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第54話 王女と田舎娘 3

「ま、町ですの!!やった!助かったですの!天然さん!」


そう声を上げて周りを見渡したが、リコの姿はない。


「天然さん!どこですか!町がありましたよ!」


そう言って周りを見渡すが、やはりリコの姿はない。


「まさか......」


「ここでーす」


「へ?」


コアネールが上を見上げると、そこには木に服が引っ掛かり、宙吊りになっているリコの姿があった。


「お互い悪運が強いですね」


「全く、心配させないで下さいますか!?」


そうして、コアネールは何とか木の上のリコを下ろした。


「貴方ね!言ってることが全部空回りしてるですの!」


「いやー、年上ですしお姉さんの威厳を保ちたかったんですよ」


「もう威厳もクソもないですの!!まあいいですわ、それより町がありましたわ天然さん!」


コアネールはさっき見つけた町を指を差した。


「ホントですね!良かったです!」


「早速行きましょう!結構大きな町ですし、宿屋が見つかるかもしれません」


「だけどお金がありません」


「大丈夫、私の服を売って動きやすい服を買い直せば宿屋に泊まるぐらいのお金は出来ますの。何たって王族の洋服ですから!」


コアネールは自分の服を掴みながら言った。


「そうですか」


「早く行きましょう!また魔物に襲われたら堪りませんわ!」


コアネールは行こうとするが、リコが動かない。


「天然さん?」


「その服さっきのドタバタで汚れてしまっていますし......貴方のお金に甘える訳にもいきません。私は野宿馴れていますので貴方だけで行ってきて下さい」


「野宿って、こんなところで出来る訳ないじゃないですか、夜中は冷え込みます。お金なんて気にしなくていいですから一緒に行きますわよ」


「いえ!私は大丈夫です!これ以上貴方に迷惑かける訳にはいきません!」


テコでも動こうとしないリコ。


「そうですか?それなら仕方ありませんね」


「はい、色々ご迷惑おかけして申し訳ございませんでした。もしまた縁があったらお会いしましょう」


「はい、貴方もお気をつけて......」


「最後にお名前お聞きしてもよろしいですか?」


「コアネール・サン・サンベルスですの。貴方は確か......」


「リコ・モイネモです。では、どうかお気をつけて」


そう言って二人は別れた。


王女と田舎娘、二人の旅もまた続くのである。
















「うう......寒い」


夜、リコは岩の影で横になっていた。


「無謀でしたかね......コアネールさんの厄介になった方が良かったでしょうか......」


しかし、リコはブンブン首を振った。


「ダメですダメ!人の迷惑にだけはなるなってお母さんに言われてきましたから!」


リコはブルブル震えながら空を見る。


そこには満天の星空が広がっていた。


「ああ、何と綺麗なのでしょう。ロイさんとカエデさんもこの星空を見ているのでしょうか」



リコは少し微笑む。


「二人は今頃何をやってるのでしょうか、もしかして付き合っちゃったりしてるのかな」


そして、リコは目を閉じた。


「ああ、いいな.......私もあんな優しくてカッコいい男の子と付き合ったりしてみたかったな......ガクッ」


「やっぱり王子様じゃないですか」


「ふえっ!!」


リコが声に驚き起き上がると、そこには袋を持って立っているコアネールがいた。


「コ、コアネールさん!どうして!?って、て言うかさっきの聞いてましたか!?」


「ええ、カッコいい殿方と交際したいって言ってるのは聞こえました」


「あああああああああ、恥ずかしい」


頭を掻きむしるリコ。


「ど、どうしてここへ?」


「はい」


コアネールはリコに袋を渡すと、床に寝袋を敷き、横になった。


「え?え?これは?」


「リコの分の寝袋とオマケですの」


「え?」


リコは袋の中身を取り出す。


それは確かに寝袋と、新品のお絵描きセットだった。


「ええ!?お絵描きセットじゃないですか!どうして!?」


「それがないと貴方何で旅してるのかわからないでしょうに」


「で、でも......こんなの頂けないです」


「買ってしまったのだから素直に受け取りなさいな。それに一応私も食べ物を頂きましたし、ミツメイノシシに追われていたとき助けてもらいましたし」


リコはコアネールをじっと見つめている。


「コ、コアネールさん......」


「さあ、早く寝て明日早く起きますわよ」


「コアネールさん!ありがとうございます!重ねてお願いしますが、コアネールさんの絵を描かせてください!」


リコはお絵描きセットを開き、ペンと画用紙をセットしながら言った。


「ええ、もう遅いですし、暗いですし、明日でいいのではなくて?」


「いえ!今描きたいです!描かせてください!」


「しょうがないですわね......可愛く描くですのよ」


こうして田舎娘と王女の旅は始まったのであった。

面白い!続きが気になる!今後に期待!


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