第132話 G3
ガシャーン!!!
その瞬間、人が入っていた3つの実験ガラスが割れ、中から3人の実験体が出てきた。
それぞれ赤い髪の男、青い髪の女、緑髪の少年の3人である。
3人はグッタリとしていて、生気がない。
「ハッハッハー!!ついに完成だ!最高傑作G3!」
「なんだあれは......あんな高密度な魔力を放つ人間を実験で作り出したのか......」
「聞いたことがある、帝国軍の魔力錬成実験だ。人工的に強靭な肉体、そして魔力を大量に生成する臓器を作り出し、それらに生命を宿すことにより全てを兼ね揃えた最強の生命体を作ることが出来るという」
「そ、そんなのありなのかよ......」
「噂レベルでしか聞いたことがなかったけどね」
すると、3人の内緑髪の少年が顔を上げてゲルガーを見た。
「うむ、3人の内2人はまだ意識がないようだな」
グッタリする他の2人を見ながら言うゲルガー。
「まあいい、手始めにだ、そこの侵入者2人を蹴散らすのだG3」
「......はい」
ゲルガーがそう言うと実験体の1人はロイとヴァルロの方を見る。
「おい!来るぞ!!」
「ああ、あれは相当厄介だね」
そして、実験体はロイ達に手を向けた。
ドガァァァァァァァァン!!!
その瞬間、ロイ達の立っていた後ろの壁が爆発し、吹き飛ぶ。
「うわっ!!」
ロイはリアを抱えながら爆風を避けた。
「な、なんだ今のは!?」
「これはヤバいね」
ヴァルロはロイの隣に立つ。
「ハッハッハー!!予想以上の力だ!!これなら世界征服も夢ではない!!」
「くっ!まずいな!」
「だね、また厄介なのが出てきたな......」
そう言うと、ヴァルロは破壊された壁の方を見た。
破壊され、穴が空いた壁の向こうは外になっていて、下には森が広がっていた。
「ロイ、お前の妹を渡せ」
「は?」
そう言うと、ヴァルロはロイからリアを奪い、両手でレイカとリアを抱える。
「お、おい!一体何を」
「助かったぞロイ、そのお返しにお前の妹は助けてやる。後は頼んだぞ」
「頼んだぞって、おい!!」
ヴァルロは翼を広げ、レイカとリアを抱えながら穴の空いた壁から飛び立っていった。
「おーい!!嘘だろ!?俺だけ置いてけぼり!?」
「ハッハッハー!!仲間に裏切られたようだな」
「あの野郎......」
しかし、ロイは考えた。
あのG3とかいう兵器とレイカ、リアを抱えながら戦うのは容易ではない。
そうなれば、逃げるしかないが、2人を抱えながらG3から逃げ切るのも容易ではない。
なら1人が逃げ、1人が囮になるしかない。
そうなると、空を飛べるヴァルロが逃げ、自分が囮になるのが合理的だ。
「ちくしょー!ヴァルロのクソ野郎!そういうことかよ!囮任せとけや!!」
ロイはディアブロを鞘から抜き、構えた。
「ハーッハッハ!!お前なんぞG3の腕試しにもならんわ!!」
ゲルガーがそう言うと、実験体は戦闘態勢に入った。
「うるせー!!G3だかなんだか知らねーがここで俺がブッ倒してやるよ!!」
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