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第2話 侵蝕Ⅱ

空気が揺れる。


光が曲がる。


景色が水面のように波打つ。


転移。


この世界では珍しい現象ではない。


予兆が読めるだけでも、この国はかなり恵まれている方だった。


男は剣を抜く。


――――


佐藤茂は


さっきまで教室にいた。


高校三年。


退屈で。

いつも通りの授業中だった。


急に視界から光が抜けた。


床の感触が消える。


体が浮いたような感覚。


それは一瞬だった。


次の瞬間。


足の裏にまるで違う感触があった。


柔らかい。


鼻に湿った匂いが刺さる。


空気が重い。


佐藤は目を見開く。


木。


土。


湿った空気。


知らない匂い。


教室はどこにもない。


何が起きたのか分からない。


理解が追いつかない。


匂いが妙に生々しかった。


足元の感触。


皮膚に触れる空気。


それらすべてが


これは現実だと主張してくる。


「……え?」


声が漏れる。


そのとき。


背後で何かが動いた。


足音。


佐藤は反射的に振り向こうとした。


だが――


背中に入った刃がそれを阻止した。


肺の空気が一気に押し出される。


息が詰まる。


足の力が抜ける。


何が起きたのか理解する前に


視界の端に文字が浮かんだ。


【ギフト付与中】


意味が分からない。


地面が近づく。


血が広がる。


呼吸ができない。


森は静かだった。


――――


男は剣を引き抜く。


抵抗なし。


ギフト発現前。


最良に近い。


血を払う。


その場を離れる。


男は森の奥を見る。


まだ


気配がある。


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