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番外編 サイの過去 2

あれから2年、私は大学2年生となっていた。


「はあ......」


私は教室の机で突っ伏す。


私は昼間に学校に通い、夜や休日にアルバイトをして学費や家賃を払う生活をしていた。


「どうしたのサイ」


すると、隣の女生徒が話しかけてきた。


「シナモ、ちょっと色々あってな」


シナモは入学して一番に話しかけてくれて仲良くなった学友である。


明るくて賢く大人な美人である。こう見えて成績はトップで超優秀な友人だ。


「また学費のこと?」


「ま、まあな......ほら3年から学費も上がるし実習とかも入ってバイト出来ないだろ?どうしようかと思っててな......」


「そうなの?只でさえサイは色々と頑張り過ぎなのに大丈夫なの?」


「まあ何とかやろうと思ってるだべが......じゃなくて思ってるが、お金をもっと稼げるバイトをしないとな」


「身体壊しちゃダメよ、私が手伝えることがあれば何でも言ってね」


「うん、ありがとだべ......じゃなくてありがとうシナモ」



















「い、いらっしゃいませ」


私は休日アルバイトに勤しんでいた。

アイス店の屋台のバイトである。


シナモにはああ言ったが、一寸先は闇だった。


サンダトルトに来てから色々アルバイトをやってみたが失敗続き、得意な料理を生かして料理屋で働いてみたが接客に愛想がないと言われたり熱い料理は氷魔人の冷気で冷めるから近寄れなかったり、ぬいぐるみが好きだから裁縫屋でバイトしてみたが手の冷たさで糸がパリパリになってダメだった。


母の言った通り、田舎者で氷魔人の私は都会に普通に住むのに苦労していた。


唯一今働けているアイス店もこれから冬の季節で売れ行きも良くない。


店長も冬の間は店を閉めると言っている。


そうなればもう働き口がなく、大学に通えない。


正直、家族にあんな啖呵を切って都会に出てきたのにもう限界だと思っている。


はあ......本当に残念だが、今月中にも退学届を出して実家に帰ろうかな......


「おーい、サイ」


「え、えあ!?す、すいません、いらっしゃいませ......って」


私が慌てて目の前のお客さんを見ると、それはシナモだった。


「何だシナモか」


「何よ、可愛い親友が来てあげたってのに」


「課題は終わったの?」


「うん!バッチリ!」


「そうか、アイス食べていくか?」


「うん!食べる!」


シナモはたまにバイト先に遊びに来てくれたりもした。


私はアイスを作り、シナモに渡した。


「そう言えば知ってる?」


「何を?」


「今日はあの天下の魔王様御一行がこのサンダトルトの町にやってくるそうよ」


「そうなの?」


サンダトルトは魔王城に最も近い町、そして機械産業の技術力が高いことから昔から魔王軍から重宝されているらしい。


「先代の魔王様が1年前に亡くなられて、今はその娘が魔王になって、初めてサンダトルトに遠征してくるからね、みんな見たいって騒いでるね」


「はあ、そうなんだ」


正直今の私には他人に興味を持つほど余裕が無かった。ましてや天下の魔王様なぞ田舎者の苦学生には雲の上の存在だった。


「魔王軍って言ったら女性ファンも多いのよ、良い男ばっかりだし」


「魔王は女なのに周りは男ばっかりって訳か」


「そうなのよ!姫様を守る屈強な騎士達ってカッコ良くない!?」


そう興奮した様子で言うシナモ。


「ま、まあ......そうなのかな」


「でしょ!私もサイン貰いに行かなくちゃ!」


そう言ってシナモは去っていった。


何だかな......やっぱり元気だなシナモは。


男か.....私も実家に帰ったらお見合いで誰かに嫁ぐことになるのだろうか。


母からは氷魔人の女は良い殿方に嫁いで良い妻になれば勝ち組になれると教わったが、正直実感沸かないな。


そりゃ......女として素敵な殿方と一緒になれるのは夢ではあるし、いつかはそういった相手を見つけたいと思ってはいるが......


「はあ......なかなか上手くいかないな人生は」


「お姉さん若いのに年寄りみたいなこと言ってるね」


「へ?」


私が目線を落とすと、そこには小さい女の子がいた。


「でもわかるよその気持ち、うんうんわかる」


「え、えーと、お嬢ちゃん迷子かな?」


「迷子じゃない!!散策だよ散策!」


女の子は長く黒い髪を揺らしながら言う。


可愛い顔のお嬢さんだな......

面白い!続きが気になる!今後に期待!


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