第158話 求婚
俺とカエデは魔王城の前まで帰ってきた。
「ロイ、今日はありがとうね。おかげで元気出たわ」
「いやいや、俺の方こそ楽しかったよ」
「これ大切にするね」
カエデは俺が買ってあげた銀と青のネックレスを見ながら言った。
「ああ、また何か欲しかったら買ってあげるよ!それじゃ今日は部屋に戻って......」
「お、お兄ちゃん......」
「へ?」
声がする方を見ると、そこには何やら水草が沢山付いた生命体がこちらへ歩いてきていた。
「う、うわぁぁぁぁああ!!オバケ!?」
ギュッ!!
カエデは大きな声を上げて、俺に抱き着いてきた。
「カ、カエデ!?」
俺は動揺したが、水草の化け物の方を見た。
「な、何だお前は!!」
「お、お前って酷いよお兄ちゃん」
「化け物に兄と呼ばれる筋合いはな......い?」
俺はその水草の化け物を良く見た。
それは水草塗れになって、魔王様をおぶっているリアだった。
「ば、化け物って酷いよお兄ちゃん」
「リ、リア!?どうしたんだ一体!?」
「うう......実はイカちゃんと城下町に行ってたんだけど、帰り道途中で道に迷って川に落ちちゃって......」
リアは俺と俺に抱き着いているカエデを見る。
「えっ!?お兄ちゃんとカエデさんが抱き合ってる!!」
「「えっ!?」」
カエデはそれに気付くと、慌てて俺から離れた。
「も、もうそんな関係に......」
「ち、違うよ!それよりこんな水草塗れになって、リアは昔から方向音痴だったからな......可哀想に可愛い顔が水草塗れじゃないか」
俺はリアに近付いて、手で水草を取り除いた。
「うう......ありがとお兄ちゃん」
「ん......な、何?」
すると、リアの後ろでおぶされていた魔王様が目を覚ました。
「イカちゃん......」
「あー!!ペッタンコ何で僕を殴ってムグ!!」
リアに口を防がれる魔王様。
そして、何やら小さい声でコソコソと話している。
「尾行していたことバレちゃうよ!!後でケーキ奢ってあげるから黙ってて!!」
「ケーキ!?うん!わかったよ!」
魔王様とリアはこちらを見て何やらニヤニヤしている。
「どうしたんだ2人とも?」
「「何でもないよ!!」」
「怪しいな......」
「んじゃー城に入ろうか皆!!」
魔王様は先頭を切って魔王城に入ろうとした。
俺達もそれを追って魔王城に入っていく。
「あれ?君達は」
しかし、背後から声がしたので振り返った。
そこにはさっきのフラワーショップの場所を聞いてきたイケメンのお兄さんが薔薇の花束を持って立っていた。
「あれ?さっきの......」
「君達も魔王城の関係者だったのか。しばらくぶりだからもう知らない人も結構いそうだね」
そう言うイケメンのお兄さん、その口ぶりからしてこの人も魔王城関係者なのだろうか。
俺は一度も会ったことないが......
「なにー?どうしたの?」
先を歩いていた魔王様が俺達が立ち止まっていることに気が付き戻ってきた。
そして、イケメンお兄さんと目が合う。
「えっ!?キザじゃん!!」
そう驚いて叫ぶ魔王様。
「え、キザって......」
俺はその名前を何度か聞いたことがあった。
魔王軍四天王の1人、ランドさんに次ぐ実力者。
魔族の男で魔王様の遠い親戚に当たる男......
「魔王軍第2魔将抜き足のキザ!!?」
「戻るのが遅くなってすまなかったねレイカ」
そう言うと、魔王様の前に跪くキザさん。
そして、薔薇の花束を魔王様に手渡す。
「レイカ、僕と結婚してください」
そう魔王様を見つめながら言うキザさん。
「け、結婚って......」
「「「ええええええええええええええ!!!」」」
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