表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

155/260

第155話 城下町デート

俺とカエデは魔王城から少し歩き、城下町に足を踏み入れた。


魔王城の城下町は歴史ある町だ。

石畳の道が続く町並みには、色とりどりの屋台や店が立ち並び、活気に満ちていた。


俺はまだ隣の可愛いカエデに慣れず、緊張していた。


「な、なあカエデ、今日はどこに行きたい?」


「んー、そうね」


「い、いや!!やっぱいいや!!今日は俺が誘ったんだ、俺がエスコートするよ!!」


俺は勇気を出してそう言った。


カエデはそれに一度驚いた風だったが、少しすると微笑する。


「フフ、慣れないことしようとしてる」


「そ、そんなことねーよ!!」


「わかったわ、今日はロイに任せるね」


そう言って隣で微笑むカエデ。


天使か......この人は天使なのか......


「じゃあ、まず今日は晩御飯まだだしお腹空いてるよな。あの食堂に行ってみようか?」


「うん、いいわよ」


俺とカエデは食堂に足を運んだ。


その食堂は木造の風情ある内装だった。俺達は木製のテーブルに座り、メニューを見る。


「ん?」


すると、カエデは何やらキョロキョロと周りを見渡し出した。


「カエデ、どうした?」


俺が不思議そうに尋ねる。


「いや、何か視線を感じたんだけど、気のせいかな……」





















食堂の一番隅の席にレイカとリアが座っていた。


「クソが、アイツらイチャイチャしやがって......」


「べ、別にそんなにイチャイチャしてなくない?」


「よーし、闇魔法で料理を運んできたウェイターを転ばしてめちゃくちゃにしてやる」


レイカは手に闇魔法を溜める。


「待って待って待って!!やり過ぎだよイカちゃん!!」


「何でだよ、リア充はこうでもしないと爆破出来ないじゃん」


「で、でも、やるんだったらバレないようにしようよ」


「ぺ、ペッタンコ陰険だね......」


「イカちゃんが邪魔しようとか言い出したんでしょ!!イカちゃんのバカ!!」


「ごめんて、確かにペッタンコの言う通り邪魔してるのがバレたら元も子もないね」


そうこうしている間にロイとカエデのテーブルには料理が運び込まれているのが見えた。


「男女が2人で仲良く食事を楽しむなんて、不純異性交遊でしょ不純異性交遊」


「しょ、食事だけで......」


「当たり前でしょ!こういうのは食事した後個室に入ってエロいことするって相場は決まってるんだよ」


「そ、そんな極端な......」













10年前、ロイとリアの故郷のプロロという町の一軒家。


幼いロイとリアは2人でケーキを食べていた。


『わぁーい、ケーキ!ケーキ!』


『リア、落ち着いて食べるんだぞ』


リアがケーキを食べるのを見つめるロイ。


『お兄ちゃん、リアもう4歳なんだから1人で食べられるよ』


ケーキをフォークに取り、食べようとするリア。


ボト......


しかし、手を滑らせて落としてしまった。


『あー......』


『う......ひくっ......リアのケーキ......』


『ほら泣かないでリア、お兄ちゃんが食べさせてあげるから』


ロイはリアの涙を拭き取り、フォークでケーキを取り、リアの口に近付ける。


『わぁーい!お兄ちゃんありがと!!』


リアはパクっとケーキを食べる。


『おいしいー!!』


『ハハ、良かったなリア』


『エヘヘ、お兄ちゃんありがと!!お兄ちゃん優しくて大好き!!』


『お兄ちゃんもリアのこと大好きだよ』


















(そんなこともあったな......)


リアは昔のことを思い出す。


(でもその後エッチなことなんてしてないし......って言うか4歳でそんなこと出来ないし......)


そう思いながら横を見ると、スナイパーライフルを構えるレイカがいた。


「う、うえ!?何やってるのイカちゃん!?」


「何って、ここからバレないように脳天を撃ち抜いて邪魔するのさ」


「邪魔って、そんなもので撃ったら死んじゃうでしょ!!」


バキューンッ!!


その瞬間、レイカが放ったスナイパーライフルの弾がロイの脳天に直撃した。


「え!?お、お兄ちゃんに弾が......はわわわ!!」


「まあこれ僕が作ったおもちゃの銃なんだけどね」

















「いてぇ!!」


俺の頭に突然何かがぶつかる感覚がした。


「どうしたの?」


「い、いや......何だろう?」


俺はキョロキョロと周りを見渡すが、特に気になることはなかった。


「まあいいや、それよりここの料理美味しいな!」


「そうね、流石魔王城城下町ね」


「そう言えばさ、聞きたかったんだけどカエデはアルガンド城決戦でカードを3人も撃退したんだってな」


アルガンド城決戦の話は後から色々と聞いた。


カエデがカードのジャック、クイーン、キングの3人を撃破したと聞いた。


「あれは協力者がいたから」


「協力者?ギンのことか?」


「うん、それともう1人私を助けてくれた人がいた。その人がいなかったら命はなかったと思う」


カエデは思い出すかのように話した。


「もう1人?あの場に誰か助っ人がいたのか?」


「うん、いた。かなりの手練れで1人でカード3人を圧倒していた。名前も聞きそびれちゃったけど」


「どんな奴だったんだ?」


「えーっと、高身長の女の人で......メイド服を着て瞬間移動する技を使っていたわ」


「高身長、メイド服、瞬間移動」


俺の脳裏には直ぐにスカーレットの顔が浮かんできた。


「スカーレットだ!!」


「え?スカーレット?」


「うん!何考えてるかわからない革命軍の女だよ」


「そうなのね、スカーレットって言うんだ」


「アイツはサイさんと互角に戦うほどの実力者だった、その強さも納得出来るな」


「そんな人がなんで私を助けてくれたんだろう」


「わからん......まず革命軍が何を目的にして動いているのか良くわからない。特にあのスカーレットは何考えてるのか」


俺は思い出した。


雪山で魔王様と離れ離れになったとき、魔王様やカエデの現状を教えてくれたのもスカーレット、魔王様達がアルガンド城へ向かったってのを教えてくれたのもスカーレットだ。


それに俺だけじゃなく魔王様やカエデも見たことないような瞬間移動の魔法を使う。

あれだけの手練れなのに誰も素性がわからない。


一体何者なんだあの女は......


「そうなのね、とにかくそのスカーレットに命を救われた。また会ってお礼したいわ」


「まあ、多分放っておいてもまた会いにくると思うけどなアイツは」

面白い!続きが気になる!今後に期待!


と思っていただけたら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちを残していただくと嬉しいです!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。


何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ