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第89話 シルバーサーカス団

その頃、雪山麓の町スマウでは......


「うおっ!!」


目が覚めた俺。


俺はスマウの郊外の森で1人修業をしていたが、そのまま寝てしまい朝になっていた。


「寝ちまってたのか......ヤバい、サイさんに心配かけちまう!!」


俺は急いでスマウの宿に向かって走った。


そして、町の中に入り、少し歩く。


スマウの町は賑やかで、昨日より人が沢山歩いている。

何だ?こんな朝なのに人がめっちゃいる


俺は人の多さを見ながら不思議に思った。


「すいません」


町の人に声をかける俺。


「なんだい?」


「何か今日人が多いですけど何かあったんですか?」


「ああ、この町にあの有名なシルバーサーカス団がやってきたんだよ」


「シルバーサーカス団?」


「世界一有名なサーカス団さ、今人気でチケットも全然手に入らないようなサーカス団がこの辺鄙な町に来たんだよ」


「なるほど......それでみんな大騒ぎしている訳か、教えてくれてありがとうございます!」


俺は町の人にお礼を言い、また歩き始める。


(サーカス団か......見たことないな)











俺は泊まっていた宿に着いた。


そこには宿の台所に立つサイさんと机に置かれた料理が広がっていた。


サイさんは前よりも少し大きくなり、小学生ぐらいの大きさに戻っていた。


「サイさん!?」


「ロイくん、昨日は帰ってこなかったから心配したんだぞ」


「す、すいません......修業中に寝てしまって......それよりこれは?」


「宿の台所を借りて料理してみたんだ、口に合うかわからないが食べないか?」


「ええー!!サイさん料理得意だったんですか!?」


「意外か?」


「ちょ、ちょっと......」


「心外だな、氷魔人の女はみんな料理が得意だぞ。それに、こう見えて弟と妹に良く料理作ってたし、魔王城でも料理してたんだぞ、ほら座りなさい」


サイさんは俺を押して、机の前に座らせる。


そして、自身もその向かいに座った。


サイさんの料理は家庭的で、味噌汁に焼き魚、納豆にサラダとバランスの良いメニューである。


「ほら、食べてみてくれ」


「あ、ありがたくいただきます!!」


俺はサイさんが作った料理を食べる。


「どうだ?」


「う、う、生まれてきて良かった......」


俺は料理を食べながら涙を流した。


「な、泣くほどのことか?」


「感激ですよ、こんな尊敬している美人のお姉ちゃんにこんな美味い料理を作ってもらえるなんて......」


「そ、そうか?ロイくんが喜んでくれているならそれは良いことだ」


「喜ぶどころの騒ぎじゃないですよ!!もう死んでもいいかも!!」


「大袈裟だなロイくんは」


サイさんは微笑みながら食べる俺を見つめていた。


「それより修業はどうだ?宿に帰ってこないほどにのめり込んでいるが、順調か?」


「はい!もっともっと強くなりますよ!!」


「そうか、頑張ってるなロイくんは」


「すぐにサイさんより強くなりますよ!!」


「ハハ、期待しているぞ」


「あっ!!そう言えば!!」


俺は何かを思い出した表情でサイさんを見る。


「ど、どうした今度は?」


「知ってますかサイさん!今この町にシルバーサーカス団っていうサーカス団が来ているらしいです」


「そうなのか、シルバーサーカス団、確かマスコットの熊のクーちゃんが可愛いんだ」


「そ、そうなんですね。サイさんは結構流行とか詳しいんですか?」


「詳しいように見えるか?」


「見えない」


「だろ?まあ大学時代は友人の付き合いで少し詳しかったりしたが、あんまり興味のある方ではないな」


「そうですか、興味なかったらあれですけど、良かったら一緒にサーカス見に行きません?サーカスが終わってからこの町を出発してもいいかなと思いまして」


「え?別に構わないが私なんかと行って楽しいのか?」


「な、何言ってんですか!楽しいに決まってるでしょ!!」


「そうなのか?姉と遊んで楽しいなんて変わった弟だな」


「じゃ、じゃあ食べ終わったら準備して行きましょうか!場所はここから直ぐ近くのはずです!」


「わかった、まあゆっくり食べてから準備しよう」
















朝食を食べ終わり、準備を済ませて外に出た2人。


2人はサーカス会場に向かって歩いていた。


「いい天気で良かったですね」


「ああ、今日の予定だがサーカスを見終えたらそのままエーケベに向かって出発するぞ、まあ3日ほど歩けば着くだろう」


「そうですね、まずはサーカス楽しみましょう!!」


無邪気に笑うロイ。


それを見てサイも笑う。


(可愛いな、ロイくんは。しかし、弟分のロイくんとは言え殿方と2人で遊びに行くなんて初めてだな)


サイは一度立ち止まる。


(待て、これって俗に言うデートという奴なのではないのか!?)


サイは少し赤くなった。


「どうしたんですかサイさん?」


「い、いや、何でもない」


(何を考えてる私は、相手は弟分のロイくんだ!そもそも7つも歳が離れてるんだ、ロイくんはデートだと思ってないだろう)


サイは少し落ち着かない胸中を落ち着かせた。


「何かデートみたいですねこれ!」


ロイはウキウキとした顔でそう言った。


「な、な、何を言ってるんだロイくんは!」


「え?だって若い男女がサーカスだなんて、デートみたいじゃないですか」


「バ、バカ者!私とロイくんは上司と部下の関係であって!決してデートなどでは......」


「わかってますよ、ただサイさんと遊びに行けるなんて夢みたいだなーと思って」


「バ、バカ者......」


「あれですかね!?」


そうこうしていると、ロイ達の前には大きなテントのような物が見えた。


その周りには沢山の人が列に並んでいる。


「うわー、凄い人ですね......」


「本当だな、人混みはあんまり得意では......」


すると、サイの視線の先には熊の着ぐるみが子ども達に風船を配っていた。


「あ、あれは!!クーちゃん!!」


サイは目を輝かせる。


「あれがマスコットですか」


「ちょっと握手してもらってくる!!」


サイはテコテコとクーちゃんの方に歩いていった。


「サイさん、今は子どもの姿だから無邪気なのが合ってるな......ん?」


ロイはサイを追いかけようとしたが、その横にいる風船を配るピエロが目に入った。


「スゲーピエロだ、初めて見た」


すると、ピエロはロイの方を向き、ピエロと目が合う。


その瞬間、ピエロは驚いた表情をした。


「お、お前それ......」


「え?何?」


「ちょっと来い!!」


ピエロはロイの腕を掴んで引っ張る。

面白い!続きが気になる!今後に期待!


と思っていただけたら


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