第97話 ジョーカーVS第3魔将 2
「ハア!!」
しかし、ギリギリのところでもう一度土魔法の壁を作り、防いだリア。
またして土魔法の壁に熱線が当たり、みるみる溶けていく。
「何度やっても無駄です!!今度こそ最大火力で溶かし尽くしてやりましょう!!」
ゴラドは熱線により多くの魔力を込めた。
熱線は一回り大きくなり、土魔法の壁はより早く溶けていく。
ゴオオオオオッッッ!!
そして、土魔法の壁が完全に溶け切り、ゴラドの熱線が貫いた。
「終わりです!!」
ゴラドは熱線を止めた。
しかし、溶けた土の壁の裏にリアの姿がない。
「な、何!?一体どこへ!?」
土の壁の裏の地面には大穴が空いていた。
それは先ほどゴラドがカタストロフィーから避けるために空けた穴だった。
「穴!?ま、まさか!?」
バシュッ!!!
その瞬間、ゴラドの後ろの穴から飛び出すリア。
その手には4属性の虹色の魔力の球が作られていた。
「しまっ.......」
「カタストロフィー!!!」
リアはその魔力の球をゴラドの背後に向かって放った。
(先ほど某が作った穴を通って出てきたのか!?この魔法は......)
魔力の球はゴラドの背中に接近する。
(さ、避けきれん!!)
ドガアアアアアアアアアアッッッ!!!
その魔力の球はゴラドに当たると同時に凄まじい轟音と衝撃を巻き起こす。
「ぐあああああっ!!!」
ガンッ!!ガンッ!!
ゴラドはその威力に吹き飛ばされ、壁を破壊しながら吹き飛ぶ。
そして、魔王城の外にまで吹き飛ばされ、地面に仰向けで倒れた。
「ガハ......申し訳ござい......ませぬ......魔王様......」
ゴラドは静かに気絶した。
エントランスは先ほどとは打って変わり、静寂に包まれていた。
ポツンと1人、ゴラドが吹き飛んでいった方向を見つめるリア。
「ハア......ハア.....勝った......」
リアは膝をついて座り込む。
「今まで戦った誰より強かった......運が悪ければ負けていた」
「ジョーカーさん!!」
声がする方を見ると、エースが城の奥から走ってきていた。
座り込むリアに走り寄るエース。
「エースくん......」
リアはエースを見ると、手をついて立ち上がった。
「大丈夫ですか!?ジョーカーさん!?」
「うん、大丈夫だよ。それより襲撃の状況は?」
「はい、ジョーカーさんがゴラドを抑えていてくれたおかげで魔王城の制圧は完了。中にいた敵は全て無力化しました」
「そう......流石だね」
「そ、それよりジョーカーさん......あ、あの......前が」
「え?」
リアは自分の服を見た。
リアの服はゴラドと戦ったときに暑くて上着を脱いだため薄着になり、沢山汗を掻いたため、下着が透けて見えていた。
「あ......エ、エースくん、ちょっと後ろ向いてて」
「は、はい!!」
リアは戦いの中で脱いだ上着とマントを拾って、羽織る。
「ふう......ごめんねエースくん、見苦しいものを見せちゃって」
「い、いえ!!めちゃくちゃ目に優しいものです!!じゃ、じゃなくて!!え、えーっと!!」
エースは動揺しながらリアを見た。
「じゃあ、皇帝様の命令通り何人か人質を連れていくよ」
「わかりました!作業は他のメンバーでやるのでジョーカーさんは城門前で見張りをしてて下さい!」
エースは疲れているリアを見てそう言った。
「わかった、後は任せるね」
それからしばらくして、カードのメンバーが城門前に集まった。
用意していた馬車にゴラドを始め魔王城の兵士を20人ほど乗せていた。
「これでミッションコンプリートですねジョーカーさん」
「うん、みんな良く仕事してくれたね」
「いえ、ジョーカーちゃんがゴラドを倒してくれたおかげですわ」
「そうだぜ、やはり我らリーダーは最強だぜー」
クイーンとジャックはリアを褒めた。
「そんなことないよ、それじゃ皇帝様が待つアルガンド城まで出発しようか」
「そう言えば良い物が手に入ったぞ」
キングは徐ろに何かを取り出した。
「良い物?」
「ああ、魔王の写真だ」
「魔王の写真!?今の魔王は顔を頑なに隠しているじゃないですか、大スクープですよ!」
「俺とクイーンは一度会ったことあるからな、間違いなくこれが魔王だ」
そう言ってキングはジャックとエースに写真を渡した。
ジャックとエースは食い入るように写真を見る。
「可愛い女の子じゃねーかおい」
「た、確かに可愛いですね」
「見た目は可愛らしいですが中身は憎たらしいお子様ですわ」
「ジョーカーさん、魔王見たことありますか?」
「いや、リアもない」
「見てみて下さいよ、僕達よりも幼い女の子ですよ」
リアはエースから写真を受け取った。
「女の子っていうのは噂で知っていたけど顔は......」
リアは写真を見て、硬直した。
リアの頭には、サンダトルトで縁日で遊んだ記憶が浮かび上がる。
「......ま、まさか」
「ま、まあ可愛いと言ってもジョーカーさんほどでは......」
エースはそう言うがリアがあまりにも驚きの表情を見せているため、黙った。
「イ、イカちゃん......」
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