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第135話 アルガンド城決戦、終戦

飛行船に乗り込み、カエデに支えられるロイ。


「ハア......ハア......カエデ、久しぶりだな」


「フフッ、久しぶりねロイ」


「色々と言わないといけないことがあるんだ、まずこれ」


ロイは折れたアンヘルをカエデに見せる。


「カエデからもらった大切な剣、折っちまった」


「そんなこと......アンタが無事で良かったわ」


カエデはロイの手を握った。


「ハハ、やっぱりカエデの手は温かい......な......」


ロイはガクッと気を失った。


「ロイ!?」


「......グー......グー.......」


ロイはイビキをかいて眠っていた。


「な、なんだ、眠っただけだったのね」


それを見て笑うカエデ。


「お疲れ様ロイ」



















「ランド」


その頃、ヴァルロはランドが座っている森の中に移動していた。


「ヴァルロ様、ご無事で」


「ああ、ちゃんとレイは救出した。ロイと一緒にな」


ヴァルロはランドの隣に降り立った。


「魔王城の者達は?」


「全員無事だ」


それを聞くと一息つくランド。


その瞬間、ランドの隣に突然何者かが現れる。


「ふう......ヴァルロ様、ランド様、ご無事で」


「スカーレット」


それは仮面を付けたメイドМ改めスカーレットだった。


スカーレットは静かに仮面を外し、近くの岩に座り込む。


「お疲れ様だねスカーレット、珍しく結構やられたみたいだが大丈夫か?」


傷だらけで疲れた様子のスカーレットを心配するヴァルロ。


「はい、カードの3人を相手にするという無茶な命令を上司から出されましたから」


スカーレットは横目でヴァルロを見る。


「ハハ、君ならやってくれると信じていたよ」


「......」


スカーレットはヴァルロから目を反らした。


「一先ず、一件落着というところですね」


「いや、アルガンド城で厄介なものを見た。G3という兵器だ」


「G3って、帝国が長年研究し続けてきた最強兵器のことですか?」


「ああ、ついに完成してしまった。こうなれば帝国軍の力は均衡を破ることとなる」


「戦争が起きますね......」


「その前に、戦力を集める必要がある。キャプテントップは誘ったが、断られた」


「ねえ」


ヴァルロとランドが話していると、横から声が聞こえてきた。


「自分達の話は良いけど、レディーを放置しないでくれる?」


ヴァルロがその声をする方を見ると、ロープで縛られたヤットの姿があった。


「お前は、山猫山賊団の」


「早く煮るなり焼くなりしなさいよ、待たされるのは嫌いなの」


「......」


「戦場を荒らしに来たところを俺とサイで捕らえました」


「なるほど......」


ヴァルロはヤットをじっと見る。


「負けたんだから潔く処理は受けるわよ」


「お前、革命軍の仲間にならないか?」


ヴァルロはそう言って、ヤットを見つめる。


「え?」


そう言われキョトンとするヤット。


「これからの時代、戦力が必要だ。報酬はやる、利害は一致するはずだよ」


ザシュッ!


そう言ってヴァルロはヤットを縛る縄を切った。


縄は地面に落ち、解放されるヤット。


「なるほどね」


ヤットはヴァルロを見つめる。


そして、指を動かし、キーヤドールを引き寄せた。


「敵を解放するなんて、おバカさんね」


ジャキッ!!


キーヤドールの鉤爪をヴァルロの首元に突き付ける。


「ヴァルロ様!!」


「待て、ランド」


叫ぶランドと冷静なヴァルロ。


「山賊に隙を見せるなんて、ボンボンのお坊ちゃんなのかしら」


ヤットはヴァルロを見つめる。


ヴァルロも視線を外さず、ヤットを見つめていた。


それを見て、ヤットは少し笑った。


「ククク、なるほどね」


ヤットは指を動かして、キーヤドールを引っ込める。


「貴方、いい男だし、底知れない見込みあるように見える」


ヤットはヴァルロを見つめながら妖艶に微笑む。


「良いよ、仲間になってあげる」




















「ここだね」


「うん」


レイカとリアはお互いに肩を預けながら森の奥へと進んでいた。


そこには魔王軍のメンバー達が縄で繋がれ眠っていた。


「みんな......」


レイカはそれを見て涙ぐむ。


「リア達は魔王城を制圧した後、この場所に連れてきた。皇帝様には魔王城の制圧には失敗し、逃げられたと伝えたんだ」


「そうだったんだね」


「今は麻酔で眠っている。直に目を覚ますと思う」


ガサガサ!


その時、レイカ達の横の茂みが動いた。


レイカとリアは警戒する。


「魔王様!」


しかし、それはサイだった。


「え!?サイちゃん!?」


「探しましたよ!無事で良かった!」


「サイちゃんこそ!無事で良かった!」


ガバッ!!


レイカとサイは抱き合う。


2人はお互い涙を流していた。


「本当に、みんな無事で良かったよ......」


2人はしばらく抱き合うと一旦離れる。


「ところで魔王様、そちらのお嬢さんは?」


サイはリアを見ながら言う。


「ああ、この子はペッタンコ、ロイロイの妹だよ」


「え!?君がロイくんの妹!?」


「は、初めまして、ロイ・レンズの妹のリア・レンズです。お兄ちゃんがお世話になってます」


リアはペコっとお辞儀をする。


「初めまして、魔王軍採用担当のサイ・トリコーリです。い、いやー、ロイくんの妹がこんなに可愛いなんて」


サイは考えた。


ロイは自分の弟分である。


つまりロイの妹であるリアは自分から見ても妹なのではないか。


つまりロイが弟で、レイカとリアが妹なのではないか。


「そ、それはいいなぁ」


「どうしたのサイちゃん?」


「え!?い、いえ!何でも!そ、それよりもこの状況は何ですか?なぜ魔王軍の者達がこんなところに......」


「それは......」


レイカとリアは全てをサイに説明した。


リアがカードのジョーカーで魔王城を制圧したこと。


ただ魔王軍の者達は殺さずここに連れてきたこと。


「なるほど......そんなことが」


「うん、だからみんなを起こして魔王城に戻ろう。みんなで魔王城を修復するんだ、ペッタンコも手伝ってくれるみたいだし」


「うん、少しでも力になれるなら」


「そういうことですね、わかりました、それでは魔王軍の者達を起こしましょうか」



「うん、そうだね」


レイカは眠っているゴラドに近付く。


「ゴラド、起きて」


「......う、うーん、こ、ここは一体」


ゴラドはうっすら目を開ける。


「ゴラド、僕だよ」


「......え、えっと、ま、魔王様!?一体どうして!?」


ゴラドは意識を取り戻す。


「助けにきたよ、ほらみんなで魔王城に帰るんだ」


そう言ってレイカはゴラドの縄をほどく。


「あ、ありがとうございます......」

面白い!続きが気になる!今後に期待!


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