常勝無敗6
王都リヒトヴァルグランから南に下りサウスヴァルグランの南東にある自由貿易都市フリージア。
今回、俺はフリージアの最高決議機関である商会連合からの依頼で遺跡から溢れ出る怪物どもの掃除に来ている。
フリージアをヴァルグランが守っているという事実を隣国である軍事国家スルトタガンに知らしめる意味もあり異例中の異例ではあるが五大魔導鎧の一体、俺の愛機リヒトリーゼの出撃が許可されている。
龍獣統一軍との戦いでまだ俺が未熟なだけであったことが分かってから初めての実戦。フォーアとの限界ギリギリの戦いを経て進化を遂げた俺の力を見せる大舞台だ。
姐さんが精鋭の部下である十三人の影技隊の内三人と共に先行してくれており、一時は決壊の危機があったフリージアの外壁は傭兵と冒険者、衛兵が協力して死守している。
ゴブリンやコボルトといった下位の妖魔から大鬼と呼ばれる3mを超える犬歯が発達し口からはみ出ており異様な姿のオーガ。人の姿に似た妖魔たちが三千近く遺跡から溢れ出している。
外壁は取り囲まれまさに壊滅の危機だった。危険を察知していた商会連合は早い段階でヴァルグランに援助要請をしており、駐在員が来て危険を認め通信を行った。その為、いち早く姐さん達が暗躍し決壊ギリギリで保たしている。
必死で戦ってくれている傭兵たちには申し訳ないないが、何をするか分からないスルトタガンへの牽制も兼ねてド派手にお掃除が決まった。
さぁ、待たせたな。
リヒトリーゼ出陣だ。
姐さんが戦闘の片手間に描いていた魔法陣が起動しサウスヴァルグランの地下ハッチに待機していたリヒトリーゼが瞬時にフリージアの東門前に顕現する。
巨大なオーガより一回り近い巨躯。特徴的な刀身を三つ持ち、本体の倍の長さはある異様の武装ドライシュバードを掲げたリヒトリーゼは
ゴブリンどもの眼前に現れる。
背後の外壁部から歓声が上がる。弓や魔法でゴブリン達を牽制している傭兵や衛兵がリヒトリーゼを見て安堵の表情を見せる。
さぁ、この顔を落胆に変えないように気張りましょうかね。
先ずは目の前に軽く獲物を振るい、投石をしているゴブリンの群れを薙ぎ払う。左手で柄部分の極端に湾曲した一見鎌のようにも見えるハルパーを外す。
右手にV字に伸びる巨剣とハルパーの二刀流。おもむろにV字剣を横に大きく振りかぶり、唖然としている妖魔たちが密集している場所に投げ込む。
ブースターに火が入り轟音を上げ激しく回転しながら凶悪な刃物のブーメランとかしたV字剣は、妖魔たちを断ち切りながら戦場を飛び回る。
俺は、軽やかに巨体を翻しながらオーガ達の首をハルパーで引っ掛けて、次々と落としていく。
返り血を浴びる前に次の獲物へ襲いかかる、まさに神獣の如き動き。フォーアとの極限の戦いで俺の中の獣はさらなる進化を遂げた。こんな妖魔達など瞬く間に噛み殺してやるぜ!




