魔王の息子
「うああおう?(ん、ここは…?)」
確か自分は勇者に倒されて死んだはずだ。
「起きたか、我が息子よ。」
息子?そいつはどこにいるのだろうか。目の前には20歳くらいの誠実イケメンみたいな見た目のやつがいる。
ツノがはえているからおそらく魔族だろう。
「あえ?(誰?)」
さっきから上手く話せない。
そういう呪いでもかけられているのだろうか。
まあ国王なら十分やりうるな。
とりあえず助けを呼んでみよう。
喋れないなら大声で叫べばいいだけだ。
「おぎぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
コンコンとノックの音が聞こえた。
助けが来たかもしれない。
「入ってよいぞ。」
やたらと偉そうな言い方だ。僕の父親はどっかの魔族グループのリーダーでもやっているのだろうか。それに助けじゃなくて仲間っぽい。
「失礼します、魔王様。
お、これはこれは随分可愛らしい息子さんですな。女の子と言われれば信じてしまいそうだ。」
そう言って僕をあやしてきた。
ん?魔王様…?そして僕が息子…?まさか転生したのか!?というか僕の父親は魔族グループどころか魔族全体のリーダーだったのか…?とても信じられない。だとしたら今部屋に来たお爺さん魔族は秘書といったところだろうか。
「ああ、まことに可愛い息子だろう。
ところで、何の用だ。」
意外と親バカ…。魔王って聞くといかついイメージだが本当の魔王は案外いい奴なのかもな。
「はい、勇者がつい先程魔王城に侵入してきました。魔王様討伐がやつの目的かと。」
勇者って僕を殺したやつか。確か相当強かったはずだ。さすがの魔王でもやられてしまうのだろうか。
「あのチビスケのことか。まったく懲りないなぁ。いっそのこと捕まえてやろうか。」
戦ったことがあるのか…?しかも懲りないって、僕の父親はどれだけ強いのだろうか…。
「おやめください魔王様。そんなことをしたらあの腹黒国王がだまっていませんよ?」
…確かに腹黒国王か。僕のこと殺したし。
「まあそうなるよな。さっさと通せ。また返り討ちにしてやろう。」
なんかフラグっぽくない…?
てかここで戦うのか?僕は助かるのだろうか…。
「息子さんはどうしましょう?」
お、さすが秘書!僕のことも考えてくれている。
「お前が担いでおけ。そうした方がそこら辺の上級障壁よりだいぶ安全だろう。」
上級障壁よりも?!
秘書さんってそんなに強かったのか…。
「そういうと思ってました。では勇者をこちらに転移させます。」
そう言って僕は秘書さんに担がれた。
少し触れただけで分かる圧倒的な魔力量。
僕が勇者だったら一目散に逃げていたかもしれない…。
お、勇者が来た!
どんな戦い方をしてくるのだろうか。
「また来たのか、勇者よ。」
なんか手慣れてる…。
「ああ、来たぜ魔王。今度こそお前の首を持って帰る!」
あれ?勇者の魔力ってこんなもんだったのか…?僕を担いでいる秘書さんの方が圧倒的に多いぞ…。




