第67話 ロイVSヴァルロ
「ランドさん!魔王様がどれだけアンタを信じてたか、わかってんのか!!」
『魔王城のみんなは家族みたいなものだから......』
俺は自身の嘘を打ち明けた時の魔王様の言葉を思い出した。
「......ロイ、お前はこの魔族の争いに関係ない。首を突っ込むな」
「突っ込むね!さっきから黙って聞いてたら世界征服だの魔皇帝だのバカが考えたような訳わからんこと言いやがって!魔王様を傷つける奴らは俺が許さねー!!」
「ロイロイ......」
魔王様は俺を見つめる。
「面白い、そこまで言うならお前如きに何が出来るか証明してみろよアホ面」
ヴァルロは剣を構え、俺を睨む。
「ああやってやるよ!テメーさっきからイケ好かねーイケメンで女の子にモテそうでムカついてたんだよ!!」
俺も剣を両手に構え、ヴァルロを睨む。
「奇遇だねロイ、僕も初めてお前らを見た時から由緒正しい魔王である僕の妹の隣に品の無い頭が悪そうなバカ男が立っていてムカついてたんだ」
ヴァルロも剣を構え、俺を睨んできた。
「ロイロイ止めて!ロイロイじゃお兄様には勝てない」
「勝てる勝てないじゃなくて、自分の妹に酷いこと言うコイツが許せないんですよ!」
「酷いこととは心外だね。合理的思考だよバカなお前には理解出来ないだろうがな」
「バカはテメーだバカ!!」
俺はヴァルロに向かって斬りかかる。
キンッ!!
しかし、またヴァルロは剣を横持ちにして防いだ。
そして、俺の持つ聖剣アンヘルと魔剣ディアブロを見ながら言う。
「お前......雑魚のくせに剣だけは何でこんな良い物を使ってる?」
「テメーと違って女の子にモテるからな!女の子に貰ったんだよ!!」
「冗談は顔だけにしな!!」
キンッ!!
ヴァルロは俺の剣を弾く。
「お前みたいに雑魚で才能がないバカを見ていると虫酸が走るね。しかも力の差を理解出来ず、僕に勝てると思ってるその根拠のない自信、僕の嫌いなタイプだよ」
「こっちだってお前みたいな才能に恵まれただけで調子乗ってるナルシスト野郎はタイプじゃないね!!」
「口だけは達者だな」
ヴァルロは俺に斬りかかる。
ガキンッ!!
俺は双剣をクロスさせ防ぐが吹き飛ばされる。
「ぐあっ!!」
「その程度かアホ面野郎!!」
吹き飛んだ俺に追い打ちをかけるヴァルロ。
ガキンッ!!
しかし、すぐに体制を立て直した俺はその剣を剣で受けた。
「オラァ!!」
そして、そのまま前蹴りを放つ。
バシッ!!
しかし、ヴァルロに片手で受けられる。
「弱いな、蹴りっていうのはこう打つんだよ!」
ドスッ!!
ヴァルロは俺の脇腹に蹴りを当てた。
「グハッ!!」
俺は吹き飛び、仰向けに倒れた。
「ロイロイ!!」
「だ、大丈夫です魔王様!」
俺は脇腹を押さえながら立ち上がる。
(チッ!やっぱりスピードもパワーも比較にならないぐらい相手の方が上だ)
そう思いつつ、俺は剣を構える。
「もうわかっただろ、貴様如きでは僕には勝てないよ」
「黙れ!そういうナルシスト発言は勝ってから言いやがれ!」
「まだやると言うなら命の保障はしないよ」
「こっちのセリフだバカ野郎!」
「フッ!!つくづくムカつく男だなお前は」
その瞬間、ヴァルロは物凄いスピードで俺の目の前に現れた。
「何っ!!速い!!」
「はあっ!!」
ヴァルロは剣を振るう。
ザシュッ!!
俺は間一髪避けたが、肩に少し掠り、流血する。
「グッ!!クソッ!!」
俺は右手のディアブロをヴァルロに向かって振るった。
しかし、ヴァルロは簡単に避け、剣を突き立てる。
その剣は俺の胸を掠め、またしても流血した。
「チクショ!!」
キンッ!!
俺はまた剣を振るうが、簡単に剣で防がれ、また吹き飛ばされた。
「グワッ!!」
ズザザッ!!
俺は仰向けに倒れた。
「ロイロイ!!大丈夫!!」
「ハア......ハア......ぜ、全然大丈夫です」
胸と肩から血を流しながら立ち上がる俺。
「大丈夫じゃないよ!!もういいよ!止めて!!」
「こんなの掠り傷ですよ!!」
俺はまた剣を構えた。
「止めておけ、これ以上は本当に死ぬぞ」
「じゃあ魔王様に謝れ!」
「意味がわからない、何を謝るって言うんだ」
「じゃあ俺はお前を許さねー!!」
俺は再び走ってヴァルロに斬りかかる。
(直線的過ぎるな、剣を突き立て避けたところを蹴りで仕留めるか)
そう考え、ヴァルロは剣を突き立てる。
ザシュッ!!
しかし、俺はそのまま突っ込み、ヴァルロの剣が俺の腕に突き刺さった。
「何っ!?」
「くらえ!!」
そしてそのまま俺は剣を振るった。
その剣はヴァルロの服を掠め、切れ目が入った。
そして2人は距離を取る。
「グッ!!クソッ!あと少しだった!!」
「貴様......わざと攻撃に当たって反撃してきたね」
「ハア......ハア......今ので仕留めるつもりだったんだけどな」
俺とヴァルロは睨み合う。
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