第224話 最後の会議
その次の日、城の会議室に俺、カエデ、魔王様、リコちゃん、コアネールさん、サイさんの6人が集まった。
「みんなごめんなさい!!」
魔王様はみんなに昨晩、兄ヴァルロに闇の魔力玉を渡してしまったことを謝っていた。
「そうですか......まあ過ぎてしまったことは仕方ないですわ」
「ごめんね......」
「大丈夫ですよ!何とかなりますって!!」
落ち込んでいる様子の魔王様を慰めるように言う俺。
「ありがとロイロイ、ロイロイのそういう適当なところがこういうときは安心するよ」
「適当人間ですから!!」
きっぱり言った俺は気になったことを聞く。
「それはそれとして魔王様、少し教えてもらいたいんですが」
「どうしたの?」
「アイツらの目的は魔力玉を集めて始祖龍を復活させることとか言ってましたけど、魔王様は始祖龍について何か知っていますか?」
それを聞くと、うんと頷き話し始めた魔王様。
「始祖龍エルダードラゴンは昔魔王と勇者が協力して封印したっていう伝説の龍だよ。百を超える街や国を滅ぼしたとされる龍」
それを聞いて、カエデも口を開いた。
「私も聞いたことがある。人類は始祖龍の細胞を研究し、魔力を手に入れた。魔力の祖となる存在ね」
「なるほど、まさに伝説だな。相手はそんな伝説みたいな存在のものまで手の内に入れているのか……」
「止めなければいけませんね。幸い敵の数は残り少ないです。残りはG3最後の1人エメラルドに忍者部隊幹部虚空、この2人を捕らえることが出来ればこの戦いは終わりです」
コアネールさんはそう言う。
「帝国軍の本隊は敵じゃないの?」
「はい、新皇帝のエンバンスさんと約束しましたから、帝国軍がG3や忍者部隊に加担することはないはずです」
ガチャッ!!
その時、会議室の扉が開いた。
一同は一斉にそちらを向く。
「すいません......コアネール、リコさん」
そこには新皇帝のエンバンスが立っていた。
「え!?エンバンスさん!?」
「お久しぶりです」
「ど、どうして新皇帝のエンバンスさんがここに......」
「すいません、恥を承知でここで匿ってほしいのです」
「匿う?」
新皇帝エンバンスはニューペルシアルで起きたことを話した。
実姉であるロゼーリアが突然凱旋し、ロゼーリアに政権を奪われてしまったこと。
帝国軍の兵士は皆ロゼーリアに加担し、自分は国を追われてしまったこと。
そして、実姉に命を狙われているからサンベルスで匿ってほしいと言うことだった。
「なるほど......あの女やってくれますわね」
「つまり、ロゼーリアは過激派だからG3や忍者部隊に加担する可能性が高いって言うことね」
「そして、次に狙われる可能性が高いのは......」
皆が一斉にレイカの方を向く。
魔力玉は闇以外の全てが帝国軍の手に渡っている。
最後の闇を手に入れるために躍起になっているはずである。
つまり、次に狙うのは闇の魔力玉を持っていると思われている魔王様だ。
「そうだね、そもそも帝国軍の制圧派は魔王軍を倒すことに傾倒している。狙われるなら僕と魔王軍だね」
「わかりましたわ、こうなったら魔王軍と帝国軍の友好派で連合軍を組ましょう」
コアネールは真剣な顔でそう言う。
「そんなことが出来るの?」
「はい、いくら同じ帝国軍でも始祖龍の復活を目論んでいるとなると看過出来ません。現在の帝国軍友好派の戦力はカードのポニスさん、エース、ジャックさんのみですが……魔王軍の援軍に行かせましょう」
「ホントに!?それは助かるよ!!僕は今日にでも魔王城に戻る、カードは準備があるだろうから準備が出来たら魔王城に援軍に来てくれる?」
「わかりました、それで行きましょう。リコとカエデさんとロイさんはどうなさいますか?」
コアネールさんは俺達3人を見た。
「私はまたコアネールさんに付き添いますよ、寂しいでしょうから」
「貴女……絵を描く旅はいいですの?」
「た、たまに描いてますよ!!今はそれどころではないじゃないですか!!」
「わかりました。ではカエデさんとロイさんはサンベルス城の護衛をお願いしたいです。エンバンスさんがいるので狙われる可能性もありますので」
「わかったわ」
「うん、わかったよ」
俺とカエデは了承した。
「皆さん、これからは過酷な戦いになると思います。必ず生きて、この場に戻ってきましょう!!」
こうして、俺達は最終決戦に向け、準備を始めるのだった。
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