第194話 親戚のお姉さん
(私も修行して強くなれる!!待っててねレイカ!ロイ!)
「どこ行くんですか?」
「どこっておじいちゃんの家に......」
カエデはハッとする。
「そ、そういえばおじいちゃんの居場所知らない......」
「目的地がわからなければ急いでも仕方ありませんよ」
「そ、そうね、私としたことが冷静さを欠いてたわ、ありがとうね......」
カエデの目の前にはモミジの姿があった。
「モ、モミジ!!そう言えば忘れていたわ」
「良いアドバイスは聞けましたか?」
「そうね!!実は私のお母さんが」
「カエデ!待ちなさい!」
カエデがモミジに説明しようとすると、家の中からツバキが走ってきた。
「お母さん!」
「全く、カエデはそそっかしいんだから、ん?」
ツバキとモミジは目が合う。
「あれ?モミちゃん?」
「お久しぶりですツバキお姉様」
「へ?」
普通に顔見知りとしての挨拶をする2人に驚くカエデ。
「な、なんで2人が顔見知りなの!?」
「なんでって、モミちゃんはカエデのはとこよ」
「へ?」
目が点になるカエデ。
「モミちゃんは貴女のおじいちゃんの弟の孫娘なのよ。つまり私の伯父さんの孫娘ね」
「え......」
『モミジ・キサラギ・スカーレットと申します』
モミジの自己紹介を思い出すカエデ。
「キサラギって......」
カエデはさっきのことを思い出す。
『ツバキ・キサラギ、私の旧姓よ』
「えええええええぇぇぇええぇぇええーーーーー!!!」
本日2度目の驚きを見せるカエデ。
「モ、モミジと私って親戚だったの!?」
「そうですよ、だから何度もカエデ様は妹のようなものだと伝えたではないですか。親戚のお姉さんです」
「あれそう言う意味だったの!?モミジは初めから気付いていたの!?」
「はい、アルガンド城で助太刀したときから」
カエデは思い出す。
「そういえば不自然にまで私のこと助けてくれてたわね......」
「私のおじい様、如月桂様はカエデ様のおじい様の如月柳様の弟です。私のおじい様は鬼の力よりも忍術を好み修行しました。一方で柳様は鬼の力を信じ磨き続けています」
「そうなのね......だからモミジは忍術を」
「はい、おじい様は若い頃に島を出て忍者部隊に所属してました。そのときニューペルシアルでおばあ様と結婚しました。なので私は島人と大陸人のクォーターですね」
「え、じゃあ私は?」
カエデはツバキを見る。
「カエデのおじいちゃんは島の人と結婚したから私は純島人よ、だから島人の私と大陸人のお父さんのこどものカエデはハーフってことになるわね」
「ハ、ハーフだったの私......」
自分の生い立ちを始めて知り、驚くカエデ。
「それはそれとして、おじいちゃんの所に行くなら簡単に地図描いてあげるからちょっと待ちなさいって」
「その必要はないかと」
親子の会話をモミジが遮る。
「私もお供します」
モミジは自分の胸に手を当てながら言った。
「え!モミジが!?」
「はい、可愛い妹のために人肌脱ぎましょう」
「い、妹って......でもモミジが来てくれるなら心強いかも」
「お任せください」
モミジは腕を挙げて、親指を立てた。
「モミちゃんがいるならいいけど、あんまりモミちゃんに迷惑かけちゃダメよ」
「わかってる!じゃあモミジ、早速出発しよう!」
「はい、それでは行って参りますツバキお姉様」
「うん、2人とも気を付けて!」
そして今に至る......
「今に至るって!!どうして荒波に飲まれてるの!!」
「島国に行くのだから海は渡らないといけません」
「それでも行き方あったわよね!?」
2人はあれから長旅の末、海に到着した。
しかし、海を渡る手段がなく、仕方なく手作りでイカダを作って渡ろうとしていた。
「行けると思ったのですが......」
「何を根拠に!?」
「イメージではこれで行けました」
「イメージかよ!!本当にこれ辿り着けるの!?」
「まあ、忍者は息を止めても30分は平気ですから」
「私は忍者じゃないわよ!!」
「まあ、ダメだったらダメだったでその時考えましょう」
「バカーーーーーーー!!」
こうしてカエデとモミジの旅は始まった。
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