名高い盗賊
名前
僕→アルト
国王→ドルート
勇者→ハルヒコ
「モンスターの買い取りを頼む。」
「かしこまりました。金貨3枚にまります。」
今日も僕はB級依頼をこなしていた。
目が大きくふわっとした笑顔からは想像しにくいそこそこランクの高い冒険者として最近はギルド内で売れてきている。
そんな僕の働きが王の目にもとまったのか、国王直々の個人依頼をもらうことができた。
「個人依頼とは何をするのですか?」
「変装をした状態で私の護衛をしてほしい。」
「なぜ変装をするのです?」
「おぬしの見た目が弱そうに見えるからだ。
もちろんB級冒険者に見合う強さがあるのは分かっておるが、外見のせいで襲われやすくなっては困るからな。」
「分かりました。」
変装の理由には確かに説得力があった。
実際、僕は弱そうというだけで何度か面倒くさい輩に絡まれたことがある。
しかし、王が心配してた割に護衛は僕がいるのが不思議なくらい頼もしい人がたくさんいた。
例えば勇者とか。
勇者の実力は軽くS級を超えていて、1人でもドラゴンを倒すことができるらしい。
他にも騎士団の人とかがいて、とにかくメンバーは強かった。
僕は最初からではなく、途中の休息地点で合流する。
その理由もなんとなくは分かる気がする。
王都から出発するさいに1人だけB級冒険者がいれば場違いだと非難の声があがるからだろう。
そろそろ王もこちらにくるはずだから、周りを警戒しつつ木の下で待っていよう。
数分後、馬車の音が聞こえてくると同時に騎士団が馬に乗りながらこちらに突進してきた。
モンスターでもいるのだろうか?
さっさと討伐しようと剣をかまえていたら、王がとんでもないことを言った。
「やつは最近問題になっている名高い盗賊だ。なんらかの手段でここを特定したのだろう。一斉にかかれ!」
「はっ。」
一瞬何を言っているのか分からなかった。
変装のことを忘れていたのかもしれない。
だからそれを伝えようと王を見ると、なんとも不快な笑みを浮かべていた。
その時にもう確信してしまった。
最初から僕を殺すつもりだったと。
とはいえ僕も一応B級だ。
C級D級の騎士団くらいならば相手をできる。
王もこのままでは埒が明かないと判断したのか、勇者に僕を倒すよう指示をした。
「ええい騎士団はさがれ!勇者殿にまかせろ!」
「仰せのままに。」
勇者はそう答えて僕を倒した。
「がはっ。」
さすがにS級となると手も足も出なかった。
このような形で人生が終わることになるとは予想もしていなかった。
せめて王に復讐することはできないのだろうか…。




