第174話 2人のジョーカー
「なかなかやるじゃないッスか」
「クソ......厄介だな、どう攻撃を当てればいいか」
「自分は無敵ッスよ!!それにもう勝負ありッス」
「はあ?何を言って......」
「硬化ッス」
ズシンッ!!
「グオッ!!」
すると、刹那、六徳、虚空はいきなり重力が重くなったかのように身体が重くなり、地面に倒れ込んだ。
「な、何だ!?」
「さっきまでにお前らの身体に自分の破片をいっぱい貼り付けたッス、それを全て硬化することで重さを重くしたんスよ」
「何だと!?」
虚空は自分の身体を見た。
確かに虚空の服や靴には無数のスライムの破片がくっついている。
「し、しまった......」
「ハッハッハ、スライムを最弱とか言った罰ッスよ」
ポニスは3人に近付く。
「くっ!!虚空様!!」
動こうとするが動けない刹那、六徳、虚空の3人。
「潔くキングさん達の場所を吐くのと、捕まってくれればこれ以上は何もしないッスよ」
「全く、何をしているのですか」
「え!?」
その瞬間、何者かがポニスの背後に現れる。
ザシュッ!!
そして、ポニスの右肩をクナイで貫いた。
「く、くっ!!」
ポニスは急いで軟化し、その男から距離を取った。
「い、一体何者ッスか!!」
「せ、清浄様......」
そう虚空が呟く。
この男は忍者部隊の頭領、清浄である。
「全く、忍者部隊の幹部とあろう人達がこんな小娘1人にやられるなんて」
「申し訳ございません......」
「それにやっと見つけましたよ、水の魔力玉」
清浄は懐から青色の魔力玉を取り出した。
忍者部隊、そしてカードが奪取を目的としていた魔力玉だ。
「そ、それは水の魔力玉!!」
「清浄様!この小娘はカードの新ジョーカーでバニス一族のスライムです!思ったより強いです!」
「思ったよりって何スか思ったよりって」
ポニスは右腕を動かそうとするが、上手く持ち上がらない。
「クッ......さっきの攻撃、毒か何か付着させていたッスね」
「戦いにも事前準備というものが重要なのです。新ジョーカーとやら、この計略の清浄がお相手致しましょう」
その頃、ヴェネット遺跡の入り口にて......
「ここがヴェネット遺跡......」
カードのメンバーを追い、ヴェネット遺跡に向かっていたリアが到着していた。
「とにかく、早く追いつかないと」
そう言ってヴェネット遺跡に入り、走るリア。
そこで一つの人影が前に見えた。
「あれは......」
それは倒れたキングとクイーンを担いで歩くジャックだった。
「ジャックさん!!」
「え......あれ!?ジョーカーちゃん!?」
久しぶりに見るリアの姿に驚くジャック。
「お久しぶりです、加勢に来ました!」
「そうか......来てくれてありがとうなジョーカーちゃん」
「それよりもキングさん、クイーンさんは大丈夫ですか!?」
「ああ、大ケガを負っているが命に別状はない」
「良かった......今の状況は?」
「新ジョーカーのポニさんが中で忍者部隊の幹部と戦ってる、俺はその間に負傷したキングとクイーンを見つけてここまで運んできたんだ」
「なるほど......ではジャックさんはそのままキングさんとクイーンさんを病院に運んで下さい!リアはポニさんの加勢に行きます!」
「良いのか?リアちゃんはもうカードでもなければジョーカーじゃないんだぞ?」
「気持ちだけはまだジョーカーです!それにカードの皆を仲間だと思っているのか変わりません!!」
そう凛とした表情で言うリア。
「そうか、わかった!気を付けてなリアちゃん!!」
「うん!ジャックさんもキングさんとクイーンさんのこと頼んだよ!!」
そう言ってリアはヴェネット遺跡の中に走っていった。
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