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第181話 親の愛

俺はシンくんとスウちゃんに部屋へ案内してもらった。


部屋は畳が敷いており、布団が置かれてあった。


「ありがとうシンくん、スウちゃん」


「へへへ」


俺を見て笑っている2人。


「ん?どうしたんだ?」


「ロイの兄ちゃんってサイ姉と付き合わないべかー?」


そう言うスウちゃん。


「え、えー!?何を言い出すんだよスウちゃん」


「2人お似合いだなーって思ってたべ」


「そ、そんな......サイさんは俺の憧れの先輩だよ」


「都会の人は年上とか気にしないって聞いたべ」


そう言うシンくん。


「と、歳は気にしないけど......」


「サイ姉は気立ても良くて料理も上手で良いお嫁さんになるべよ」


「おっぱいも大きいだべ」


「そ、それはそうだけど......サイさんは魔王軍四天王で雲の上の存在と言うか......」


俺は2人を見て、顔を近付け、小さな声で言う。


「え?兄弟から見て、俺サイさんと付き合えると思う?」


「だべだべ、サイ姉が男の子とあんなに距離が近いの初めて見たべ」


「ああ見えて案外乙女だから押してやれば良いべ」


「むしろ押し倒すべ」


「そんなことしたら氷漬けにされて殺されちまうわ!!」


「ロイの兄ちゃんが結婚してくれたらお母も安心するし、一石二鳥だべよ」


「そんなこと言ったってよ......」


「シン、スウ」


そうこう言っていると、背後に寒い気配を感じる。


それはお母さんだった。


「お、お母」


「余計なこと言ってないで案内が終わったら戻るだべ」


「「は、はーい!!」」


そう言うと、シンくんとスウちゃんはそそくさと逃げていった。


お母さんと2人になる俺。


「ロイさん、少し2人で話させてもらってもいいべか?」


「え?は、はい、大丈夫ですが......」


お母さんは俺を鋭い表情で見つめる。


こ、怖い......


サイさんに似て美人だが、サイさんと同じで眼光鋭く怒らせてはいけない人だと察する。


「ロイさん、率直な感想で大丈夫だべ、日頃のサイはどんな感じで仕事してるだべか?」


「え?サイさんですか?サイさんは皆の姉御的な感じで、優秀ですし、いつも周りを助けてくれる頼りになる先輩です。それに命を助けられたこともあります」


それを聞くと、お母さんは少し頷きながら、さらに質問を続けた。


「そうだべか、あの子は昔から無理をしたり、自分を取り繕ってカッコつけたり、本当は不器用なのに器用に見せたりするところがあるべ」


そう言うお母さん。

俺から見たサイさんは完璧で何を心配のない存在だが、やはりお母さんからすると何歳になっても心配な娘なのだろう。


「そうですね......確かにサイさんは頼りにならないとって無理をしているように見えることもあります」


お母さんの表情が少し柔らかくなった気がした。


「そうだべか......あの子は昔から頑張りすぎるところがあるべ。ロイさん、サイのこと、ちゃんと見ていてくれてありがとうだべ」


「いえ、そんな……俺はただ、サイさんの力になりたいだけです」


それを聞くと、お母さんは深く息をついてから、話し出す。


「私は古臭い考えの人間だべ、それに都会に出たこともないだべから、今の子達の考え方がわからないだべ。だけんども、あの子には幸せになってほしいと、いつも思ってるんだべ」


「お母さん……」


「だから、ロイさん。不躾なお願いだとわかっているだべが、あの子を支えてやってほしいべ。あの子は強いけど、時々は誰かに甘えさせてあげてほしいべよ」


「はい、もちろんです!!俺がサイさんを支えますよ!!」


俺は力強く言った。

それを聞くとお母さんは満足そうに頷いた。


そして、微笑みながらこう言った。


「やっぱりロイさん、サイを嫁に貰ってくれだべ」


「お、お母さんまで......」


「ありがとうだべロイさん、今後ともサイのことよろしく頼むだべ」


そう言ってお辞儀すると、お母さんは廊下を歩いていった。


やっぱり何だかんだサイさんを心配して応援してるんだな。なかなか親の愛っていうのは難しいもんだ。

面白い!続きが気になる!今後に期待!


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