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初の称号ゲット!!(家族を愛せしもの)

みなさんは収納階段をご存じでしょうか。わたしの祖母の家には収納階段付きの屋根裏収納があります。せっかくだから作品の中に落とし込んでみたのですが、初見の人からしたら訳がわからないですよね。

ウィルが突然走り出し、部屋を出る。エニシャはまだ状況が理解できていないようで、あたふたしていたもののオムツ交換を無事終え、廊下に出た。


この家の構造は2階建ての一軒家。それにプラスして屋根裏収納がある。しかしそこに上がるためには、2階廊下の天井に設置された収納階段を、フック付き引っ掻き棒で引っ張り出す必要がある。


エニシャが自分を抱えて廊下に出る頃には、ウィルが既に収納階段を引っ張り出していた。


「早く、上がろう。」

神妙な面持ちをしたウィルが、静かに言った。


エニシャを先頭に、ウィルが階段を上る。

上るとウィルは壁についたレバーに手をかけ、回し始めた。


(ゲームではここまで細かい描写はなかったけど、こうなっていたのか。屋根裏収納の中にも収納階段を収納する術があるということは、こういう事態を想定していたのかもしれないな。)


ウィルがレバーを回し切った時、玄関が乱暴に開けられる音がした。


            ―――


どのくらいの時間が経っただろうか。きっとそんなに多くの時間は経っていないのだろう。しかし命の危機に瀕した場面であるからか、時間の流れがゆっくりに感じる。下から立て続けに大きな物音がしたあと、話し声が聞こえて、また玄関が開く音がした。


さらに少し時間が経った。あの玄関の音がしてから、下からする物音は無音となった。


「少し下の様子を見てくるよ。クウが泣いてしまったら結局は見つかることになるのだから。」

ウィルは静かに頷き、レバーを回してゆっくりと下に降りて行った。


エニシャが、僕を撫でる手は小刻みに震えている。

すると、下からウィルの声がした。


「とりあえず大丈夫そうだ。」


エニシャが僕を抱えて階段を降りる。部屋を覗くとあちこちが荒らされていた。金目のものは全て盗まれてしまっているようだった。


(ウィルとエニシャの殺害は暗殺者によるものだったはず。それにしては乱暴な気がするけど。まぁ気にするほどでもないだろう。)


その後のエピソードはこうだ。もちろん見たわけでも聞いたわけでもない。ゲームと同じように進むのであればこうである。


次の日、ウィルは中央の広場に行き、辺境の地の多くない住人を集める。そこで前日に起きた出来事を話すのだがウィルはこう言うのである。


「こんなことがあったが、今自首してくれれば刑が軽くなるように取り合ってみようと思う。」


もちろん誰も自首しないわけであるが、そんな中1人が口を開くのである。


「でもそんなことがあるのも仕方がないのではないですか?なんせ私たち下民から30%もの税を取るんですもの。」


皮肉のたっぷり聞いた発言であるが、これで全てが発覚する。もちろん英雄ウィルがそんなことするわけがない。簡単なことでベタスが、ウィルが決めた税より多く住民から税収していたのである。


(実は、ウィルは税収などの難しいところをベタスに任せきりにすることが多かった。裏設定で、鑑定でウィルのステータスを見ると知力が著しく低いという裏設定もある。)


結果、ベタスは中央の軍に引き連れられこの辺境を後にするのである。暗殺者の行方も軍が捜査をしてくれることになっているはずだ。



          ―――



また平和な日々が戻ってきた。ベビーベッドの上に1人。ウィルは今、例の事件の後始末のため王国のセントラルまで出払っている。


(ステータスオープン)

心の中で唱えるとこんな数字が出てくる。


【name クウ 年齢 0才  レベル 1

 知力 1+1         機敏 1

 筋力  1        魅力 10

 魔力  1 運気 1+1

 称号ボーナス       スキル

 家族を愛せしもの       なし    】


(よっしゃー。ある!!称号ボーナスだ。)


そう。『セカンドセカンド』での能力の上げ方はレベルアップしかないのが普通である。しかし、正しい分岐を選んだり、突発イベントをクリアすることで、称号を得られる。称号を得ると、称号ボーナスでプラス値やスキルを手に入れられることがあるのだ。


(よし、これで、1つ目の分岐は成功かな。きっと僕は前世の知識をフルに活用しても、この世界を最後まで生き残ることは難しい。だからせめてあの神様が見返すくらいに、全員を助けるルートを取りたい。)

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