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第88話 レイカの決意

「あ、あれ......?」


ふと気がつくと、ガイルとミーナの姿は無く、音楽室に1人立っていたレイカ。


「お父様とお母様は......」


周りを見渡すが、人の気配はない。


「そっか......僕が不甲斐ないから出てきてくれたんだね、2人とも」


レイカは涙を拭う。


「お父様、お母様、僕は大丈夫だよ!友達も出来た!まだちゃんと友達になれてない子もいるけど、きっと大丈夫!それに......」


レイカはロイの顔を思い出し、少し赤くなった。


「何にせよ僕は大丈夫!安心して見てて貰えるように頑張るからね!」


レイカは2人に聞こえるように大きな声で言った。


「あ、それと.....1番重要なことなんだけど!!お母様が巨乳で安心したよ!ありがと!!」


母の姿を見て、自分の将来の姿を想像し、安心したレイカ。


「よし!じゃあみんなを探しに.....」


「きゃあああああああ!!」


すると、廊下から悲鳴と足音が聞こえてきた。


「え、何!?」


レイカは驚いて廊下に出た。


そこには泣きながら走って逃げるカエデの姿があった。


「カ、カエデ!?大丈夫!?」


「ま、魔王!!助けてぇ!!」


カエデはレイカに抱き付く。


「ど、どうしたの?」


「オバケがぁ!!」


「オバケ?」


カエデの背後を見ると、複数の手や青白い顔で足のない人間が追いかけてきていた。


「う、うわぁ......何これ」


「オバケよ!助けてぇ!!」


オバケ達はじーっとカエデとレイカを見つめていた。


「あー......この子オバケが苦手で、可哀想だから追いかけないで上げてくれないかな?」


レイカはオバケ達に向かってそう言う。


オバケ達はそれを聞いて顔を見合わせる。


そして、レイカに向かって頷き、去っていった。


「どこか行ったね」


「あ、ありがとう魔王......」


「何なんだろあれ」


「し、知らないわよ!」


「そう言えばカエデ!さっきの話だけど」


カエデはレイカから離れ、立ち上がる。


そして、真剣な眼差しでカエデを見つめるレイカ。


それを見て、カエデも真剣な表情になる。


「うん、私も魔王とちゃんと話したいと思ってた」


「正直な話、カエデのお父さんと親友の件は僕は知らなかった。これから誰かに聞いたりして真相を知りたいと思う。けど僕は魔王軍の最高責任者、過去の魔王軍の行いとは言え、今は僕に責任があると思ってる」


「......」


「カエデの気が済むなら僕をどうしたって良い、けどカエデが許すなら僕はカエデと友達になりたい、友達になって一緒にこの件について考えていきたい!それが僕の気持ちだよ!」


レイカは真剣な表情でカエデを見つめながら言う。


「......」


カエデもレイカを真剣な表情で見つめる。


「.....魔王、私の気持ちも同じよ。お父さんと親友を殺した魔王軍は許せなかった、それは最高責任者である魔王を倒せば敵討ちになると思ってたの」


少しレイカに近付くカエデ。


「けどあなたに会ってそれは違うと思ったわ。私もあなたと友達になって、一緒に考えていきたい」


カエデはレイカに手を差し出す。


「カエデ......ありがと」


レイカはカエデの手を握り、握手する。


「よろしくね、レイカ」


カエデは笑顔で言う。


「こちらこそ!」


レイカも笑顔になった。


「じゃあ逸れちゃったリコとコアネールを探しに......」


「おーい!レイカちゃん!カエデさん!」


すると、廊下の奥からリコ、コアネール、そして白衣を着た男性が走って来ていた。


「リコ!コアネール!」


「全く、心配したですのよ」


「そっちの男の人は?」


レイカとカエデは白衣の男性を見る。


「すいません、私この研究所の責任者でガクという者です。先ほど外でリコさんとコアネールさんと出会って話は聞きました」


白衣の男性はこう話した。


この廃校は研究施設として利用されており、政府公認の研究施設だと言う。


「すまないね、一般人は入れないようにしてたはずなんだけど、まさかそんな抜け穴があったとは」


「この施設ではどんな研究してるの?」


「死者との交信の研究だよ、死んだ人と会話が出来るようにするための研究さ。まあ中々それが難しくて、この研究所には変なのが住み着いちゃって幽霊屋敷なんて呼ばれるようになってしまって......」


その話を聞いたレイカは父と母のことを思い出す。


「え?ちゃんと死んだ人と話せたよ?」


「いやいや、そんなはずはないよ。実験はまだまだ失敗だらけで成功例はまだないはずだよ」


「そうなの?うーん?」


確かに死んだはずの父と母と話したレイカ。


「まあいいや、そういう事なら早くこの施設を出よう」


「そうですわね、ガクさんすいません、ここから魔王城に向かうにはどちらへ進めばいいでしょうか?」


「魔王城へ?それなら西のオーブロっていう町を経由すればいい。あっちに煙突が見えるよね?」


4人が外を見ると、遙か先に煙を出す煙突が見えた。


「お!そう遠くないね!」


「わかりました!ありがとうございます!」


「女の子4人で大変だね、気を付けて旅するんだよ」


「ありがとう!じゃあカエデ、リコ、コアネール、行こうか!!」


こうして、魔王、勇者、王女、田舎娘の旅は続くのであった。

面白い!続きが気になる!今後に期待!


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