第128話 ロイとヴァルロ
ロイはアルガンド城のすぐ近くを走っていた。
「ハア......ハア......あれは」
アルガンド城に向かって走るロイは、城前に人がいるのが見えた。
「お、お前は!ヴァルロ!?」
「ん?お前は......」
2人は目が合い、お互いを認識する。
「テメーこの前はよくも!死ぬかと思ったじゃねーか!変態ナルシスト野郎!」
「何だ生きていたのか、アホ面ブサイク野郎」
「うっせーバカ!どうしてお前がここにいるんだよ」
「悪いが、今はお前と遊んでる時間はない」
ヴァルロは闇魔法を溜め、ロイに向かって放った。
「うわっ!!」
しかし、ロイは剣に光魔法を込め、相殺した。
「なに?」
「お前危ねーじゃねーか!!」
「なるほどな」
そう言うと、ヴァルロは翼を広げ飛び上がり、ロイを斬りつけた。
キンッ!!
ロイはそれを両手の剣で防ぐ。
「お前いきなり何しやがんだよ!!バカ野郎!!」
「これならどうだ!」
連続で剣を振り、斬りつけてくるヴァルロ。
しかし、それを避け、避けきれない斬撃は全て防ぎきるロイ。
「話聞けや!!」
ガキンッ!!
剣を振るい、ヴァルロを吹き飛ばしたロイ。
ヴァルロは少し後退し、地面に着地した。
「......なるほど」
「何だよなるほどって、ウザッ!」
「ロイとか言ったな、あれを見ろ」
「え?」
ヴァルロはアルガンド城の2階を指差す。
そこにはこちらを見るロゼーリアとキャプテン・トップの姿があった。
「あ、あれはドSの姉ちゃんとキャプテン・トップ!?」
「ああ、お前もレイを助けたいのだろ?」
「お前もって?」
「不本意だが僕に協力しろ、キャプテン・トップは手強い、2対1ならどうにかなるかも知れない」
「はー、なるほどね」
ロイはニヤッと笑いヴァルロの肩を触る。
「協力してほしいなら頼み方があるんじゃないのお義兄様」
「......次その呼び方で呼んだらブチ殺すよ、アホ面野郎」
「いいぜ、魔王様とリアを助けるためだ、お前は大嫌いだけど協力してやる」
「それはこっちのセリフだよ」
ロイとヴァルロはアルガンド城の方を向いた。
それをロゼーリアとキャプテン・トップが睨む。
「また変なのが現れたわね」
「姫、あれは相当な実力者です。あの者達にお父上を追わせると厄介なことになるかと」
「そうね、逆にアイツらを倒すとお父様も私の評価を上げるかも知れないですわね」
「はい、お父上は次期皇帝を長女である姫か長男のエンバンス様にするか決めかねている様子。成果を上げれば姫が次期皇帝に即位される助けになるかと」
「わかったわ、トップ、3分で片付けなさい」
「任せてください姫!!」
そう言うと、キャプテン・トップは城から飛び降り、地面に着地した。
そして、ロイとヴァルロを見る。
「キャ、キャプテン・トップ!!」
「ハッハッハ!!2人とも若いのに良く磨かれた良い芽だ!素晴らしいの一言だな!!」
キャプテン・トップは背中に下げた大剣を抜いた。
「だが姫様のためだ、悪いがこの剣の錆びにしてくれよう」
そして、大剣を前に構え、凄まじい気を発する。
その気に一歩後退りするロイ。
「くっ!このオーラは......」
そのオーラは今まで見たどの強者よりも力強く重厚なオーラであった。
「ヴァ、ヴァルロ!これは......」
「ああ、トップは帝国軍歴代でも最強の剣士だ。油断してたらすぐにやられるよ」
そう言うとヴァルロは手に闇魔法を溜める。
「だが情報だと奴の魔法は大したことがない、そうなれば距離を取って戦うまでだ」
闇魔法を放つヴァルロ。
その闇魔法はトップに向かって直進する。
バシッ!!
しかし、トップは片手で防ぎ、闇魔法は消え去った。
「なっ!?」
「なんだ、闇魔法は威力が高いって話だったが大したことがないじゃないか」
「普通の人間がまともに受けたら腕が吹き飛ぶ威力のはずだ、あれは人間ではないな」
「ああ......」
現にロイはあの闇魔法を受けたことがあるが、瀕死の重傷を負った。
それを片手で無傷で受けきる人間がいることに驚きを隠せない。
「では行くぞ、見ていて下さいロゼーリア姫!!」
「ええ、期待してるわよ」
そう言うと、トップは姿を消した。
「な!?いなくなった!?」
「違う!来てるぞ!!」
ガキンッ!!
その瞬間、ヴァルロはトップの大剣を剣で防いだ。
「は、はやっ!!」
「うくっ......」
ヴァルロは剣で防ぎながら片膝をついた。
「お、おい!大丈夫か!!」
「バカ!!後ろだ!!」
「は?」
その瞬間、目の前にいたトップは姿を消し、ヴァルロがロイの方を見ていた。
そして、背後に気配を感じる。
そこには大剣を振りかぶるトップの姿があった。
「くっ!!」
ヴァルロは闇魔法で巨大な手を作り、ロイを引き寄せる。
「うわっ!!」
ガンッ!!
大剣は間一髪で空を切った。
「あ、危ねぇ......すまん、助かった」
「気付いてるかロイ、今の動き、アイツはもう強いとかそういう次元ではないよ」
「あ、ああ......」
「やはり2人で挟撃するしかない、僕が空中攻撃を仕掛ける、お前は地上で奴を押さえ込め」
「ああ、わかった」
ロイとヴァルロは再びトップを見る。
面白い!続きが気になる!今後に期待!
と思っていただけたら
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。
面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちを残していただくと嬉しいです!
ブックマークもいただけると本当にうれしいです。
何卒よろしくお願いいたします。




