第193話 鬼の血
「へ?鬼?どういうこと?」
またしてもカエデの頭の上にはハテナが舞っていた。
「鬼はわかるだろ?モンスターでも最上位で最強クラスの力を持つ種族だ」
「え、ええ、聞いたことあるわよ」
それと自分が強くなりたいという話に何の関係があるのか見えてこないカエデ。
「だからツバキはモンスターで最強クラスの鬼なんだ。だからお前にもその血が半分流れてるってことだ」
さらっと言うシロガネ。
「え?お母さんが鬼って?」
「えええええええぇぇぇええぇぇええーーーーー!!!」
カエデは驚いて大声を出す。
「え!?鬼って!!お母さんと私が!?」
「遠い先祖の話らしいが」
「え!?私って人間じゃなかったの!?」
「ああ、限りなく人間に近いちょっとモンスターだ」
それを聞いてカエデは動きを止める。
「う、嘘でしょ!?私が鬼だなんて」
「ホントだぞ、だから雷魔法使いだろ?鬼は全員雷の属性を使うんだ」
「た、確かに辻褄が合う......」
カエデは今までのことを思い出す。
「そ、そういえばよくロイに暴力とか振るってきたし確かに鬼なのかも......」
「い、いやそれは関係ないと思うぞ?」
「よくみんなから鬼ババとか呼ばれてたし、確かにそうだわ」
「い、いやそれも関係ないと思うけど......」
「て、て言うか勇者と鬼の混血なんて......どうやって結婚したの?そういえばお母さんの家のことって全然知らないんだけど!」
カエデはそういえば自分の親の馴れ初めって聞いたことないと思った。
「ああ、ツバキの実家が鍛冶屋なのは知っているだろ?それでツバキの父親が剣の師範代でな、俺がその道場に泊まり込みで修行してたことがあったんだ」
「え、て言うことは師範の娘に手を出したの?」
「......」
シロガネは冷や汗を垂らして黙る。
「ま、まあ大人には色々あるんだ!」
「ふーん」
ガラララッ!!
そのとき、リビングの扉が開く。
そこにはツバキの姿があった。
ツバキは買い物袋を両手に持っていた。
「お母さん!!」
「ツバキ......」
「そろそろカエデにも話さないといけないとは思ってたけど......」
ドサ......
買い物袋を床に置くツバキ。
「お、お母さん!お母さんが鬼ってどういう......」
「ツバキ・キサラギ、お母さんの旧姓よ」
そう言ったツバキ。
「キサラギ......珍しい苗字ね」
キサラギという苗字何かどこかで聞き覚えがあると、思ったが思い出せないカエデ。
「お母さんの出身は東洋の島国なの、雷の魔力玉があると言われている島ね」
そう言うツバキ。
カエデはそれを黙って聞いていた。
「そこに私のお父さん、つまりカエデのおじいちゃんがいる。おじいちゃんは鬼の力を磨き、身に付けている唯一の人なの、だからカエデ、貴女はおじいちゃんの元で鬼の修行を積むのよ」
「お、鬼の修行......」
カエデは下を向く。
「相当厳しい修行になるはずよ、だけど友達の助けになりたいんでしょ?それなら迷っていられないはずよ」
「私は......」
カエデは顔を上げる。
「私は強くなりたい!そのためには鬼の力だって借りてみせる!」
カエデは強く言った。
「よく言ったな、カエデ」
それを聞いてシロガネは笑った。
「決まりね」
シロガネと顔を見合い、微笑むツバキ。
「それでおじいちゃんの居場所だけど」
「んじゃ私行ってくるわ!!じゃあね!」
ツバキの言葉を遮り、カエデは言う。
そして、カエデは出口に走っていった。
「あ!待ちなさいカエデ!」
「アイツも夢中になったら周り見えなくなるタイプだからな」
そう言うシロガネ達を余所に扉を開け、外に出るカエデ。
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