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第118話 サイとランド

「よし、これで大丈夫だな」


ランドはヤットとキーヤドールを縄でくくりつけた。


「全く、結界を力付くで破るなんて野蛮な奴だな!」


縄で縛られながらキーヤドールを介して話すヤット。


「魔王軍は野蛮な連中の集まりだからな」


「私は違いますよ、っていうか山賊にそんなこと言わないでください」


縛られたヤットの前に立つランドとサイ。


「ふう、すまんサイ、不覚を取った。助かった」


ランドは横にあった石に座った。


「これぐらいで息を上げるなんて歳ですか?」


「気持ちはまだ若いんだがな」


「っで?ランド様はなぜ魔王様を裏切ったのですか?」


サイは腕を組みながら聞く。


「俺は元々ヴァルロ様の部下だからだ」


「嘘つかないでください、ランド様が魔王様を裏切るなんて何か他に理由があるんでしょ?」


ランドをジトーっと睨むサイ。


「......」


しかし、ランドは下を向いたまま口を開かない。


「話したくないんですか?」


「すまん......」


「ハア......」


サイは溜め息を吐く。


「ランド様も魔王様も素直じゃないんだから......」


「......」


呆れた顔をするサイに対して黙り込むランド。


「けれど今は魔王様を傷付けている結果になってます。魔王様を傷付ける人はランド様と言えど許しませんよ」


「すまない、お前にも苦労をかけているな」


「私は別に気にしてませんけど......」


「魔王様に加え、ロイの面倒も見てくれているようだしな」


「そうですね!ロイくんはみるみる強くなってますよ!いつかランド様よりも強い男になりますよロイくんは!!」


「そうか、お前も昔とは見違えるほどに人を良く見るようになったな」


ランドは少し微笑みながら言った。


「な、何ですかランド様らしくない!」


「雇ってすぐのお前はオドオドしていて人見知りで世間知らずで、大丈夫かと思っていたが、もう大丈夫だな」


「そ、それロイくんの前では言わないでくださいよ!!」


サイは少し赤くなりながら言った。


「わかっている、誰でも後輩の前ではカッコつけたいものだしな」


「そ、そういう訳ではありませんが......まあ魔王様とロイくんの前では頼れるお姉さんでいたいんですよ」


「ハハ、俺が言える立場ではないがあまり気負い過ぎるな。お前だってまだまだ若いんだ」


「ランド様だって、そんな年寄りみたいなこと言ってる歳じゃないですよ」


「ハハ、そうだな」


ランドとサイは少し笑った。


「では、私は魔王様を追ってきます」


「ああ、気を付けてな、魔王様を頼んだぞ」


「はい」


サイは後ろを振り返り、走り出す。


しかし、直ぐに止まった。


「ランド様、私は魔王様を恩人だと思ってます。けれど同じぐらいランド様も恩人だと思ってます」


「......」


「いつか必ず魔王城に戻ってください」


そう言い残し、サイは走り去っていった。

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