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第179話 トリコーリ山

「うわ、寒ぃ......」


「そうなのか?私としては快適な気温だが」


俺とサイさんは氷の魔力玉があると噂のトリコーリ山に向かって出発し、数日が経った。


そして、ついに俺とサイさんはトリコーリ山まで到着し、今は山登りをしていた。


そして、トリコーリ山は完全な雪山で息も凍るような寒さである。


「もうすぐ私が住んでたトリコーリ村に着くはずだ、私も6年ほどぶりだがな」


「そうなんですね、6年前ってサイさんが大学に行くために出ていったぶりってことですよね?何か事情があるんですか?」


「うーん......まあそうだな、ウチは元々父親がいなくてな、母親と弟と妹の4人暮らしだったのだが、家を出る時母親と揉めてね」


「揉めた?」


「ああ、トリコーリ村は氷魔人の集まる村で、トリコーリの氷魔人の女は結婚して幸せになるのが常識なのだ」


「そうなんですか?」


「それで母も私が結婚して幸せになるのを望んでいた、だけど私は実家を出て大学に行ってしまったから、母は私を良いように思っていないのだ」


「そうなんですね......結婚か、6年前はサイさんは18歳」


「う、ううん!!!」


「あ、いえ......なかなかそんな早く結婚を考えるなんて難しいですよね」


「それが氷魔人では常識なのだ。お、見えてきたぞ、あれがトリコーリ村だ」


そう言うサイさんが指差す先にはいくつかの家が立ち並ぶ村が見えた。


「おー!あれがサイさんが生まれ育った村なんですね!!」


「小さくて田舎の村だがな。それとロイくん、私の家族に会っても色々と驚かないでくれよ」


「驚く?何がです?」


「い、いや......話し方とか」


「話し方?」


「ま、まあいい、とにかく私の家族に会ってもツッコまないで色々と察してくれ」


そう言って歩みを進めるサイさん。


話し方で色々と察するってどういうことだ?


俺は頭にハテナを浮かべながら、サイさんに付いて行った。














そして、トリコーリ村を少し歩き、一つの民家に辿り着く。


その民家は木造で広く、古いが風情のある家だった。


「ここが私の実家だ」


「へー、ここでサイさんが育ったんですね」


「では、入るか......皆いるかな」


ガラララ!!


サイさんは扉を開き、中に入る。


サイさんの家の中は、玄関は広く、奥に廊下が広がっている。


「ただいま、誰かいるかー?」


そう言うサイさん。


何か自宅モードのサイさんも良いな......


そんなことを思っていると、中からドタドタと走る音が聞こえてきた。


「はい、どちら様だべ?」


だ、だべ?


そう言って出てきたのはサイさんに良く似た男の子と女の子だった。


年齢は中学生ぐらいだ。


「シン、スウ、ただいま」


「えっ!?ま、まさかサイ姉だべか!?」


「えー!!サイ姉、何年ぶりだべさ!!」


そう驚く2人。恐らくだがさっき言っていたサイさんの弟と妹だろう。


「久しぶりだな、2人とも、大きくなったな」


「サイ姉も大きくなったべさー」


「サイ姉、綺麗さなったべ」


「ハハ、ありがとうな」


「ところでサイ姉、何でそげな変な話し方してるだべ?」


不思議そうに聞くサイさんの弟と妹。


「い、いやー......都会に行ったら色々とあるんだ」


「そうだべかー」


それを聞いて色々と察した俺。


さっき話し方を色々とツッコまないで聞いてくれって言っていたのはこのことだったのか......


田舎出身あるあると言ったところか。


「サイ姉、そっちの男の子は誰だべ?」


「もしかしてサイ姉の彼氏だべか!?」


そう聞くサイさんの弟と妹。


「ち、違う!私の後輩のロイくんだ、こっちが弟のシンと妹のスウだ」


「こ、こんにちは〜」


俺はぎこちなく挨拶する。


「サイ姉の後輩だべか、カッコいい人だべ」


そう言うサイさんの妹のスウちゃん。


「サイさん、良く出来た妹ですね!!」


「そ、そうだな......それよりシン、スウ、母さんはどうした?」


「お母は中にいるべよ」


ガラッ!!


その瞬間、家の中の扉が開いた。


すると、着物を着たサイさんと似た綺麗な女の人が出てくる。


「どちら様だべか?」


そう言う女の人。


「お、お母......」


そう呟くサイさん。


「あら、私には6年間も顔を見せない娘なんていないだべさ」


「ご、ごめん......色々忙しかったんだよ」


顔を引きづらせながら言うサイさん。


こんなサイさんは初めて見た。


「まあ、客人なら上がって行くだべさ。そちらの殿方も」


「あ、は、はい!ありがとうございます!!サイさんの後輩のロイです!!」


俺はペコリと頭を下げる。


「ロイさん、遠路遥々良く来ただべさ。狭い所ではありますが、ゆっくりして行くだべ」


そう言って笑うサイさんのお母さん。


しかし、お母さんはサイさんと目を合わせようとしない。


「ま、まあ!!とりあえず入るだべ!!」


サイさんの弟のシンくんが手招きして俺とサイさんを中に引き寄せた。


「は、はい!お邪魔します!!」



















サイさんの家にお邪魔し、広い客間のようなところに案内された俺とサイさん。


お母さんは温かいお茶とお煎餅を用意してくれた。


座敷に座り、向かいにはお母さんとシンくんとスウちゃんが座る。


「......」


「......」


しばらく無言の状態が続く。


気まずい......

面白い!続きが気になる!今後に期待!


と思っていただけたら


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