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第46話 魔王の力

............



俺が目を瞑ってから数秒たった。

しかし、俺には何も異常もダメージもない。



一体何が.......



俺は恐る恐る目を開いた。



目を開けた先には、見覚えのある背中があった。


可愛らしい小さな背中。


美しく黒く光る翼。


そして、棚引く綺麗な長い黒髪。


この特徴は.......



「ロイロイ、遅くなってごめん」


そう、俺の目の前に立っていたのは他でもない。


魔王城の主で俺の主でもある魔王レイカ・ユミナル・ダーク様だった。


「ま、魔王様!?どうして!?」


「話は後、とりあえず僕が先行して戻ってきた」


後少しで遠征に向かったみんなが戻ってくると付け加える魔王様。


よくわからないがとりあえず.......


「助かった.......ってことですか」


「うん、よく頑張ったねロイロイ」


魔王様は笑顔で言う。

俺はその笑顔を直視出来なかった。


「頑張ったなんて......俺のせいでサイさんが.......」


サイさんが溶けた水と服を見ながら言う俺。


「いや、ロイロイだけでも生きていてくれて良かった。それにサイちゃんは大丈夫」


「え?」


「ま、それはとりあえず後だね」


魔王様は振り返り、敵3人の方を睨んだ。


「お前ら一体何者だ!!」


「まさか、魔王をこの目で見られるとは思いませんでしたね」


「ふーん、魔王ってこんなガキんちょだったんだ」


「魔王を倒せば俺達の名も上がる」


侵入者のザンガ、タイオ、フィオの3人は構える。


「魔王様!気を付けて下さい!コイツら強いですよ!」


「大丈夫、僕に任せて」


そう言うと魔王様は侵入者を再び睨みつけた。


「お前ら、僕のいない間に魔王城を、魔王城の皆を傷つけた。その意味がわかってんだろうな!!!」


魔王様からは凄まじい量の魔力が迸った。


その凄まじい魔力で地響きが起き、少し壁や地面が崩れる。


こ、これが魔王様の魔力......


それを見て、少し狼狽える侵入者達。


「こ、この魔力は......」


「う、狼狽えるな!!3人でやるぞ!!」


身構える侵入者。


それを見て、魔王様は手の平に魔力を溜め出した。


その魔力は黒く、まるで真っ暗な闇を溜め込んでいるような、そんな性質である。


そして溜め込んだ魔力をぎゅっと凝縮した。


「あれは.......闇魔法か」


「魔王の闇魔法は桁違いだと聞いている。気を付けろお前ら!」


「じゃあ行くよ!」


バシッ!!


その瞬間魔王様は手の平の闇魔法を飛ばした。


闇魔法は無数に散弾し、敵3人を襲う。


「散弾か!クソッ!!」


その散弾を跳んで避ける3人。


ドガァァァァン!!


散弾は地面に当たり、爆発した。


「な、何て威力だ......あ?」


跳んで避けたフィオの目の前には翼で飛ぶ魔王様の姿があった。


「い、いつの間に!?」


「ハッ!!」


魔王様はそのままフィオに回転しながらかかと落としした。


「グアッ!!」


ガンッ!!


フィオは勢いよく地面に落下した。


「ク、クソ......」


そのまま魔王様は落下したフィオに向かって手を向ける。


「フィオ!気を付けろ!何か来るぞ!」


「わかってら!!」


フィオは体制を立て直し、手に火の玉を纏う。


「くらえ!!」


そして手を振るい、巨大な火の玉を放った。


「ハハハ!!これなら魔王も」


「なかなかの火魔法だね」



ボフウッ!!


その瞬間、魔王様の手から黒い火炎が放たれる。


その黒い火炎はフィオの火の玉を掻き消し、フィオに向かって飛んだ。


「何!!何だこの炎は!!」


そして黒い火炎はフィオに直撃する。


「ぐあああああっ!!」


フィオは燃え盛りながら倒れた。


「まず1人」


魔王様は黒い瞳を光らせる。


ス、スゲー.......あんなに強かった侵入者幹部をこんな簡単に.......


魔王様、やっぱりあなたは......


サイさんは言っていた。

魔王様はランクこそFランクだが、その力は絶大であると。


「ク、クソ!!フィオが」


「次はお前」


魔王様はザンガの方を向く。


そして、翼を広げ、ザンガに向かって飛んだ。


「バ、バカな!出の速い雷魔法使いに真っ正面から突っ込んでくるとは!!」


バチチッ!!


飛んでくる魔王様に向かって雷魔法を放ったザンガ。


勢いよく突進する魔王様は雷魔法を避けきれず、直撃した。


「ハハハ!!これなら魔王も」


しかし、魔王様は雷魔法を物ともせず、そのまま突進する。


「な、何!?俺の雷魔法が効かな......」


「そりゃああああ!!」


魔王様はザンガに至近距離から闇魔法を撃ち込んだ。


「ガハッ!!」


ザンガは勢いよく吹っ飛び、壁にぶつかり倒れた。


「2人目」


そして、すぐに残ったタイオの方を向く魔王様。


その目はいつもの可愛らしい魔王様の目では無く、確実に獲物を仕留める魔王の目であった。


それを見てタイオは狼狽え、一歩下がる。


「そ、そんな......あの2人をこんな簡単に......」


「さあ、最後の1人だよ、お姉さん」


「クッ!!」


タイオは目の前に水魔法で壁を作った。


「魔王!あなたが火の魔法を使うのはわかった!だったら私の水魔法が相性がいい」


「ざんねーん」


魔王様はタイオに向かって手を向ける。


バチチッ!!


その瞬間、魔王様から黒い雷が放たれる。


「えっ......」


黒い雷は水の壁を貫き、タイオに直撃する。


「きゃあああああっ!!」


黒い雷が当たったタイオは全身に雷を受け、耐えられず片膝を付いた。


辛うじて意識は保つタイオ。


「くっ、な、何で......」


「今のに耐えられるなんてなかなかやるね」


タイオの前で羽を下ろす魔王様。


「あ、貴方......火魔法も......雷魔法も使えるなんて......」


そうだ、それに魔王様は闇魔法も使った。

つまりは魔王様は闇、火、雷の3つの魔法を使えることになる。


3つの魔法を使える者、俗に言うトリプルは世界で数人しかいないはず。


「そうだね、僕はトリプルでも何でもない。僕は闇魔法しか使えないシングルだよ」


そう言う魔王様。


「じゃ、じゃあなぜ.......」


そうだ、現に魔王様は3つ属性を使った。


「今の魔法に耐えた褒美に教えてあげるよ。僕の魔力は特別、僕の闇魔力は他の魔力を食らう」


「ま、魔力を食らう......」


「そう、僕の身体には常に微量の魔力が張り巡らされている。この魔力が常に僕を守ってくれるのさ。そして、この魔力は他の魔力と接触するとその魔力を吸収する」


その説明からすると、魔王様はさっきフィオの火魔法を吸収し、黒い火炎を作り出した。そしてザンガの雷魔法を吸収し黒い雷を作り出した。


つまりは魔王様には魔法は一切効かないことになる。


「そ、そんな......そんなの反則よ!!」


「反則で結構、魔王ってのはな、反則に出来てるもんなんだよ」


魔王様はタイオに近付いていく。


その顔は完全に魔王の顔、禍々しい黒いオーラを纏っている。

面白い!続きが気になる!今後に期待!


と思っていただけたら


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