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第175話 計略の清浄

そして、ヴェネット遺跡の最深部、ポニスと清浄が対峙していた。


「スライムは毒に弱いと情報がありましたからね、右腕がもう動かないことでしょう」


「どうッスかね、お前も他の忍者同様這いつくばせてやるッス!!」


ポニスは清浄を見つめる。


(これでも自分は色んな相手と戦ってきたッス、だけどこの男はその中でも類を見ない……恐らくとんでもなく強いッス……でも、自分は負けないッスよ!!)


ポニスは左腕を伸ばして、清浄に向かって飛ばした。


清浄はクナイを構える。


「はっ!!いくらクナイに毒を塗り込んでいようが刺さらなければ効かないッスよ!!」


ポニスは腕を硬化した。


そして、そのまま清浄に殴りかかる。


ドスッ!!


その腕は清浄を捕らえる。


「どうッスか!!」


「なるほど、器用な能力ですね」


しかし、清浄は無傷である。


ポニスの腕を両手で防いでいた。


「な、何で!?鋼鉄のパンチなのに!!」


「忍者部隊の格闘術ですよ、どんなに力が強くとも拳が硬くても、力を受け流し否してしまえばダメージは受けません」


すると、清浄は懐から小瓶を取り出す。

その中の液体をポニスの腕にかけた。


ジュゥゥゥゥ......


その液体をかけられたポニスの腕からは水蒸気が立ち込める。


「あ、あっつ!!」


思わず腕を引き戻したポニス。


ポニスの鋼鉄の腕はドロドロに溶けていた。


「な、何をかけたんスか!!」


「ただの酸ですよ、鋼鉄の腕は物理攻撃には無敵の強さですが、酸は効くようですね」


「さ、酸......」


ポニスの左腕はドロドロになり、使い物にならなくなる。


「これで両腕使えなくなりましたね」


「く、くぅ......」


(今戦い始めたばかりなのにスライムである自分の特異な性質を理解して、弱点を攻めてくる......これが忍者部隊のリーダーッスか)


ポニスは冷や汗を垂らした。


「さあ、忍者部隊の秘密を色々と知ってしまった貴方は生かしてはおけませんね」


「うるさいッス!!勝った気でいないでくれッス!!」


清浄に向かって、走り出すポニス。


そして、口を膨らませる。


「くらえ!!バブルマシンガン!!」


勢い良く口から大量の泡を吐き出すポニス。


その泡は清浄に向かって直進する。


しかし、清浄は簡単に避け、素早い動きでポニスに近付いた。


そして、ポニスの腹の辺りを殴り付けた。


「甘いッスよ!!」


プヨンッ!!


しかし、ポニスは軟化し、清浄のパンチはポニスの身体をすり抜ける。


「自分に物理攻撃は通用しないッス!!」


「甘いのはそちらですよ」


「え......」


清浄はすり抜けるポニスの腹の中に何かを埋め込んだ。


それは無数の爆薬だった。


「ば、爆薬!?」


そして、清浄はポニスから距離を取った。



ドガァァァァァァァァ!!!


その瞬間、ポニスの腹に仕掛けられた爆薬は爆発し、ポニスはゲル状になって無数に分解されて、吹き飛んだ。


ボチャッ!!


ゲル状になったポニスの頭が地面に落ちる。


しかし、ポニスの頭は何事もなかったかのように笑う。


「ハハッ!!甘いッスよ!!いくら爆発四散させようが自分はまた集まって再生出来るッス!!」


そう言うと、ポニスの破片は独りでに動き、集まっていく。


しかし、ポニスの破片は途中で動かなくなった。


「えっ!?」


ポニスの破片は完全に止まり、動かなくなってしまう。


「あ、あれ!?何でッスか!?」


「ククッ!全て作戦通りですよ」


「作戦!?」


「自分の破片を良く見てご覧なさい」


「え......」


ポニスは自分の破片を見る。


ポニスの破片は凍り付いていた。


「凍っている......まさか、氷魔法ッスか!?」


「御名答、忍者部隊では氷遁忍術と言います。普通の魔法は自らの魔力をふんだんに使い威力を強めるのに対し、忍者部隊の忍術は自然派、自然のエネルギーを使い、少ない魔力で作り上げるのが特徴です」


「どういうことッスか!?」


「この遺跡内は温度が低い、さらにこの下はもっと温度が低いため、床は冷たくなる。この鉄板の床は相当な低温となっているのです。そこに少し私の氷遁忍術を加えることで貴方が凍るほどの低温にしたということです」


「床の温度ッスか、全ては作戦だったということッスか......」


すると、ポニスの頭も徐々に凍り出してきた。


「なかなか強かったですよポニスさん」


「そんな......」


(自分はスライムだけど、努力して憧れのジョーカーになったのに......)


悲壮な顔を浮かべるポニスの頭は完全に凍り付いてしまった。


「ミッション完了です」


バシャッ!!


その瞬間、刹那、六徳、虚空に張り付いていたポニスの破片も水となり消えた。


3人は動けるようになり、立ち上がる。


「清浄様......申し訳ございません、助けていただき」


「大丈夫ですよ、貴方達ではポニスさんには勝てないとわかっていましたから」


「......」


刹那、六徳、虚空の3人は悔しそうな表情を見せた。


「まあいいです、目的の水の魔力玉は手に入りました。私は帰ってゲルガーさんと相談してきます。貴方達はそこに転がっているポニスさんと取り逃がしたカードの連中を始末しなさい。忍者部隊の情報を色々と知られてしまいましたから」


「承知致しました」


そう言うと、清浄は煙となり、消えた。


面白い!続きが気になる!今後に期待!


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