第235話 最終決戦ロイVSヴァルロ
その頃、ロイとヴァルロは……
「行くぞヴァルロ!!最後の勝負だ!!俺だって強くなったこと教えてやる!!」
俺はヴァルロに斬りかかった。
「面白いね、教えてみろよ!!」
ヴァルロはそれを剣で防ぐ。
「テメーはよ!ちったぁ魔王様の気持ち考えたことあんのか!」
「ないな、魔族は本来闇を支配する種族、それが他人を思うことができるか?」
「テメー……」
「友情、愛情、お前らみたいな綺麗事しか知らないガキは皆そう言う。そんなもので世界を変えられるなら、誰だって苦労はしてないんだよ」
「知らねーよ!!世界を変える変えないじゃねぇ、大切な人を守れないような奴が世界なんか語るんじゃねぇタコ!!」
俺は剣を引き、突きを放つ。
ヴァルロはそれを首を横に反らして避けた。
ガシッ!!
そして、ヴァルロは俺の首を掴む。
「僕は現実も知らないくせに綺麗事を抜かすバカが大嫌いなんだ」
「ぐっ!」
ヴァルロは俺を持ち上げる。
「なおロイ、人は強制しないと平和にはなれない、支配者が必要だ」
「くそ……何言ってやがる」
「じゃあ支配者とは?私利私欲に塗れた独裁者か?甘い考えを持った楽天家か?」
その瞬間、ヴァルロから凄まじい闇のオーラがほとばしる。
(これは……)
ヴァルロは目を見開いた。
「違う!!!皇帝?魔王?忍者部隊?エルダー・ドラゴン?」
「くだらない、実にくだらないよ」
「僕にとって世界などどうでもいい!!」
「だが今の世界じゃ僕は幸せにはなれない!!」
「僕は僕自身の幸福のため世界を変える!!」
「なあロイ、人は己の幸福を追い求めるもの!!違うか?」
「何がために自分がいる?何がために生まれてきた?僕は僕が幸福になるために生まれてきた!!」
「だからそれを邪魔するお前は全力で廃除する!!」
「クソッ!」
ブンッ!!
俺はディアブロを振る。
ヴァルロは俺を離し、それを避けた。
「はあ……はあ……結局テメーは自分のことしか考えてねーんじゃないか」
「……」
「俺はお前のこと嫌いだけど、魔王様のこと大切に思ってるいい兄貴だと思ってたよ!けど違ったんだな」
「……フッ!ハハハハ!!」
「何がおかしいんだ!」
「まだ気付いてないのか、僕は魔力玉が欲しかった、レイは魔王で魔力玉の在りかを知っている可能性があった。だから僕の目的のため利用しただけさ。それにレイは強いしその気があれば仲間にしてやったが」
「利用だと?」
「レイは幼いから優しい兄を演じればすぐに騙されるからね」
「ふざけんな!!」
俺は走りながら剣を振る。
「一撃で終わらせてもらうよ」
ヴァルロはそれを避け、俺の横腹を斬る。
「うぐっ!」
俺の横腹からは血が流れてきた。
「当たり損ねたか、だが次は仕留めさせてもらうよ?」
「クソ!ならこれでどうだ!」
俺は手に光魔法を溜める。
「魔力で僕に勝つつもりか?」
ヴァルロは手に闇魔法を溜める。
「うおおぉぉお!!」
「ふん!」
二人の魔法はどんどん大きくなる。
「くらいやがれ!」
「返り討ちにしてくれる!」
ギィィィィ!!!
二人は同時に魔法を放ち、魔法はぶつかり合う。
しかし、俺の魔法はヴァルロの魔法に貫かれた。
「なに!ぐわっ!!」
俺は闇魔法に直撃し、吹き飛ぶ。
そして、木にぶつかり、煙が上がった。
「これが力の差だ、わかったか?」
「ぐっ!」
俺は瓦礫を押しのけ立ち上がる。
「なめんなよ!!」
俺はヴァルロに向かって突っ込む。
そして、ヴァルロの近くまで行ったところで、ヴァルロの後ろに瞬間移動した。
「別に僕はお前をなめているわけじゃない」
ヴァルロは後ろに振り向き、俺の剣を防ぐ。
「なんだと!?」
「だから僕は始めから全力だ!!」
ヴァルロは俺の剣を弾き、剣に闇魔法を溜めた。
そして、剣を振り、それを飛ばす。
「まずい!!」
俺はそれを剣で防いだが、ぶっ飛ばされた。
「ぐはっ!!」
「終わりだ」
ヴァルロはまた手に巨大な闇魔法を溜める。
「くらえロイ!!」
そして、それを放つ。
「ぐわぁぁああああああ!!」
それは俺に直撃し、また木に激突して、煙が上がる。
「ガハッ……」
俺は吐血した。
「どうだロイ、お前とは通ってきた道が違う。お前みたいな平地を歩いてきた奴には僕は負けない」
「うるせぇ……」
俺は口に付いた血を拭きながら立ち上がる。
「確かに俺は平地を歩いてきたかも知んねぇ、けどな、今はもう一人で歩いてるわけじゃねーんだ」
「まだ立ち上がる気力があるか、なら一気に終わらせてやる!」
ヴァルロは翼を広げ、俺に突進する。
「クソッ!腕が……」
「防ぐことも出来ないね!さあどうする?」
ドクンッ!!
その瞬間、ヴァルロは心臓を押さえた。
「うっ……こんな時に!!」
ヴァルロの動きは一瞬止まった。
「な、何だ!?何にせよ今だ!!」
俺はヴァルロが突進してくるタイミングに合わせてパンチを放つ。
バシッ!!
そのパンチはヴァルロの顔面に当たり、ヴァルロは吹っ飛んだ。
「ぐわっ!!」
ヴァルロは地面に倒れる。
「ハア……ハア……やっと一発入った……」
「クソッ!!まさか僕が貴様なんかに一撃食らわされるとは!!」
ヴァルロは立ち上がる。
「どうしたお前らしくない、油断したのか?」
「うるさい、心配するなら自分の心配をしろ!!」
「おい、一つ質問するぞ!さっき目的のためならなんでもするって言ったが、ホントに魔王様のことどうでもよくなっちまったのか?」
「……」
「エルダー・ドラゴンが復活して、魔王様に何かあってもいいって言うのか?」
「レイには何もない、予言にそう書いてあったからな」
「予言?」
「ああ、初代の魔王の予言だ」
「何だよそれ!!どんな内容なんだ!?」
「エルダー・ドラゴンを復活させることにより魔族は安定を迎えるだろう」
ヴァルロは上を向いた。
「魔王の予言は当たる。エルダー・ドラゴンの復活で魔族は最盛を迎えるんだ……そして、魔族の長い歴史の中に僕の名を刻む」
そして、ヴァルロはまた下を向き、俺を睨む。
その瞬間、凄まじい気迫がヴァルロからほとばしった。
「うぐっ!!」
俺は腕で顔を隠した。
「ハハハハ!!エルダー・ドラゴンと対峙しボロボロになった帝国を僕が滅ぼす!エルダー・ドラゴンも帝国も忍者部隊も倒し、僕が世界を支配する!!そして魔族は安定を迎えるんだ!!」
「ふざけんな!何が予言だ!絶対お前の好きにはさせねぇ!!」
「なら止めてみろよ!止められるものならね!」
ヴァルロは手を上に上げた。
「僕の本当の力、見せてあげるよ」
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