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第146話 水遁の刹那

「あー食った食った」


俺はカエデとツバキさんが作ってくれた料理を平らげる。


「最高に美味しかったです!!」


「あらあら、やっぱり男の子は元気があっていいわね」


「それはそうとしてお母さん、これ」


そう言うとカエデは布に包んだ折れた聖剣アンヘルをツバキさんに差し出す。


「これは?」


「聖剣アンヘルよ」


「すいません......カエデが俺にくれたのですが、戦いの途中折れてしまって」


ツバキさんは折れたアンヘルをまじまじと見つめる。


「この聖剣を折るなんて......どんな相手と戦ったの?」


「それは......」


俺はキャプテントップを思い出す。


「まあそれはいいわ、これぐらいだったら直せると思う。お母さんに任せなさい」


「えっ!?ツバキさんが直してくれるんですか!?」


「お母さんは超腕利きの刀鍛冶なのよ」


「えー!!そうなんですか!?」


「ええ、親が刀鍛冶だったからね。まあ明日1日あれば直せると思うわ」


そう言ってツバキさんはアンヘルを抱えた。


「ありがとうございます!!」


「その代わりカエデをお願いね、ロイくん」


「はい!任せて下さい!!」


「何勝手にお願いしてんのよ......」

















次の日。


光の魔力玉はオルトルバから少しだけ離れた祠にあると言う。


ツバキさんにアンヘルを直してもらっている間に、光の魔力玉を入手するため祠に向かう手筈となった。


「よーし!行こうかカエデ」


「うん、それじゃ行ってくるわね」


「うん、気をつけて行くのよ?ロイくんも」


「はーい」


「じゃあ行くわよロイ」


「おう!」


二人は祠に出発した。















「ここよ」


俺達は30分ほど歩き、オルトルバから少し離れた祠にたどり着いた。


「へー、古風な祠だな」


「昔勇者が光の魔力玉を封印したと言われている場所よ、普通の方法だと絶対に開かない結界が施されているわ」


カエデは祠の扉に手を当てる。


「だけど勇者の血筋の者が触れ、呪文を唱えることで結界を解除することが出来るの」


カエデは目を瞑る。


「我光を司る者なり、勇ましき心、強き精神、全ての弱き者のために戦う者なり」


そう呟くカエデ。


「な、何だ今の恥ずかしい呪文は」


「う、うるさいわね!昔はこういうのがカッコよかったのよ多分!」


すると、祠の扉に紋章が浮かび上がる。


その紋章には剣が刻まれている。


「これで扉が開くはず」


カエデが祠の扉を押すと、静かに扉は開いた。


「カエデって本当に勇者だったんだ」


「だから私は本当のことしか言わないわ......よ?」


カエデは辺りを警戒するように見回した。


「どうした?」


「誰かいる!気をつけて!」


「え......」


「そこか!!」


カエデは鉄釘を近くにあった水溜まりに投げつけた。


シュルシュルッ!!


しかし、水溜まりは移動し、鉄釘を避けた。


「ええ!?水溜まりが動いた!?」


すると、水溜まりはどんどん大きくなり、形を変えていく。


そして、人の姿となった。それはマスクに露出の多い黒い服を着た二つ結びの女だった。


「ええ!人になった!?」


「よく見破ったな、カエデ・エーユエジル」


「あんた忍者部隊のくノ一ね、待ち伏せしてたの?」


「ええ、ここに光の魔力玉があるって聞いたけど、祠の開け方がわからないものだから」


「ふっ、いかにも忍者が考えそうな作戦ね」


「本当は不意打ちでお前らを殺すまでが作戦だったんだけどね」


女は手裏剣を取り出し、投げる。


キンッ!!


しかし俺がディアブロで弾いた。


「カエデ、コイツは俺に任せて光の魔力玉を取ってくれ」


「ロイ......」


「魔力玉が最優先だ、行ってくれ!」


「わかったわ!忍者部隊は強いから気をつけてね!」


「ああ、大丈夫だ!」


俺がそう言うと、カエデは祠の中に入って行った。


「あら、エーユエジルと戦えると思ったのに、坊やが相手なのね」


「うるせー!忍者だかモンジャだか知らねーが覚悟しやがれ!」


帝国軍の諜報部隊である忍者部隊、全てが謎に包まれており、同じ帝国軍のコアネールさんやカード達も全く内情が明かされていない完全機密な組織。


ただ、生まれた時からプロの暗殺者として育てられており、かなりの精鋭部隊と聞く。


「ま、坊やはさっさと片付けてエーユエジルの娘を追いかけましょうか」


女は片手の指二本を顔の前に構える。


「忍法・水龍の術」


女がそう言うと女の手から巨大な水の龍が放たれた。


「これは水魔法!!」


「忍者部隊では忍術って言うのよ」


水の龍は俺に向かって飛んでくる。


「おらっ!!」


しかし俺はディアブロに光魔法を溜め、一刀両断した。


バシャーン!!


水の龍は地面で弾け飛んだ。


「なにっ!?」


「どうだエロ忍者女!」


「なるほどね」


「それじゃ、これでもくらえ!!」


俺はそのままディアブロに溜めた光魔法を女に飛ばした。


「速い!!」


女は間一髪横に避け、転がってすぐに立ち上がった。


「まだまだ!」


俺は走って女に斬りかかる。


ガキンッ!!


女はクナイで剣を防ぐ。


「くっ!!」


女は剣をいなし、バックステップで距離を取った。



「チッ!流石は忍者、いい身のこなしだな」


「......」


女はクナイを懐に戻した。


「私は忍者部隊幹部、水遁の刹那」


「え、あ?何で自己紹介?」


「坊や、名前は?」


「え?あ、ああ、俺はロイ・レンズだ!」


「ロイ、相手にとって不足無し、楽しい勝負が出来そうね」


刹那は少し微笑む。


「おいおい、忍者は冷酷非道な仕事人って聞いてたが」


「仕事も楽しむことが重要なのよ」


また、刹那は印を結んだ。


「忍法・濃霧の術」


すると、刹那はフーッと口から霧を噴出した。


それはみるみる広がり、周囲は霧に包まれる。


「何だこれ、全然見えねー!」


「忍の戦い方、見せてあげる」


すると、突然手裏剣が飛んできた。


「うわっ!!」


ガキンッ!


俺は間一髪ディアブロで防いだ。


しかし、右方向からもう一枚手裏剣が飛んできた。


「くっ!!」


俺は何とか避けたが、右肩にかすり、傷が出来る。


「フフフ、よく避けたわね」


「ク、クソ!!どこにいやがる!」


「さて、次は心臓に当ててあげる」

面白い!続きが気になる!今後に期待!


と思っていただけたら


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