第74話 王女と田舎娘の旅
「釣れませんねー......」
私はデザール村出身のリコ・モイネモという者です。
世界の様々な情景や人を見て、絵を描くために1人旅に出た私でしたが、ひょんなことから1人の王女様と旅をすることとなりました。
名前はコアネール・サン・サンベルスさん、サンベルスという大国の王女様の凄い人です。
それに可愛くて気品があって優しい、とても良い人です。
今はお腹が空いたので2人で近くの川で魚釣りをしています。
私は川の風景画を描きながら、魚釣りをしていた。
「なかなかですね......やっぱり木の棒に蔦を巻き付けて採った虫で釣るのは難しいですの」
「それだったらもう私達が虫を食べた方が早いのでは」
「それは嫌ですの!!」
という風にコアネールさんは虫を食べるのを嫌がります。私の村では普通に食べてましたけどね。
「はあ、どうして私達こんなに極貧生活をおくっているのでしょうか」
「絶対にリコのせいで極貧なんですの!」
「お金はおっかねーですねー」
「私はリコがおっかないですの」
「コアネールさんも釣れないですね......」
「リコの絵が上手くて売りながら旅が出来たらいいですけど、あんまり上手くないですからね」
「ガビーン!!」
コアネールさんは私が描く風景画を見ながら言う。
こんな感じで親友のコアネールさんと仲良く旅をしています。
バチャッ!!
その瞬間私の釣竿が大きく動いた。
「え!?引いた!?」
その瞬間、コアネールさんが素早く私の横から私の釣竿を持つ。
「ついに来たですの!絶対逃さないですの!」
「コ、コアネールさん結構素早いですね」
「いいから引くですの!」
私は力一杯竿を引く。
しかし、なかなか上がってこない。
「お、重い、なかなかの大物ですよ!」
「絶対に逃さないですの!!」
私とコアネールさんが思いっきり引っ張ると、糸の先から何かが浮かび上がってきた。
それは黒くて大きな何かだった。
「ん?何ですかねあれ」
「魚ではないようですが......」
困惑する私とコアネールさん。
しかし、良く見るとそれは小さな女の子だった。
女の子の服に釣り針が引っ掛かり、釣り上げられていた。
「コアネールさん!?人ですよ!小さな女の子!!」
「は、早く引き上げるですの!!」
私とコアネールさんは身を乗り出して女の子を掴むと、陸に引き上げる。
そして、毛布を敷き、そこに仰向けで寝かせた。
女の子は小学生ぐらいの年齢で黒い長い髪に目を瞑っていてもわかる端正な顔立ちの女の子だった。
「な、なんで川から女の子が......」
「息はありますね、だけど身体中傷だらけですの。リコ、確か薬草はありましたよね」
「はい!昨日採った物があります!」
「それでしたらまずは傷口に......ん?」
すると、女の子の身体から黒いモヤのような物が出てきて、全身の傷口の入り込んでいく。
その傷口はみるみる回復していった。
「これは......」
「凄いですコアネールさん!もう治しちゃったんですか!?」
「いえ......私は何も......」
コアネールさんは女の子をじーっと見つめる。
「黒い羽に鋭い八重歯......この子魔族ですね」
コアネールさんはそう言う。
魔族とは魔王軍に属する強い一族のことを言う。
「魔族の女の子がなぜ川から......」
「まあそんなことは後ですの、とにかく命に別状はありませんが身体が冷えてしまってるですの、焚き火の前へ運びますわよ!手伝ってください!」
「はい!」
私とコアネールさんは2人で女の子の下の毛布を持ち上げ、昨日何とか作った焚き火の前へ運んだ。
「これで大丈夫なはずですの、幸いダメージもそこまでありません」
「よ、よかったぁ.....コアネールさんって医療の知識があるんですか?」
「私、これでもサンベルス国立大学の医学部を卒業していますから」
「え!?コアネールさんって大学卒業してるんですか!?年齢をサバ読んでたってことですか!?通りで年の割に落ち着いてると思ってたんです!」
「サバ読んでませんの!大学は飛び級で卒業致しましたわ、年齢は16ですの!」
「あ、そうなんですか、凄いですねコアネールさんって!意外と力持ちだし」
「う、うるさいですの!一応弟と共に武術を習っていましたから、勉学と違い才能がなく辞めてしまいましたが......」
「そうなんですね、コアネールさんって多彩なんですね」
「リコも弓がまあまあ上手いじゃないですか、巨乳だし、絵もまあまあ上手いし、巨乳だし、視力が良いですし、巨乳だし」
「そ、それって褒めてるんですか?っていうか別に巨乳じゃないですよ」
「だってやっぱり......大きいお胸は憧れますわ」
コアネールさんはチラッと私の胸を見て言う。
「そんなことないですよ、コアネールさんは可愛くていいと思います。しかもコアネールさんはまだ16歳なんだから望みはありますよ、私も16歳から今で結構成長しましたから!」
「そうですの?リコは今何カップですの?」
「え、答えないとダメですか?」
「気になりますの!!参考までに!!」
「まあ......一応Eカップですね」
「う......デカ......そ、それで16歳のときは?」
「16歳のときはDカップぐらいでした」
「ムキーーー!!!」
コアネールさんは怒って私の胸を揉む。
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