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白い夏  作者: たま
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2

父は忙しいようで本宅であっても1週間に1度くらいしか食卓にいない。

母も本妻となるとお付き合いやパーティーなどで出掛けることが増え、

基本食事は薫とだけになった。

まあ、2人共もう高校生だし、親と食事出来なくて寂しいとか思う年でも無かった。

しかし、マリアは祖母や皆で食卓を囲むのが普通だったので少し寂しい。

出来るだけ薫と合わすようにしていた。

薫は優しいし気が良くつく子で、食後部屋に戻らず居間でテレビとか見てると

紅茶やお菓子を運んでくれた。

お手伝いさんは、食事の片付けが済むと帰ってしまうので

それ以降は自分達でやらないといけない。

9時ぐらいに微妙に小腹が減る。

大人に甘やかされて育ったマリアは薫にお世話されて嬉しかった。

が、その後部屋に戻ると意識を失う事が増えた。

そして目覚めると下腹部や胸がズキズキする事がある。

後、買い足した小物がいつの間にか消えている。

だいたいはベッドの下に転がってるのだが…

しかし、白い服ばかりだと生理の時に大変なのだ。

学校帰りにナプキンを買うのを忘れて、自宅に戻ってからもう一度出掛けようとしてると薫に声を掛けられた。

「買い忘れた物があるから買ってくるね。」と言ったら、薫もコンビニ行きたいからとついてきた。

恥ずかしいのでコンビニを見つけたら別行動しょうと「薫!コンビニだよ!」と指差したら、

すでに薫はドラッグストアに入っていた。

「えっ、なんで?」と思いドラッグストアで薫に聞いた。

「薬局で買うものあるの?」

薫は変な顔して「いや僕じゃなくてマリアだろ?」と言った。

『私、一言もドラッグストアに行くと言ってないのに…』

マリアは凍り付いた。

それからなんとなく薫の入れてくれるお茶を飲まなくなった。

断ると顔が険しくなるけど、ペットボトルのお茶を買って部屋にストックした。


薫はとても良い子だけど、何だか怖い!

と親に言えるわけもなく…叔母と祖母に相談しょうと

成城の家に学校帰りに行くと

そこは更地になっていた。

久々会えた母に聞くと、「あそこはお父さんの持ち家だからもう要らないから売ったのよ。」と答えた。

「エッ、じゃあ、おばあちゃんとおばさんは?」と聞くと「おばあちゃんは施設へ。おばさんは父の会社に転職して今はイギリス勤務よ。」と言われた。

いつの間にか、マリアの逃げ場が消えていた。


そして、とうとう食後すぐから眠くなるように!

分からないけどお手伝いさんもグルなのだ、きっと。

皆、跡継ぎとして薫をリスペクトしてる。

何度か出された食事を取り替えたりしたが、両親に

取り替えたり買い食いで済ませてる事を告げ口されて

注意された。

だんだん無力感に襲われていった。

ここでどんなに抵抗してもムダなんだ…

高校出たら一人暮らししたい働きたいと言ったが、

大学行け!渋谷が自宅なのになんで1人暮らし?とか言われて

全て封じられた。

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