第63話 魔法のコントロール
「ス、スゴい......1日でここまでコントロール出来るようになったの!?」
驚く魔王様。
「はい!俺魔王様をお守りするため、強くなるって決めましたから!」
「......」
魔王様は俺をじーっと見つめる。
(魔族の僕ですら闇魔法のコントロールには数年かかった、それを1日でコントロールするなんて......もしかしてロイロイの才能は)
「お、お前光魔法使いだったのか!?」
「ああ、昨日発覚したんだがな」
狼狽えるシャムに光る剣を構える俺。
「終わりだぜ鉤爪野郎!!シャイニングスラッシュ!!」
俺は光る剣を振るった。
しかし、空振りしただけで何も起きない。
「あれ?」
「な、なんだ?」
「お、おかしいな......シャイニングスラッシュ!!シャイニングスラッシュ!!」
俺は何度か剣を振るうが何も起きない。
「何やってんのロイロイ」
「い、いや......昨日はこれで射出されたんですが......」
俺は光るアンヘルを顔の前に持ってきた。
ビシャッ!!
その瞬間、アンヘルから眩い光が射出された。
「ウワップ!!」
ズザァ!!
その光を受けて、吹っ飛んで倒れる俺。
「な、何でこのタイミングで......」
「ロイロイ」
「魔王様......」
「カッコ悪い」
「カ、カッコいいところ見せたかったのに......ガクッ!」
「全く......一瞬ロイロイのことカッコいいなって思ったのに」
魔王様は俺を担ぎ上げ、後ろに下がった。
「ランド、アイツの始末お願い」
「承知致しました」
ランドさんはシャムの前に出た。
「何だお前達は、ハッタリばっかりかましやがって!」
「すまんな、俺は本気で相手をさせてもらうぞ」
「クックック、魔王軍第1魔将ランド、相手にとって不足なし!」
シャムはランドさんに向かって鉤爪を投げつける。
キンッ!!
しかし、ランドさんのシールドによって防がれた。
「あれがランドの絶対防御か、これは一筋縄ではいかないな」
「いや、もう終わりだ」
「え?」
よく見ると、シャムの周りには透明の壁が張り巡らされていた。
「こ、これは......」
「ま、魔王様......あれは?」
「あれもランドの防御魔法だよ。まあいつもの防御魔法と原理は一緒だけどランドは自分からあんなに離れた位置に結界を作ることが出来る」
「す、すげー」
「もうお前は身動きが取れない、俺の勝ちだ」
「ク、クソが!」
シャムは鉤爪でシールドを攻撃するが、ビクともしない。
「止めておけ、魔王様の魔法でも俺のシールドは破壊できん」
「チ、チクショウ......」
「魔王様、この男どう致しましょう?」
ランドさんは魔王様の方を向きながら言う。
「可哀想だから許してあげれば?」
「わかりました。おいシャムとやら、そのシールドは半日後に自動で壊れる。それまではそこで反省するんだな」
「ク、クソが!!俺は山猫山賊団の戦闘員だぞ!なめやがって!」
「ならここで息の根を止めてやろうか?」
「い、いや、すんません、反省します」
シャムは諦めて座り込んだ。
「魔王様、ロイ、ここにいてはいつこういう輩や帝国軍が狙ってくるかわからない。早く移動しましょう」
「わかった!ロイロイ、動ける?」
「は、はい、大丈夫です」
「はいはい、立って」
魔王様は立ち上がり、俺の手を取って立ち上がらせてくれた。
は、恥ずかしい......
けど、魔王様優しい......
「では行きましょうか」
「は、はい」
俺達はサンダトルトを背に歩き出した。
「い、いやー、光魔法上手く出来ると思ったんですがね」
「まあ1日じゃ無理だよ、僕だって何年も練習してやっとコントロール出来るようになったからね」
「そうだ、そんなすぐにマスター出来るなら誰も苦労はしない。コツコツとやることだ」
「は、はい、精進します......」
ロイは肩を落とした。
「ペッタンコは火と水の魔法使えてたけどね」
「嘘!?ペッタンコってリアのことですよね!?俺より3つ下なのに!?」
「うん、あの歳でダブルでしかもしっかりコントロールしてるなんて才能あるよペッタンコは」
「あ、兄の面目が......」
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