表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

182/260

第182話 G3のルビー

あれから俺達は一晩サイさんの家で休んで、氷の宮殿へと出発した。


氷の宮殿へは少し山道を登らなければならない。


「ハア......ハア......なかなか過酷ですね」


俺とサイさんはしばらく山道を登っていた。


「そうだな、滑るかも知れないから気を付けるんだぞ」


「サ、サイさんも気を付けてください」


「うむ、ありがとうロイくん」


支えるどころか支えられている俺。


「ところで昨日母に何か言われたか?」


そう聞いてくるサイさん。


どうやら何かを察していたらしい。


「い、いえ!特には......」


お母さんが直接言わないこと俺が言うのも悪いかと思った。


「そうか」


「あっ!サイさんをお嫁に貰ってやってくれって言われました」


「えっ!!」


サイさんは赤くなる。


「な、何を勝手なこと言ってるんだ......」


サイさんは顔を手で隠した。


可愛い......


「っで?何て返事したんだ?」


「そりゃー、もちろん......」


バサッ!!バサッ!!


その瞬間、背後から羽音が聞こえてきた。


俺とサイさんは目を合わせ、背後を見る。


「あれー?もしかしてロイくんじゃない、ねえ」


背後には白い翼を棚引かせて飛ぶ青髪にツインテールの女がいた。


「テメー!!G3のサファイア!!」


それは前にオルトルバで光の魔力玉を持ち去ったG3のサファイアだった。


「久しぶりね、ねえ」


「テメー、光の魔力玉持ち逃げしやがって!!」


「だって私が本気出したらロイくんなんか簡単に殺しちゃうんだもーん、むしろ見逃してもらえて感謝してほしいわ、ねえ」


「うっせー!!殺してみろや!!」


ジャキッ!!


俺は剣を抜いた。


「待てロイくん」


しかし、サイさんが俺を制止した。


「お前、サファイアと言ったな」


「そうだけど.....うっわー、めっちゃ巨乳ね貴女」


「また私達を妨害に来たのか?」


「ええ、面倒くさいけど、この先の氷の魔力玉が必要みたいだから、ねえ」


髪の毛を指でグルグル巻きながら言うサファイア。


「魔力玉があること知っているんだな」


「ええ、この先にルビー兄さんが取りに行ってるところだわ」


そう面倒くさそうに言うサファイア。


「何っ!?そうなのか!?G3のもう1人か!?」


エメラルドにサファイア、そしてルビー、それが現在帝国軍最強のG3の3人だ。


「だから私は貴方達の足止めを頼まれたって訳、ねえ」


「何だと!?まずいな、これ以上魔力玉を奪われるのは......」


「サイさん、このサファイアは俺が食い止めますから先に行ってください!!」


「いや、コイツは私がやる」


サイさんはグイッと前に出た。


「ここは足場が悪い、ロイくんでは飛んでいるアイツとまともに戦えないだろう」


ここは山道の途中、1つ間違えれば滑り落ちてしまうだろう。


「私なら慣れている、氷の宮殿まで行けばまだ戦い易いはずだ」


「け、けど......」


「何も君を庇っている訳ではない、この先にはG3のルビーがいる。君の実力を買っての頼みだ、出来るな?」


そう言って親指を上げるサイさん。


「わかりました!!必ず氷の魔力玉は手に入れて見せます!!サイさんもご無事で!!」


俺はそう叫ぶと、振り返り山道を走る。


「いーや、逃さないわよロイくん!!ねえ!!」


サファイアは俺に向かって手を向ける。


「させるか!!」


しかし、下から氷柱が飛んできたため、手を引いて回避したサファイア。


その隙に俺は見えなくなるまで走っていく。


「フフフ、良いの?ルビー兄さんはG3で最強、あんな坊やが勝てるとは思えないけど、ねえ」


「お前こそわかってないな。ロイくんは誰より強い、もうあの子は誰にも負けない」


「へー、偉く買い被ってるじゃない、ねえ」


そう言って俺が走っていった方を見つめるサイさん。


「負けるなよ、ロイくん」


サイさんは振り返りサファイアを見た。


「人の心配してる場合かしら?ねえ」


「お前こそわかってないな、氷魔人と雪山で戦うという意味を」


ピキキキッ!!


そう言うとサイさんの周りの木々や岩は凍り付く。


そして、サイさんは鋭い眼光でサファイアを見つめた。


「へー、少しは楽しませてくれそうじゃない、ねえ」



















サイさんと別れ、少し進んだ俺の目の前には大きな宮殿が見えてきた。


「ハアハア……やっと着いた!まさかG3が来てるなんてな、ん?」


氷の宮殿の前に何者かが立っていた。


「まさかアイツが……」


それは赤い髪に赤い目の男だった。


「テメーG3の!」


「ああ?誰だお前?今俺は忙しいんだ」


「うるせー!テメーG3だろ!」


「うるさいのはお前だ!今俺は宮殿のドア開けてる最中なんだよ!」


「なんだと?」


「思いっきり押してもびくともしない、お前も手伝え!」


「んだよ……」


ロイは赤い目の男の隣に来て、扉を掴んだ。


「せーので押すからな」


俺はそう言った。


「待て、せーののせで押せばいいのか?ので押せばいいのか?」


赤い目の男は俺に聞いてくる。


「どっちでもいいだろ!」


「いや、重要だから!」


「じゃあので」


「オーケー、わかった」


「じゃあ行くぞ、せー」


「待て待て待て!」


「なんだよ!」


「のって言い始めた時か?のって言い終わった時か?」


「の、なんて一瞬で言い終わるんだから言い始めも言い終わりもねーだろ!!心配性か!」


「俺は心配性なんだ」


「まあいいや、押すぞ、せーの!!」


グググッ!!


2人は力いっぱい押したが、ドアはびくともしなかった。


「やっぱり開かんな。ヤベーよ、玉回収しないと妹に怒られる……」


「もしかして、このドア聖なる力で護られてんじゃねーの?光の魔力玉の時はそんな感じだったし」


「そうなのかもな……どうするよ?」


赤い目の男は座ってあぐらをかいだ。


「お前ってホントにG3なのか?」


「ああ、おまえらはG3って呼んでんな、名前はルビーってんだ」


「ふーん、お前G3っぽくないな」


俺もその場に座り込んだ。

面白い!続きが気になる!今後に期待!


と思っていただけたら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちを残していただくと嬉しいです!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。


何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ