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カシューナッツはお好きでしょうか?  作者: ストレッサー将軍
第11章 『商店街の祭り③ ~祭りの後の静けさ~』
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100.ハルカ

 目が覚めた。


「ハルカちゃん……よかった。本当に、無事で良かった……」


 目の前には社長さんではなく、川島さんがいた。


「うぅううう……」


 急に、涙が出てきた。


「ハルカちゃん……泣かないでおくれよ……」


 あぁ、良かった。目の前にいるのが社長さんじゃなくて。あぁ、ほんとうによかった、川島さんがいてくれて


「うぅううえーーーーん! あぁああああーーーん!! ひっく、ひっく……」


 緊張の糸が一気に切れたらしく、私は子供みたいに声を荒げて泣いた。馬鹿みたいに泣いた。もし、目の前にいるのが社長さんだったら、泣けなかった。きっと、それがお父さんでも、お母さんでも、親友でも、泣けなかったと思う。川島さんの目の前だから、私は泣けたんだ。


「ハルカちゃん、お願いだから泣かないでおくれよ。君が泣くと、俺はすごく辛いんだ……」


 そう言うと、川島さんはすごくぎこちない動きで私を抱きしめてくれた。すると、私は不思議な安堵感に包まれて、さらに泣いた。とめどなく泣いた。


「ごめんよ……俺じゃ君の涙は止められないんだ…………」


 川島さんは悲しそうな瞳でそう言っていたけど、川島さんだから私は泣けるんだよ。それを言葉で伝えたかったけど、ほんとに涙が止まらなくて、言葉にできなかったから、私は同じくらいの力で川島さんを抱きしめた。


”この気持ち、伝わるといいな”


 そんなやわらかな願望を込めて、抱きしめた。


 あぁ、川島さんは不思議な人だ。もう少し、この人のことを知ってみたい。そんな小さな欲求が、このとき私の心に、芽生えていた。


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