第205話 兄妹愛?
「モミジー!!おじいちゃん!!アヤメさん!!」
カエデは道場の前に戻ってきた。
道場の前ではモミジ、ヤナギ、アヤメ、ヤナギの弟子達がいた。全員傷だらけである。
特にモミジは横腹を斬られ、重傷だった。
「カエデ様!ご無事で」
「凄いケガよ!ちょっと待って!!」
カエデはモミジの横腹に手を当てた。
「ヒール!!」
すると、カエデの魔力が傷口に入り込み、傷口はみるみる治っていく。
「ありがとうございます、カエデ様」
「動いたらダメよ、傷口を防いだだけだから安静にしておきなさい」
「カエデ」
すると、ヤナギが話しかけてくる。
「おじいちゃん、襲撃はどうなったの?」
「忍者どもは全員倒して撃退した。ただ途中で虚空とかいう忍者部隊の幹部がいなくなってしまっていた」
「そう......みんな無事で良かったわ」
「それよりもカエデ、鬼の力をコントロール出来たのか?」
「うん、ただ鬼人化が使えるのは一度に10分程度、それに一度使ったら1日はまた鬼の魔力が溜まるのに待たないといけないみたい」
「そうか、良くやったなカエデ」
「うん!おじいちゃんもありがとう!!」
「お、おう......」
それを満面の笑みで言うと、ヤナギも笑顔になる。
「お父さんが笑ってるとこ久しぶりに見た」
横からそう呟くアヤメ。
「ご、ごほん!!その程度で満足しているようではダメだぞカエデ!!日々訓練を重ねるのだ!!」
こうして、ヤナギ道場での修行と戦いは幕を閉じた。
それから負傷者を家に運び、救護をしたカエデ達。
みんな軽傷で済み、次の日からヤナギの修行が再開されたという。
カエデとモミジは2日ほど休養し、ヤナギやアヤメ、道場の弟子達に見送られ、サンベルスに向け出発した。
カエデはここで得た力、そしてサファイアから貰ったペンダントを握りしめ、新たな歩みを進めるのだった。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
その頃、ロイはサンベルスの道を走っていた。
トリコーリ山から下山したロイとサイ。
サイはそのまま魔王城に向かうと途中で別れた。
そして、1人サンベルスに到着したロイはサンベルス城へと向かった。
そこで、忍者部隊との戦いで負傷したリアがサンベルス病院の入院しているという話を聞き、サンベルス病院に向かって走っていた。
そして、猛ダッシュでサンベルス病院へと入った。
「すいません!!リア・レンズの病室はどこですか!?」
入って直ぐ看護師さんに聞く俺。
「え、えーっと......201号室です」
「ありがとうございます!!」
それを聞くと猛ダッシュで病室に向かう俺。
ガチャッ!!
そして、病室を見つけると勢いよく開けて中に入るロイ。
「リアーーーーーーーー!!!無事か!!!」
すると、病室の中では着替えているリアとポニスの姿があった。
「お、お兄ちゃん!?」
「あれ?ロイお兄ちゃんッスか!?」
「無事かリア!!」
「無事かじゃないよ!!着替え中だよ!!出ていって!!」
リアは風魔法で俺を吹き飛ばす。
「ブシャー!!」
俺は吹き飛んで病室から追い出された。
「いやー、リアが無事で良かったよ」
あれからリア達は着替えを済ませ、病室で俺とリアとポニスで座って話していた。
「もう、ノックぐらいしてよ」
「いや可愛い妹の安否を1秒でも早く確認したくて」
「それは......嬉しいけども」
リアは少し赤面する。
「やや!!もしかして今自分は禁断の愛を目撃してるッスか!?」
元気そうに言うポニス。
「何言ってんだよ、兄妹愛だよ兄妹愛、なっ?リア?」
「......」
「え?リア?」
黙りこくっているリア。
「じゃあお兄さん、リア先輩がもし関係を迫ってきたらどうするッスか?」
「そ、そんなリアは兄妹で関係を迫るなんてしないよ!!」
「......」
「え?お兄ちゃん?」
今度は俺が黙りこくる。
「面白い兄妹ッスねー」
「それよりリア、ポニちゃんもケガは大丈夫なのか?」
俺は心配して聞く。
「自分は全然大丈夫ッス、自分1日寝たらだいたいケガは治っちゃうんス」
「リアも運良く軽傷だったの、骨に少しヒビが入っちゃってたみたいだけど」
ギブスをしている腕を見せながら言うリア。
「そうか......また頑張ったんだなリア」
「いや、結局勝てなかったし、ポニちゃんが助けてくれなかったら死んでた」
「そんな事ないッス!先輩は本当は勝ってたんスよ!!だけど忍者部隊の虚空に卑怯な手を使われて......」
「リアが戦ったのは忍者部隊の虚空って奴なのか?」
「うん......」
「俺の可愛い妹をこんな目に合わせた奴......絶対許さねぇ」
俺は虚空をブチ殺すことを心に決めた。
「ポニちゃんも虚空にやられたのか?」
「いえ、自分は清浄っていう忍者部隊の頭領にやられたッス」
清浄......スカーレットが言ってたな、歴代の忍者でも最強クラスの忍者部隊のトップ。
「とても強い忍者だったッス、自分もこう見えて色んな相手と戦ってきたッスがその中でも一番強かったッス」
「そうか......聞いた話だとサンベルス城でカエデもその忍者と戦ったらしいな。忍者部隊の清浄、要注意だな」
「そう言えば東洋の島国に旅立ったカエデさんから手紙が届いていたらしいよ」
「カエデから!?何て!?」
カエデからコアネールさん宛に手紙が届いたらしい。
内容は雷の魔力玉がある場所で忍者部隊の襲撃に遭ったこと。
そして、G3のサファイアを撃破したこと。
そして、忍者部隊の虚空に雷の魔力玉を奪取されたこと。
そして、もうすぐサンベルスに戻ることが記されてあった。
「なるほど......カエデ、あのサファイアを倒したのか、これでルビーの頼みも後エメラルドだけか」
俺はルビーの顔を思い出す。
「雷の魔力玉も帝国軍制圧派の手に渡ってしまったんだね......これで火、水、氷、雷、地、風、光の7つが帝国の手に渡ったことになる」
「そうだな......つまり残るは」
「闇の魔力玉のみ......」
俺は魔王様の顔を思い浮かべる。
闇の魔力玉は魔王軍が保持しているはず、魔王様、何とか見つけ出して始祖龍の復活を阻止してください。
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