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第228話 闇魔法の龍

「「うおおおおおおっ!!!」」


レイカとエメラルドは飛びながら何度も蹴りやパンチを打ち合う。


ガシッ!!


2人は再び取っ組み合いになった。


そして、取っ組み合いになりながら山に落下した。


ガガガガガガガガッ!!


地面に擦りながらも手を離さない2人。


「「ぐぬぬぬぬっ!!」」


ドガッ!!


そして、そのまま2人は大きな岩に激突した。


「「グッ!!」」


2人は手を離し、距離を取る。


「やるね!!」


「君もね!!」


お互い顔に付いた土を拭う。


「だけど僕は、誰にも負けない!!」


エメラルドは無数のエネルギー弾を放った。


「僕だって!!魔王として!!誰にも負けられない!!」


レイカはそれに対抗し、無数の闇魔法を放つ。


ドドドドドドッ!!


エネルギー弾と闇魔法はぶつかり、相殺されていく。


「ねえ!!君のお兄さん、お姉さんは納得して消えていったって聞いた!!僕達が戦う意味はないんだよ!!」


「それがどうしたって言うんだ!!」


「君が帝国のため戦う理由なんてないはずだよ!!だってG3は……」


「父さんが作り出したクローンなんでしょ?知ってるよ!!」


シュルルルルッ!!


エメラルドは手に大きなエネルギー弾を溜め込む。


「君……気付いてたんだ」


「クローンだろうがなんだろうが関係ない!!兄さんや姉さんがいない今!!僕が出来ることは父さんの目的を果たす!!それだけだ!!」


「……」


家族を失い、自暴自棄になっているエメラルドに自らを重ねるレイカ。


「わかった!!なら僕が君を助ける!!」


レイカも手に巨大な闇魔法を溜め込んだ。


「終わりだ!!魔王!!」


エメラルドは巨大なエネルギー弾をレイカに向かって放った。


「ハアッ!!」


レイカも巨大な闇魔法を放った。


ドンッ!!


そして、エネルギー弾と闇魔法はぶつかる。


ギギギギギギ……


2人の魔法はお互いを押し合う。


「「うおおおおおおっ!!」」


レイカとエメラルドはありったけの魔力を放出し、押し返そうとする。


ドガァァァァァァァッ!!!


その魔力は相殺され、大きな爆発を起こした。


「「ガハッ……」」


その爆発に巻き込まれ、地面に倒れ込む2人。


そして、一瞬の沈黙は訪れる。


「……くっ!!何て魔力だよ……」


「そっちこそ……」


レイカとエメラルドは同時に膝を付き、立ち上がった。


「魔王、僕の全力見せてあげるよ!!」


爆発の余韻が消える間もなく、エメラルドが再び動き出した。


シュルルルルッ!!


エメラルドは手に光り輝く槍のようなエネルギーを作り上げ、それを空高く掲げた。


そのエネルギーがどんどん巨大化していく。


「この攻撃で終わりだ!!」


槍から発せられる光は周囲を震わせ、圧倒的な力を感じさせた。


「くっ!!何て魔力……」


しかし、その時、レイカが顔を歪ませながらも一歩前に進み出た。


「力勝負で、僕には勝てないよ!!」


そう言いながら、レイカは両手を広げ、漆黒の闇が周囲に渦巻き始めた。

それはまるで生きているかのように形を変え、巨大な黒い龍のような姿を作り出した。


「僕も全力で行くよ!!」


レイカの作り出した闇魔力の龍はどんどん巨大化し、咆哮する。


「ガアアアアアアアッ!!」


「くっ!!これが魔王の魔力か……」


エメラルドも一瞬狼狽えるが、再びレイカを睨んだ。


「僕は負けない!!!僕は勝たないと、いけないんだ!!!」


エメラルドのエネルギーの槍を放射した。


それと同時にレイカの闇魔法の龍も槍に向かって突進する。


互いの力は再びぶつかり合い、その衝撃で周囲の木々がなぎ倒され、大地が震えた。


ドガガガガガッ!!


二人の攻撃は拮抗していたが、徐々にエメラルドの槍が押され始める。


「くっ……まだだ、まだ終わらない!!」


エメラルドは渾身の力で槍を再び押し返そうとしたが、その時、レイカが囁くように言った。


「エメラルドくん!!!僕が!!僕が君を救ってみせる!!!」


その瞬間、レイカの闇魔法の龍が槍を飲み込み、エメラルドの元へ迫った。


ドガアアアアアアアッ!!!


大きな爆発音が響き、エメラルドは吹き飛ばされ、地面に伏した。


闇魔法の龍は消え、戦場には静寂が訪れた。


「ぐ……クソ……」


エメラルドは立ち上がろうとするが、立ち上がれない。


「ふう……」


レイカは汗を拭うと、ゆっくりとエメラルドに近づき、手を差し伸べる。


「エメラルドくん……大丈夫?」


エメラルドはその手を見つめる。


「自分で攻撃しといて大丈夫はおかしいよ……」


「確かにね……でも、僕は君を救いたい」


「僕を救う……」


エメラルドはため息を付いた。


「君は、不思議な子だね」


「よく変わってるって言われるよ」


そう言うと、レイカとエメラルドは笑い合った。


「魔王……さっき父さんの居場所を聞きたがってたよね」


「うん!!ゲルガーを説得して、この復讐を止めさせるんだ」


「……」


「教えてくれるの?」


「……」


エメラルドはレイカの顔を見る。


レイカの顔は険しくも優しい、女神のような表情をしていた。


「父、ゲルガーは……」


エメラルドは下を向いた。


「一週間前に死んだよ」


「え……」


「父はずっと病気だったんだ。だから僕にはもう何もない、僕にはもう父の残した復讐の野望だけが残っているだけ」


「……」


エメラルドがレイカの顔を見ると、レイカは静かに涙を流していた。


「ま、魔王?」


「わかるよ……家族がいなくなっちゃう気持ち……」


「魔王もなの?」


「うん、僕も両親はもういないし、お兄様も行方不明になっちゃって、色々寂しい思いをしたよ」


「そっか……」


エメラルドとレイカは見つめ合った。


「お互い家族には苦労させられたね」


「ホントにね」

面白い!続きが気になる!今後に期待!


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