第183話 氷の魔力玉
「妹って言ったけどあのサファイアとかいうツインテールギャル女と兄妹なのか?」
「そうだよ、可愛い妹だよ。てかツインテールギャル女って何だよツインテールギャル女って!!」
「エメラルドも弟なのか?」
「そうだよ、可愛い弟だ」
「お前らG3って一体」
「こんな宮殿の前で男2人でなにやってるの?」
「「へ?」」
バサッ!!バサッ!!
上を見ると、黒い翼で羽ばたくヴァルロの姿があった。
「お前!ヴァルロ!!」
「久しぶりだなアホ面野郎」
「テメーアルガンド城の時は俺だけ置いてけぼりにしやがって!!」
「あの時はレイとお前の妹を連れていくので精一杯だっただろ。そもそもなんで僕がお前みたいな負け犬野郎を助けなくちゃならないんだ」
「誰が負け犬だ!!ちくしょう……それよりもなんでお前がここに?」
「何でって......」
ヴァルロは翼をたたみ、地面に降りた。
「氷の魔力玉を取りに来たに決まってるだろ」
「なんだと!?」
「ヘー、人気者だな魔力玉ってのは」
「何でテメーも氷の魔力玉が必要なんだよ!!闇の魔力玉だけ欲しいんじゃないのか?」
「何だ知らないのか?」
「何が!?」
「まず前提だが、8つの魔力玉は太古の昔、8人の賢者によって作られた」
「何かそんなこと言ってたな!!」
ボケーっと聞く俺とルビー。
「お前ら何で魔力玉集めてるの?」
「知らん!!コアネールさんや魔王様に集めてって言われたから集めてる!!」
「俺も親父や妹が集めろって言ってるから集めてるだけだ!!」
「主体性と知能のない人達だな......」
呆れた顔をするヴァルロ。
「良いか?その8人の賢者はある生物の魔力を封印するために8つの魔力玉を作った」
「ふんふん、ある生物?」
「始祖龍、エルダードラゴンとも呼ばれる生物だ。全ての魔力の根源となったとされる」
「何か聞いたことあるようなないような......」
「エルダードラゴンは太古の昔、最強の力を誇り、数々の国や街を滅ぼしたという。そして、そのエルダードラゴンを討伐したのが最初の魔王と勇者だ」
「へー、面白い昔話だな」
「つまり、魔力玉を全て集めればエルダードラゴンを復活させることが出来るという訳だ」
「「なにーっ!!!」」
さっきまで適当に聞いていたのに驚く俺とルビー。
「て、帝国の目的はそれか!!そんなの復活させたらヤバいじゃねーか!!」
「そうだったのか......親父や忍者部隊の目的はそれだったんだな」
「て言うかお前の目的もそうなのかよ!!」
俺はヴァルロを指差して言う。
「そうだ、言っただろ僕の目的は世界征服だって」
「何なんだよどいつもこいつも......」
俺とルビーは同時に立ち上がる。
「良くわかんなくなっちまったけど、ヴァルロ、ルビー、テメーらとは白黒つけないといけないようだな」
「お前は何度か殺しそこねたが、今度はそうはいかないよ?」
ジャキッ!!
俺とヴァルロは剣を構える。
「待て待て待て!!」
ルビーが間に入った。
「「なんだ!?」」
「ここで俺達が戦っても玉が取れないんじゃ意味ねーよ!!」
「ん?なんで玉が取れないんだ?」
ヴァルロは不思議そうに聞いた。
「そうだったな、この宮殿は聖なる力で護られてるんだ」
「聖なる力?」
「いくら強く押してもびくともしないんだ。ヴァルロとやら、何か聖なる力を抹消する方法知らないか?」
「押してもってお前ら……」
ヴァルロは宮殿のドアの前まで歩いた。
そして、ドアを軽く引っ張る。
すると、ドアは静かに開いた。
「これ内開きじゃなくて外開きの扉だろ......」
「「あが……」」
「見ればわかるだろ普通……それを聖なる力って」
「う、うるせー!誰にだって勘違いはあるだろ!!失敗を責めるのは良いことなんですかー!?」
「そういうことだな!勘違いは仕方ない!失敗は成功のもとだ!!」
「都合いい人達だな」
俺達3人は宮殿に入った。
「へー、広い宮殿だな」
「見ろ、真ん中」
ヴァルロが指差した先には広い部屋の真ん中に台座があり、薄い青色の玉があった。
「あれが氷の魔力玉に間違いないな」
それが氷の魔力玉だと確信する3人。
「さて、ここからが本番だな」
ジャキッ!!
俺達3人は同時に剣を抜いた。
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