第94話 カードの仕事
場所は魔王城近郊の道。
カードの5人は魔王城に向かって歩いていた。
時は2日ほど遡り、サンダトルトにて。
「ジョーカーさん、皇帝様からの手紙には何と?」
カードのジョーカーリアは路地裏で皇帝から届いた手紙を読んでいた。
その様子をエース、キング、クイーン、ジャックが見守る。
「......次の任務の命令だよ」
リアは手紙を折りたたみ、ポケットに入れた。
「今から魔王城に向かって攻撃を仕掛ける。目的は魔王城の陥落」
「なっ......」
それを聞いて驚くエースと無表情の3人。
「情報によると今魔王城には主力が抜けている。魔王、そして第1魔将ランド、第2魔将キザ、第4魔将サイが留守にしている。狙うなら今という判断だろうな」
キングはそう言った。
「皇帝様らしい賢明な判断ですわ」
「し、しかし!!そんなことをすれば魔王が黙っているはずがありません!!必ず報復に来ますよ!!」
「それでも返り討ちに出来るという判断だろうな、それか何か裏があるか」
ジャックは腕組みをしながら言う。
「裏?」
「魔王軍を倒す以外に何か目的があるってこって」
「具体的には?」
「知らねーよ」
ジャックは目を瞑り、一息付く。
「まっ、何にせよ俺達は考えるまでもねーよ。皇帝様の命令だ、従うまででー」
「しかし今回は流石に......」
エースは困惑した様子で話す。
「あら、いつもは皇帝様に忠実なエースくんが偉くゴネてますわね」
「ゴネてる訳じゃないですが......わかってますよ、命令とあれば本意で無くても僕は戦います」
「ジョーカーちゃんはどうだ?」
キングはリアに聞く。
「リアは......当然、皇帝様の命令であれば戦うよ」
そして今に至る。
「あーあ、まさか魔王城の襲撃なんて大仕事が入るなんてな」
ジャックは歩きながら言った。
「主力が不在とは言え、たった5人で魔王城落とすなんて......」
「まっ!ジョーカーちゃんがいれば大丈夫だろ、なっ!ジョーカーちゃん?」
ジャックはリアの肩に手を乗せる。
しかし、クイーンに掴まれ剥がされた。
「お触りはいけませんわよ?」
「わ、わかってら!スキンシップだよスキンシップ!!」
「しかし皇帝様は策を早り過ぎている気がするな。一体何を考えていらっしゃるのやら」
「聡明な皇帝様のことです。何か策がある、そう思うしかないでしょう」
キング、エースが話しているが無表情のリア。
「ジョーカーちゃんは何か気に食わないのですか?」
クイーンが無表情のリアに聞く。
「気に食わなくないよ、リアのやることは一つだけ」
『皇帝様、お呼びでしょうか?』
数ヶ月前、リアは皇帝に呼出され、皇帝の前に跪いていた。
『おお、ジョーカーよ!表を上げろ!』
リアが跪いているのは皇帝ベイン。帝国軍から圧倒的な支持を受けている過激派の皇帝である。
『跪くのも止めて構わん、楽にしていいぞ』
『それは......』
『いや私からそういうことを言うとパワハラになってしまうのだな』
そう言ってハハハと笑うベイン。
『本題だが、今のカードはお前を始め優秀な者が多く歴代最強と名高い、皇帝として嬉しい限りだ』
『勿体無いお言葉でございます』
『そこでだ、前魔王ガイルが死に早5年、そろそろ魔王城に攻撃を仕掛けようと思う』
『平和協定を破るのですか!?』
帝国軍と魔王軍は平和協定を結んでいて、お互い攻撃を仕掛けることが出来ない。
それは先代の魔王ガイルと皇帝ベインが結んだ協定だった。
『ああ、あの協定はまだ帝国軍が弱く魔王軍に勝つ算段がなかったから結んだに過ぎないからな』
『そんな!!皇帝様は平和を望んでいるんじゃ......』
『当然望んでいる。そのためには魔王軍を倒すしかない』
ベインはリアを見つめながら言う。
『しかし......』
『ジョーカー、アルガンド城事件は知っているか?』
『はい、勿論です......』
『本当に平和を目指すならどちらかがどちらかを倒すしかないんだ、帝国軍が倒され魔王軍が統治するかその逆か、私は平和になるなら帝国軍が無くなっても構わないと思う』
ベインは言葉を続ける。
『しかし、魔王軍は信用出来ない。ならばやはり我々は魔王軍を倒し、世界を統べるしかないのだ』
『......』
『やってくれるか?ジョーカー、魔王を倒せるのはお前だけだ』
『リアは......』
リアは真っ直ぐな眼差しでベインを見る。
『リアは必ず、魔王を倒します』
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