第95話 カードVS魔王軍
そして魔王城前に着いた5人。
「では作戦通りリアは正面から、エースくんは裏手から、キングさんは右手、クイーンさんは左手から、ジャックさんは正面の2階から侵入して下さい」
リアがそう言うと頷くカードの4人。
「目的は魔王城の陥落、なので出会った敵は誰であろうと倒す。そして今回の作戦最大の障壁が魔王軍第3魔将ゴラド、今はゴラドが最高戦力、出会った人は注意して」
それを聞くと、カードのメンバーは静かに頷いた。
そして、リアは一息付く。
「じゃあ行こうか、必ず5人無事に戻ってこよう!!」
「「「「はいっ!!」」」」
そう言うと4人は離散していった。
「ふう......」
リアは魔王城の城門を見る。
(お兄ちゃん、リアは正しいことをしているのかわかりません。けど、これがリアなりの正義)
リアは覚悟を決めたような表情をし、手のひらを合わせた。
ジ......ジジ.......ジジジジッ......
リアが手のひらを開くと、そこには高密度な魔力の玉が形成されていた。
その魔力は火、水、土、風の4色の魔力が籠もり、次第に虹色に光り出した。
(4属性の魔法を操るクアトラプルのリアにしか出来ない技)
ジジジジッ!!
その魔力はどんどん密度が上がり、凄まじいエネルギーが迸る。
「カタストロフィー!!!」
そう叫びながら魔力の球を放出するリア。
その球は真っ直ぐ飛び、魔王城城門にぶつかった。
ドガアアアアアアアアアッッッッッッ!!!
魔王城城門はその凄まじい威力に跡形も無く吹き飛んだ。
辺り一面には城門の瓦礫と砂煙が巻き起こる。
そして、その轟音を聞いた魔王城のモンスター達が集まってきた。
「な、何だ!?」
「襲撃だ!!敵は誰だ!?」
モンスター達は壊された城門から城の外を見る。
カッ!カッ!カッ!
リアはその狼狽えるモンスター達に向かって歩いていく。
砂煙の中、薄っすら見えるその表情は魔王軍のモンスター達を萎縮させた。
「だ、誰だお前は!?」
「私はカードのジョーカー......」
ブオオオオオッ!!
リアから凄まじい魔力が迸る。
「魔王軍、覚悟してください!!」
その小さな身体から発せられる魔力と気迫に、さらに狼狽えるモンスター達。
「カ、カードのジョーカーだ!!」
「ついに来たか!!ゴラド様に連絡しろ!!」
そして、リアの前に数人のモンスター達が立ちはだかる。
「こんな小娘1人に魔王城が落とされるか!!」
すると、一斉にリアに襲いかかるモンスター達。
「うおおおおお!!」
「フッ!!」
リアが右手を振るうと、モンスター達がいた地面が隆起した。
「な、何っ!?」
モンスター達は地面ごと吹っ飛ぶ。
「狼狽えるな!!かかれ!!」
「ハアッ!!」
それでも向かってくるモンスター達に左手を差し出すリア。
すると、まるで嵐のような突風が吹き、モンスター達は吹き飛んで壁にぶつかった。
「ぐあっ!!」
「つ、強い......」
モンスター達は顔を上げてリアの方を向く。
そこには凄まじい魔力を纏い、圧倒的オーラを放つリアが立っていた。
「魔王軍の力はこんなものなの?」
「くっ......舐めてんじゃねー!!」
モンスター達は一斉に火魔法を放つ。
その無数の火の球は豪速球でリアに向かって飛んでいった。
リアはまた左手を火の球に向ける。
「ハアッ!!」
リアの左手からは大量の水が射出され、火の球を消火した。
ザバッ!!
その水はそのまま勢いよくモンスター達を襲う。
「ぐああっ!!」
「ちくしょう!!この一瞬で20人以上やられた」
「俺達は魔王軍の兵士だぞ......何なんだあの強さは」
さらに狼狽えるモンスター達。
リアはさらに凄まじいオーラを放つ。
「つまらない!!相手にならないね!!」
「負けるな!!みんなかかれ!!」
それから魔王城のエントランスでの戦いは続いた。
魔王城のエントランスは崩れ、そこら中に瓦礫が散乱している。
100人ほどの兵士がリアに攻撃を仕掛けたが、全員倒され、立っているのはリアだけとなった。
「つ、強い......次元が違う」
「これじゃ魔王様でも......」
倒れるモンスター達を尻目に魔王城の奥へと歩みを進めるリア。
「ここはこんなところか、次はもっと奥を」
リアは魔王城の奥に入ろうとした。
ドゴッ!!
その瞬間、壁が崩れ、そこからエースが吹き飛んできた。
そして、リアの前に着地するエース。
「エースくん!?」
「ゲホッ!ジョーカーさん!!ご無事で!?」
「リ......私は何ともない!エースくんはどうしたの!?こんなにボロボロになって」
「いえ、まだまだ戦えます!!」
「威勢が良いですね」
ドンッ!!
壁が崩れたところから何者かが飛んできて、リアとエースの前に着地した。
それは魔王軍第3魔将ゴラドだった。
「ゴラド!!!」
「某とここまで戦えるなんて、若いのに相当な訓練を積んだのでしょうね」
「くっ!!まだまだここからです!!」
エースは剣を握った。
「待って!!」
リアはエースを押しのけて、前に出た。
「ゴラドは私がやる!!」
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