたの?」


 私は姿勢を正し、真剣に尋ねた。ハルカは少しためらい、数秒のを開けてから静かに口を開いた。


「私、アイドルやめます」








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