番外編 サイの過去 6
それから、私の意見が通ることが多くなった。
ある日、私は魔王様にランチの時間に呼び出された。
「サイちゃーん!!一緒にご飯食べよ!!」
「はい、もちろんです」
「んじゃ食堂行こうか」
「あ、良かったらなんですが……お弁当作って来たので、食べませんか?」
「うっそー!!愛妻弁当ってやつ!?」
「そ、そうですね」
「やったー!!じゃあ中庭で食べよう!!」
ルンルンの魔王様、やっぱり可愛い。
私と魔王様は中庭のベンチでお弁当を食べていた。
「おいしー!!サイちゃん料理も出来るんだね!!」
「は、はい、母にこれでもかと言うぐらい教わりましたから」
「花嫁修行ってやつ?」
「そうですね、氷魔人はそういう文化ですから」
「僕のお嫁さんになってくれればいいのに……」
「ハハハ、そうなれればいいですねぇ」
雑談しながらお弁当を食べる私達。
「そう言えばさ、サイちゃん」
「はい?」
「ずっと人事だった人が定年退職するんだけど、サイちゃん人事やってみない?」
「えっ!?人事ですか!?」
「うん、ずっと考えてたんだ。サイちゃんは人を見る才能があると思う、是非魔王軍の人事担当になってほしい」
「私で良いのでしょうか……」
「自信持ちなよ!!ランドや他のみんなもサイちゃんの人事力には感心してるんだから」
「そうなんですね……」
この時、私は心を決めた。
「では、大学を中退して正式に魔王軍で働きたいです」
「ええっ!?そ、それはこちらとしては大歓迎だけど……いいの?」
「はい、そもそも私は人と関わったり、人を成長させられるような仕事がしたくて都会に下りて来ました。魔王軍の仕事にはやりがいを感じています」
「そっか……それなら良かった!!ずっとサイちゃんと一緒にいられるの僕も嬉しいよ!!」
こうして、私は大学を辞めて魔王軍の人事担当として働くこととなった。
そして、4年後……
私は順調に働いていた。
本当に、魔王様やランド様には頭が上がらない。
「お母、シン、スウ、私都会で頑張ってるだべよ」
「ん?どうしたの?」
そう呟いた私を不思議そうに見る魔王様。
「い、いえ!何でもないです!」
「もしかして、おっぱい重い?支えてあげようか?」
「い、いえ……結構です」
魔王様のセクハラを軽くあしらう私。
「それよりも空き要因の補充の件ですが、こちらの方を採用しようかと思っています」
私は資料を魔王様に差し出す。
「うんうん、人間の男の子だね。プーロの町出身で歳は17で無属性、職歴も特に無し、どうしてこの子を雇うの?」
「何となくですが、この方には将来性を感じています。魔王軍に新しい風を吹かしてくれる方だと思っています」
「ふーん……」
魔王様は私を見た。
「サイちゃんが言うならそうなんだろうね。いいよ!採用!!」
「ありがとうございます!!」
こんな感じで私は新しい生きる道が作れた。
色々大変なこともしんどいこともあるが、私は一生懸命、ここで働いていこう。
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