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第72話 ロイの後悔

『僕は......ずっと独りだ』


そこには小さい魔王様の姿があった。

そして、その近くにはランドさんの姿があった。


『レイカお嬢様、貴女は魔王になるのです』


『僕は魔王になんか......』


『いえ、貴女は魔王にならなければいけない。それに、ずっと俺が側にいます』


そのランドさんの眼差しはまるで数年先の未来に向いているような、そんな眼をしていた。















「.......ここは」


俺は目を開けた。


そこには木で出来た天井が見える。

それにフカフカで温かいベッドで俺は仰向けに寝転んでいた。


そして、身体には包帯が巻かれている。

横を見ると、暖炉があり、薪で火が焚かれていた。


もしかして助かったのか?


だけど俺は雪山で意識を失って......一体どうやって......


「ロイくん」


「え?」


俺が声がした方を見ると、そこにはサイさんの姿があった。


「サ、サイさん!?どうして!?」


「......」


サイさんは少し黙っていると、うっすら涙を浮かべた。


「ええ!?サイさん!?」


「君が助からないかと思ったのだ......私は液体になっていたが再生したんだ。すると君が倒れていた、下山も間に合いそうになかったから必死に辺りを捜したらこの山小屋が見つかったのだ、ある意味奇跡だった」


そう涙を拭いながら言うサイさん。


そうか、ここは山小屋だったのか......

良く見ると、サイさんは山小屋に常備されていたであろう防寒着を身にまとっていた。



ここが見つからなかったら本当に死んでいたな。


それにサイさんがこのタイミングで再生して俺を助けてくれたんだな......


「ありがとうございますサイさん、助かりました」


「助かりましたではない......死んでいたらどうするんだ」


そう言いながら涙を拭うサイさん。


「ハハハ、魔王四天王で一番冷酷で有名なサイさんも俺のために泣いてくれるんですね」


「な!べ、別に君のためでは......年上をからかうのはよせ」


「冗談です。本当にありがとうございました。サイさんがいなければ確実に死んでいました」


俺は仰向けに寝ながら会釈した。


「仲間なのだ、当然だ!それに私こそすまなかった、魔王城で戦ったとき私は油断してやられてしまったようだな」


「そ、そんな!あの時は俺を助けるために」


「フッ、まあお互い助け合って今生き延びた訳だな」


そう言うサイさんだったが、考えてみれば助けられているのは俺ばかりである。


「ところで体調は大丈夫かロイくん」


「は、はい、身体が痛むだけで元気はあります!」


「そうか、ならゆっくりで良いから今の状況を話してくれないか?何故我々は雪山にいるのだ」


当然そうなるよな......一体どういう経緯で俺達は雪山で瀕死でいたのか。


「それは......」


俺は全てをサイさんに説明した。


革命軍のリーダーが魔王様の兄だったこと。


それを確かめるために俺と魔王様、ランドさんで旅に出たこと。


そして魔王様の兄と対峙し、俺が負けてしまったこと。


ランドさんが裏切り者だったこと。


全てを話した。



「そうだったのか......私が居ぬ間にそんなことが」


「はい、魔王様はとても傷付いている感じでした。だけど俺何も出来なくて......」


「そんなことはないさ、君は立派だ」


「いえ、サイさんに魔王様を頼むと言われたのに、何も出来ずに今魔王様がどうなっているのかもわからない。あのときサイさんでなく俺がやられていれば......」



その瞬間、サイさんは俺を抱き締めてきた。


その豊満な胸が俺の耳辺りに当たってもう今なら死んでもいい......じゃなくて!


「サ、サイさん!?何を......」


「君は十分頑張ったじゃないか、働きすぎなぐらいだぞ」


「サイさん......でも俺、頑張ったけどダメダメで」


「全然ダメダメではない。それに例え世界中の全員が君をダメダメだと言おうと、私が褒めてやる。君は立派だ」


そう言って抱き締めながら、俺の頭を撫でてきた。


「サイさん......俺......」


俺の目からは一筋の涙が流れた。


最近は色々なことがあった。


カエデを助けられず、カードのジャックには全く歯が立たなかった。


そして、カエデや魔王様、みんなを守るために強くなると決めた。剣術や光魔法もそこから血の滲むような鍛練をこなしてきた。


だけどやっぱり魔王様の兄ヴァルロと戦ってみて、歯が立たなかった。力の差は歴然で相手になっていなかった。


カエデも魔王様も守れなかった、俺はまだまだ弱い。


「俺、弱いですね......」


「何言ってるんだ、君の年齢だと弱くて当たり前だ。きっとこれから強くなる、お姉さんがそう断言する」


「サイさん......」


「強くなるところ見ていてやるから、今は弱くていいんだ。君は痩せ我慢し過ぎているところがある。こんなときは誰かに甘えてもいいんだ、ほらお姉さんに甘えてみな」


「うう......サイ...お姉ちゃん」


俺はサイさんに抱き付き返した。


「俺、辛くて......頑張ってるのに誰も守れなくて.....絶対強くなる......魔王様にもサイさんにも負けないぐらい強くなるから!!」


「うんうん、私がしっかり見ていてやるからな」


それからしばらく俺はサイさんに抱き付いていた。

面白い!続きが気になる!今後に期待!


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