第152話 再会
レイカとリアは歩いて城に向かっていた。
「あの忍者、あの変装やスピード、それにあの忍法、タダ者じゃないね」
「うん、多分忍者部隊の幹部クラスだと思う」
「元カードでも忍者部隊って全然知らないの?」
「そうなんだよね......忍者部隊は本当に隠密組織だから情報は味方であっても漏らさないんだ」
「なるほど......やっかいだな」
「今回は恐らく闇の魔力玉奪取が主な目的だったと思う、出来ればイカちゃんの命を取ろうとしてたのかも」
「命狙われるのは慣れっこだけど、僕の部屋まで侵入されたのは初めてだよ。とりあえずサイちゃんに報告して作戦会議だね」
魔王軍はランド無き今、サイが魔王四天王リーダー代理を務めていた。
「ん?魔王城の前に誰かいない?」
ふと2人が目をやると、魔王城の門前に2つの人影があった。
「こんなときに来客かな?誰だろう」
そう言っているとその人影はレイカ達の方を向いた。
「あれ!?魔王様!?リア!?」
人影はそう叫んだ。
その人影はロイとカエデだった。
「あれ!?ロイロイ!カエデ!」
「お久しぶりです魔王様!リア!」
「お、お兄ちゃん!!」
レイカとリアは駆け寄る。
「お兄ちゃんにカエデさん!もう魔王城に到着したんだ」
「ええ、思ったよりも早く着い......」
「ロイロイ!!」
ガバッ!!
その瞬間、レイカがロイに抱き付く。
「ま、魔王様!?」
「僕に会いに来てくれたのロイロイ?」
「そ、そうですけどとりあえず離れて!」
「ふーん、私達邪魔だったかしら?」
カエデは横目でロイ達を見る。
「ち、違うカエデ!」
「ハ、ハハハ......お兄ちゃんとイカちゃんが......ハハハ......」
白い灰になっているリア。
「リ、リア!帰ってこい!」
「ロイロイ!たくましくなったね!」
ギューっと抱き付くレイカ。
「それは嬉しいですけど!離れて!」
オルトルバから魔王城に向かった俺とカエデは長旅を終え、魔王城に着いた。
魔王城に着くやいなや魔王様から抱き付かれ、驚いたが落ち着いて今は会議室に座っている。
「ロイくん、カエデ殿、遠路遥々よく来たな」
そう言うサイさん。
会議室には俺、カエデ、魔王様、リア、サイさん、ゴラドさんが座っている。
「いえ、お久しぶりですサイさん」
サイさんは相変わらず美しい......
「では早速だが、まずは魔王様が忍者部隊に襲撃された件についてだが......」
「うん、僕の部屋まで侵入を許した。かなりの腕の忍者だよ」
「それに変化の術、変わり身の術と多彩な忍術を扱っていました」
魔王様とリアがそう言う。
「なるほど......忍者部隊については情報が少な過ぎるな」
「うん、何人のグループなのか誰がリーダーなのか、全く持って情報がない。同じ帝国軍のコアネールやカードも全く情報を持ってない状況......対策のしようがないね」
「流石は隠密組織と言ったところですね.....」
「まあいいや、今は忍者部隊よりも先に魔力玉を集めるのが先決、さっきロイロイ達から聞いた通り、光の魔力玉は帝国軍の手に渡った」
それを聞いて、暗い顔をするカエデ。
俺はポンと肩を叩いた。
8つの魔力玉の内、
火の魔力玉はカードのエースが取りに向かっている。
水の魔力玉はカードの他メンバーが。
風、地、氷、雷の魔力玉については所在不明。
闇の魔力玉は魔王軍が持っているはずだけど見つからない。
光の魔力玉は帝国軍の手に渡った。
今の魔力玉の状態はそんな感じだ。
「魔王軍も行動しよう。とりあえず今日はもう遅いから、明日また集まって今後の行動について話し合おうか」
魔王様がそう言うのに対し、全員首を縦に振る。
「それじゃ、今日は解散、ロイロイとカエデは魔王城の部屋に寝泊まりしていってね」
「わかりました。ありがとうございます」
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