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野獣ガイン〜常勝無敗の色男〜  作者: jetts
獣人の女戦士

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14/14

常勝無敗14

 ブォン


 恐っそろしい風切音を立て、一瞬前まで俺がいた場所を通過する影。


 ゴゥンという音を立てコロシアムの壁に大きな太ももを強張らせ張り付くように姿を現すタイガービーストマンの女戦士ティル。


 ドンッという音を立てまた姿が掻き消える。


 俺はさっきの回避でバランスを崩しており避ける事は出来ない。


 だが、すでに用意していたダブルキャストの重力操作と身体強化を同時に展開。両手の手甲にも魔力を流し堅固の術式を発動。


 ガギィーン


 ティルの爪と手甲の魔力回路によって生み出された力場が衝突し凄まじい金属音をあげる。


 重力操作により大地に根を張ったかの様に、動かない俺の身体。そして、身体強化によって底上げされた俺の上腕がティルの爪を弾き飛ばす。


 その反動でティルはクルクルと二回転して四足の構えでリングに降り立つ。


 「シャー!」


 虎というより猫だな。ただ、危険度は虎どころじゃねえ所がややこしい。


 稼げたこの瞬間に、特別な魔術回路を構築し一気にティルとの距離を詰める。


 獰猛な目つきで迎え撃つティル。俺の攻撃を完全に見切り攻撃を潰しに来る。


 刹那、俺の切り札『瞬刻(シュンコク)

を発動。


 俺の拳がティルの腹を捉える。ティルのカウンターで出した拳は虚しく空を切った。


 「吹っ飛びやがれ!」


 重力操作で重さをたっぷり乗せ、身体強化で限界まで上げた筋力で思いっきり振り抜く。


 常人なら虚を突かれ完全に反応出来ないタイミングなのにティルは腹筋でのガードと自分から地面を蹴り飛ぶことで威力を殺しやがった。


 瞬刻は数ある俺の切り札の中でも特別中の特別。なんと一秒にも満たない時間だが、本当に刻を停める。


 だから、ティルには一瞬俺の姿が消え気が付いた時には腹に一撃喰らっていたということだ。


 俺の魔力の三分の二持っていく大技でもダメとか…………楽しすぎるじゃね〜か。あぁ、久しく無かったヒリヒリする感じ。


 フォーアの時とは違う。同じ土俵にいるバトルジャンキー同士の殴り合い。ニヤつきが止まらねぇ。


 想定の半分程の距離で地面に着地したティルは四足のまま左方向に駆け出す。回り込んでこようとする動き。


 一気に速度が上がり凄い勢いで俺の周りを回り出す。


 ゾクッ


 バックステップ。目の前を通り過ぎる影。速過ぎて輪郭しか捉えられないが、俺には分かる。俺を捕捉しニヤつくティルの顔。


 ガンッ!ヤバい。


 腕をクロスし堅固の術式で力場を展開しようとするが、ティルの爪の方が早く手甲に重い衝撃。両手の爪で無理やり俺のガードを弾かれ俺の腕が左右に開かれる。


 胸に衝撃、しなやかなティルの身体から繰り出されるミドルキックが突き刺さる。


 胸筋に力を込めダメージに耐える、と同時に重力操作で吹き飛ぶのを防ぐ。


 メキッ、恐らく肋骨が何本かイッた。


 だが押し通る。


 ティルの足を右手で掴み高く掲げ力任せに振り下ろす。


 「グハッ」


 ティルが地面に受け身なしで叩きつけられてうめき声を上げる。


 もう一発、引き上げて高く掲げようとすると身体をしならせてもう片方の足で俺の胸に蹴りを入れるティル。


 「ガッ」


 折れたであろう肋骨が痛み、思わず手を離してしまう。


 動き鈍く距離をとるティル。恐らく野生化が解け倦怠感が襲っているのだろう。


 獣人の奥の手、野生化は爆発的な力を得られるがその代償に、効果が切れると全身を倦怠感が襲う。


 俺もかなりダメージがヤバい、次の一合で最後だ。


 虎って奴は生粋の狩人だ、最後まで獲物に飛び掛かる。四足の構えで異常なまでに太ももが大きく膨張する。


 ティルの目がカッと見開き野生が宿る。限界を超えて使いやがった、正真正銘最後の一撃に野生化を乗せてきやがった。

 

 ボッ!!


 今まで見たことのないスピード。さっきまで以上の突進。


 まさに必殺。


 目で捉えられない速度。見えないが確実にティルの爪が俺に迫る。


 野生化の二つ目の弱点。人間の理性が飛び攻撃が直線的になってしまう。たとえ見えなくても今までの撃ち合いで癖は読めた。


 左足を軽く前に出して、体重移動しつつ右手のナイフで爪を捌く。同時に膝蹴りでカウンター。

 ティルは驚異的な反射神経で、俺の膝を蹴りバク宙で間合いを取る。


 同時に、駆け出し左手に短杖を取り出し着地に合わせて振り抜く。ティルは野生化した獲物を狩る目のままニヤリと笑う。


 明らかに長さが足りない。


 まっ、そんなヘマ俺はしない。柄の留め金を外す。


 ジャコーンと伸びた短杖。


 着地したティルの向こう脛にバチコーンと当たる。ティルは堪らず前に倒れ込む。


 そこに、武器を手放した俺が追いつき右手で首を抱え込み左手で足を跳ね上げて地面に頭を叩きつける。首にダメージが行かないよう魔力で守ってやったが、頭部への衝撃で泡を吹いて崩れ落ちるティル。


 暫しの沈黙の後、俺の勝利宣言と観客の歓声がコロシアムに轟いた。


 俺史上最も手こずったな。だが、これくらいでなくっちゃつまらねえ。


 ティルをおぶって控室に向かう途中背中から、意識を取り戻したティルの声がかかる。


 「アタイが負けたのか?」


 恥ずかしそうな可愛らしい声だ。


 「あぁ、派手に負けたぞ。ところでよぉ、今晩どうだい?」


 もちろん断らねぇよな?


 「あぁ、あんたみたいな雄の誘いを断るわけない。むしろアタイが喰らいつくしてやるよ」


 おっ言うね〜、楽しみじゃないの。


 っと、楽しい夜を過ごした訳だが…………結論、ティルは可愛いにゃんこだった。


 


 

 

 如何でしたか?


 ガインの物語はまだまだ続くのですが、更新について変更させていただきます。


 現在の隔週更新から不定期更新に変更させていただきます。


 完結させるまでエタりませんのでそこはご安心いただきたいです。


 来週より、私の処女作にして代表作の鉄塊の国を毎週連載を致します。


 何卒、ガインも活躍する鉄塊の国をお楽しみいただきガインの更新もお待ちいただけたらと思います。


 よろしければブックマークなどしていただいてお待ちいただけたらと嬉しいです。


 では、またお会いしましょう。

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