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野獣ガイン〜常勝無敗の色男〜  作者: jetts


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4/9

常勝無敗4

 指二本で挟まれているだけなのにピクリとも短杖が動かない。だがここまでは読み通り、想定通りの動きに移行する。


 右腕の力はギリギリまで押し込みながら左足を左前に踏み込み右足に全体重を乗せ身をかがめながら思いっきり足払いをかける。


 用意していたとっておきのダブルキャストを発動。


 「加速(アクセラレーション)


 俺の右足が風を切り裂き、爆音を上げてフォーアの左足を捉える。


 重い、まるで樹齢百年を超える大木が相手のようだ。だが、俺は押し通る。


 魔法金属製の脚甲がミシミシと歪むのが脚の感覚を通して分かるがもう止まれない。


 パーン


 乾いた音を立て俺の右足がフォーアの足を振り抜く。あっけにとられた顔のフォーアが宙を舞いファイティングポーズのまま、ぽすっという間抜けな音と共に地面に横たわる。


 好機! すかさず立ち上がるが右足の感覚がない。ゆっくりと右に傾いていき、ドサリと音を立てて倒れ込む俺。必死に上半身を起こしフォーアを見据え構える。


 呆気にとられていたフォーアの目に理性の光が灯りゆっくりと立ち上がる。パッパッと土を払いこちらに近づいて来る。


 なけなしの抵抗に左腰の幅広のバトルナイフを逆手で持って構える。緊張が走る。


 「かぁっ〜かっかっか。お主凄いのう、我に土をつかせるとは人とは思えぬ」


 そう言って俺の目の前でしゃがみ込むフォーア。


 「我に土を感じさせる。これを、人の身で行うとはな。誇れ、お主は現状で人類最強である」


 そう言ってフォーアはお姫様抱っこで俺を抱え上げる。体つきが倍以上違うのに軽々と持ち上げられかなり恥ずかしいが、こんな美人に密着できるのはご褒美だ。


 人類最強か、すげ~な俺。薄い胸だがこれがまたいい。お姫様抱っこか〜と。と内心で色々葛藤していると前方から聞き慣れた声がする。


 「ガイン無事か………と、どういう状況なのじゃ? そのニヤニヤ顔もよくわからんのじゃが」


 突然、空間跳躍で颯爽と現れた姐さん。


 あちゃー、丁度ニヤついてるとこを見られた。んっ? 姐さんの顔色が戻っている。先の戦争で魂を酷使しすぎた姐さん。一昨日までは動くのもしんどそうだったのだが、何か劇的な治療でも受けたのか?


 俺がさらに思考の迷宮を彷徨っているとフォーアが姐さんと話し始める。


 「蜘蛛よ、息災かの。また馬鹿がおってな。起こされてしまってのう。またもやなんだが、お主の主殿にお力を借りたいのじゃが」 


 主殿? ヘルガ姐さんの主って国興しの神だよな…………あぁ納得。国興しの神と関係ある魔神って、あの滅びの魔神ですか〜。


 「よく生きてたな俺」


 思わず口をついてしまった。この国ができる過程で大きな障害が二つあった。一番大きなものは死の魔王の存在で、この魔王を神々と国民が手を取り合って滅した。


 この物語に隠れているが、もう一柱滅びの魔神がヴァルグランになる領土の三分の一を支配しており人間の欲望や活力を奪い君臨していたのだ。ただ、魔人は存在する為に人間を糧にしているだけで、悪意はなく国興しの神の説得に応じて封印されたというものだ。


 フォーアがその滅びの魔神ということは死の魔王にも対処できない存在相手に俺は生きてた…………死の魔王は6柱の神々が死力を尽くし滅した。


 滅びの魔神はその死の魔王も手を出さない存在。


 よかった。生きてる俺。でも、国興しの神は死の魔王を討伐して天界に帰ったんだよね。今は現界にいないよね。


 「フォーアよ最高のタイミングではあるのだが、何故、ガインはお姫様抱っこされておるのじゃ?」


 ヘルガ姐さんの当たり前のツッコミ。てか最高のタイミングってのが気になる。文脈から国興しの神が再臨されてるように感じられるのだが……………


 「蜘蛛よ、この坊主の保護者であるな。わしとやりあって、脚一本で済んだ。良いものを育てたのう」


 褒められてんだよな? やっぱり死ぬ可能性あったよな。生きててよかった。


 「そういうことであったか。ガインよ、今回は妾の落ち度じゃ。すまぬ」


 姐さんが丁寧に頭を下げてくる。俺は、フォーアに抱えられながら手を振り頭を上げてくれと頼む。


 「まぁ丁度いい、ガインも主殿に治療して頂こう。しばらく待っておるのじゃ」


 そう言うと、蜘蛛の糸を駆使して魔法陣を組み始める姐さん。あまりの急展開に目をパチクリすることしかできない俺だった。


  


 

 

 


 


 

 


 


 


 

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