表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

61/260

第61話 リアとの別れ

あれから2人は宿に帰り、部屋に入った。


部屋は綺麗な和室で、布団が2つ敷いてある。


「あー!遊んだ遊んだ!」


レイカは布団に寝転がる。


「お風呂に入らないで寝たら汚いよイカちゃん」


「えー、めんどくさい」


「ダメだよ、お風呂沸かしてあげるから入りなさい」


リアは部屋の風呂場に移動した。


それをジーッと見ているレイカ。


「はっ!」


リアは左手を湯船にかざすと、左手から大量の水が放たれる。


その水はみるみる湯船に溜まっていく。


「おお!!ペッタンコ水魔法が使えるの!?」


「う、うん、水魔法だけじゃないよ」


そして溜まった水に右手を付けた。


すると、ジュー!!という音とともに水からはどんどん湯気が起っていく。


「すごっ!!もしかして火魔法!?」


「うん、リアは水と火が使えるんだ」


「へー、凄いね!2つの属性の魔法が使えるダブルは世界でも数百人しかいないって聞いてるけど」


「そうだね、結構レアらしい」


「才能あるねペッタンコは、胸の才能はないのに」


「うるさいな!まだ発展途中なんだよ!!」

















風呂に入った二人は布団に寝転んでいた。


「結局ロイロイ帰ってこなかったね」


「そうだね......」


「まっ!そのおかげでペッタンコと仲良くなれたからいいや!」


「う、うん......リアもイカちゃんと仲良くなれて嬉しい」


「ペッタンコもロイロイと一緒に僕の下で働けばいいのに」


「え?」


「そうだよ!それがいい!それならペッタンコはロイロイとも一緒にいられるし、僕とも一緒にいられるよ!」


「イカちゃんとお兄ちゃんと一緒に......」


リアはぼーっと天井を見つめる。

そして、目を瞑り、しばらく考えたが、意を決したように呟いた。


「ごめん、それは出来ない」


「どうして?」


「今の仕事、途中で投げ出すのは出来ない。目的をやり遂げたら、その時はイカちゃん達と一緒に働きたい」


リアは真剣な眼差しでそう言う。


「そう」


レイカはそのリアの表情を見ながら目を瞑る。


「なら仕方ないね」


「うん、ごめんね」


「んーん、真面目でペッタンコらしいよ、いつかペッタンコと一緒に働けるの楽しみにしてるね」


「イカちゃん......ありがとう」

















翌朝


「いやー!ごめんごめん!森で修業してたらそのまま寝ちまってさ!」


宿の前で魔王様とリアに謝る俺。


「そんなこと言って本当はエッチなお店行ってたんじゃないの?」


「えっ!?」


じとーっと見る魔王様に対して、驚いた表情をするリア。


「行ってませんよ!真面目に修業してました!」


「ほっ......そうだよね、お兄ちゃん真面目だもんね」


「妹が単純で良かったねロイロイ」


「魔王さ......じゃなくてレイカ様、妹の前で変なこと言うの止めてくださいよ」


リアは俺を慕ってくれている。

リアの方が遥かに才能があって優秀なんだけどな。


「お兄ちゃん、イカちゃん、リアそろそろ行くね」


リアは荷物を持ちながらそう言った。


「え、もう行っちゃうの?」


「うん、集合時間があるの」


「そうか、宿の件ありがとうなリア」


「全然!お兄ちゃん達の役に立てて良かったよ」


「リア、元気そうで良かった。これからも身体に気をつけて頑張ってな」


「うん!お兄ちゃんも気をつけて!また今度一緒に実家帰ろうね」


「おう!きっと母さん喜ぶぞ!」


そう言って俺は微笑んだ。


「うん!それとイカちゃ......ん?」


リアが魔王様の方を見ると、ボロボロ涙を流す魔王様がいた。


「イ、イカちゃん!?」


「レイカ様!?大丈夫ですか!?」


「グスッ!な、何言ってんの?目にゴミが入っただけだし!」


魔王様は涙を拭う。


「イカちゃん......」


リアは魔王様に抱き付く。


「リア達一緒にいられなくてもずっと友達だよ......」


「うん、ずっと友達......」


2人はしばらく抱き合う。


良かった......初めて会ったときは仲悪そうで心配だったが。


「じゃあ行くねお兄ちゃん、イカちゃん」


「うん!元気でね!ペッタンコ!」


そう言ってリアは去っていった。


その様子を寂しそうな目で見る魔王様がいた。


「あーあ、行っちゃったな。それにしても魔王様、随分仲良くなったんですね」


「ふ、ふん!遊んでやっただけだし!」


そう言いながら寂しげな顔をする魔王様。


「大丈夫ですよ、また会えますよ」


「だから寂しくなんかないって......」


「魔王様、ロイ」


俺と魔王様が話していると、後ろから声をかけられた。


その声の主はランドさんだった。


「ランド!何千年ぶり!?」


「すいません、色々情報収集をしてたのですよ。旅のための食料も買い込んでおきました」


「それはありがと!」


「ランドさん、もうサンダトルトを出ますか?」


「ああ、ここで長居する意味もないからな」


すると、後ろから大きな声が聞こえてきた。


「号外!号外!」


「ん?」


振り向くと、後ろでは人混みが出来て、新聞が配られていた。


「何だあれは?」


「さあ?何だろうね?」


「そこの御人」


ランドさんは近くで新聞を読んでいた老人に声をかけた。


「ん?なにかな?」


「何やら騒がしいが何かあったのか?」


「ああ、これだよこれ」


老人はランドさんに新聞を見せる。


その新聞には「号外!カードのキング、クイーン、魔王に敗れる」という記事が載っていた。


「こ、これは......」


「昨日サンダトルトであの魔王様とカードのキング、クイーンとの戦闘があったみたいでな、我らが魔王様がカードを撃破したらしい」


そう新聞を読みながら言う老人。


その瞬間、ランドさんは魔王様に視線を向ける。


魔王様は視線を反らし、口笛を吹いた。


「ま、魔王様......とりあえず町の郊外に出ましょうか」

面白い!続きが気になる!今後に期待!


と思っていただけたら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちを残していただくと嬉しいです!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。


何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ