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第230話 意外な加勢

サンベルス城前、ロイとカエデは剣を握りしめていた。


目の前には帝国軍のバスターズ、そして彼らの後ろには帝国軍の兵士にキャプテン・トップとロゼーリアが立っていた。


2人は戦い、数十分が経とうとしていた。


「ハア……ハア……大丈夫かカエデ?」


「これぐらい……どうってことないわよ」


2人は善戦していたが、圧倒的な数の差で苦戦を強いられていた。


「なかなかやるわねあの2人」


ロゼーリアは頬杖を付きながら言う。


「姫、如何様にしましょうか?」


「うーん……」


少し考えるロゼーリア。


「なるべく戦力は温存しておきたかったですが、仕方ありませんわね」


ロゼーリアはロイとカエデを指差した。


「トップ!アイツらを仕留めてきなさい!」


「御意!!」


ドンッ!!


その瞬間、トップは地面を蹴り、大きくジャンプした。


そして、ロイ目掛けて大剣を振り被る。


「き、来た!!」


ガキィィィンン!!!


ロイはトップの攻撃をアンヘルで防いだ。


しかし、あまりの威力に吹き飛ばされる。


「ロイ!!」


「すまんカエデ!!トップは俺が抑えるからそっちを頼む!!」


ロイはそう叫びながらトップと共に遠くへ吹き飛んでいった。


「頼むって……私1人でこの軍勢をどうにかしないといけない訳……」


カエデは敵を見る。


バスターズにその後ろには帝国軍の兵士が大量に並ぶ。


「1人になってしまいましたね、銀髪の剣士さん」


そのカエデに向かって言うロゼーリア。


「くっ!!でも仕方ない!!私が食い止めないと!!」


カエデは愛刀の鬼雷柳を構える。


そして、カエデは一歩踏み出し、バスターズの兵士たちに向かって突進した。


「ハアッ!!」


瞬く間にカエデは一人を斬り、次の一人を弾き飛ばした。


「は、速い!!」


「背後からやれ!!」


バスターズはカエデの背後を取り、剣を振るった。


気配を察したカエデは素早く振り向き、攻撃をかわすと鬼雷柳を振り下ろした。


すると、背後にいたバスターズは吹き飛ばされた。


「ハア……ハア……私だって、負けられないんだから!!」


その眼光にバスターズ、帝国軍の兵士達は怯む。


「くっ!!相手側にここまでのやり手がいるなんて……まあいいですわ!!その方は虫の息、全員で取り囲み、やってしまいなさい!!」


ロゼーリアがそう指示すると、数百の帝国軍の兵士がカエデを取り囲み。


そして、一斉にカエデに斬り掛かった。


「うおおおおお!!」


「ハアッ!!」


キンッ!!キンッ!!


カエデは次々と敵の剣を受け流す。


カエデの動きにも少しずつ疲労が見え始めた。


ザシュッ!!


ついにカエデの肩に敵の剣がかすった。


「つっ!!」


カエデは転がって距離を取った。


(ま、まずい……こうなったら鬼人化を使うしかないか)


カエデは冷や汗を垂らした。


鬼人化は1日1回、この切り札をここで切るべきか迷っていた。


しかし、背に腹は代えられない状況だった。


「仕方ない!!私の本気!見せてあげるわ!!」


「いえ、切り札はもう少し取っておきましょう」


「だって!!もう使うしかないわよ!!」


「ケーキは苺から食べるタイプでしょうか?カエデ様」


「苺は最後まで残しておくタイプ……よ?」


カエデは隣を見た。


そこにはカエデをじっと見るモミジがいた。


「モミジ!!また貴女急に出てきて!!どこ行ってたのよ!!」


「はい、メイド服を新調してました。似合いますか?」


モミジのメイド服はフリフリが増えていた。


「可愛いけど!!それどころじゃないでしょ!?」


「今日は私だけではありませんよ」


「え?」


モミジが指差す先を見るカエデ。


そこには大量の武器を持った山賊達が歩いて来ていた。


「あれは!?」


「革命軍の味方の山猫山賊団です。私と共に加勢致します」


「ホ、ホントに!?」


山猫山賊団の先頭には、キーヤの人形の陰に隠れる山猫山賊団の団長のヤットがいた。


「ヴァルロちゃんの命令なら断れないしね、それとサンベルスから報奨金はいただくわよ」


「と言う訳です」


「まさか山賊団が味方してくれるなんてね……でも助かるわ」


それを見て笑うロゼーリア。


「サンベルスは山賊と手を取らないといけないほど落ちぶれていたとは……とは言え、敵の数はざっと100人ほどでしょう、こちらの軍勢に勝てるはずありませんわ」


「そうかしら?山猫山賊団は首を切られても喉元に食らいつく、帝国の坊っちゃん達とは違うのよ」


「さっさとあの野蛮人どもを駆逐しなさい!!」


「今こそ山賊の意地、見せてやるわよ!!」

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