第112話 山猫山賊団
ロイとエースは向かい合う。
「良いのですか?貴方だけ残って」
「ああ、お前ぐらい俺1人で十分だからな!なんたって俺には」
「修業した光魔法があるからですか?」
「え!?」
エースはロイが話す前に話そうとしていた内容を言葉にした。
「な、何でわかるんだよお前!!」
「僕の魔力は特別でして、相手の魔力の揺らぎを適切に感じ取れる。それに心理学を学び、相手の考えてることがわかるようになったのです。所謂読心術という奴です」
ロイを見透かすような目で言うエース。
「ど、読心術!?」
「そんなこと出来る訳ないだろですね?」
「うっ!!」
「貴方では僕に勝てません。今諦めるならケガしなくて済みますが」
「うっせぇ!!そんなもんやってみないとわかんねーだろ!!」
ロイはアンヘル、ディアブロを抜き、エースに向かって走り出す。
「ハアッ!!」
ブンッ!!
しかし、エースは少し下がり、簡単に避けられてしまう。
「くっ!!まだまだ!!」
斬りかかるロイに対して、足をかけ転倒させるエース。
「ぐあっ!!テメーこの野郎!!」
「心が読めるということは先の攻撃を読めるということです。次貴方が何をしてくるか完全に把握出来ているということなんですよ」
エースは剣を構えた。
「こうやってね!!」
ザッ!!
エースは素早い動きでロイに斬りかかる。
「クッ!!」
ロイは避けるが、避けた先でエースの蹴りを食らう。
「ガハッ!!」
倒れ込むロイ。
「貴方が右に避けることはわかっていた。次は急所を斬ります」
「ちくしょう......流石カードのエース、反則レベルの能力だな」
「僕が反則?」
笑みを浮かべながらそう言うエース。
「僕の強さなんてジョーカーさんとは比べ物になりません、ジョーカーさんがいる以上魔王はアルガンド城に辿り着けない」
その頃、アルガンド城へ向かって走るレイカとサイ。
「かなり近付いてきたね」
「はい、このまま行ってしまいましょう」
しかし、レイカとサイの前には2つの人影があった。
「ん?誰だ?」
「魔王レイカと雪女サイだな?」
その2つの人影は猫耳を生やした黒い髪の男と白い髪の女だった。
「お前ら!!......誰?」
「山猫山賊団の団長のキーヤと副団長のヤットです。獣人の兄妹ですよ!!」
「山猫山賊団!?どうしてここに!?」
山猫山賊団は世界最大の賞金稼ぎグループである。
「ハッ!!アルガンド城に魔王が来るって噂を聞いてな!!賞金稼ぎとして見逃せないと思ったんだぜ」
黒い髪の男改めキーヤが言う。
「なるほど、この混乱に乗じて僕の首を狙いに来たという訳か......次から次へと厄介な」
「魔王様、今度こそコイツらは私に任せて先に行ってください」
「そうだね、サイちゃん、言わずもがなサイちゃんのこと信じてるから」
「はい、コイツらを倒して直ぐに援軍に行きます」
「うん、任せたよ」
そう言ってまたアルガンド城へ走り出すレイカ。
「ハッ!!そうはさせるかよ!!」
キーヤは鉤爪を付け、レイカに斬りかかろうとする。
ドンッ!!
しかし、キーヤの前に巨大な氷の壁が出来、キーヤを弾いた。
「なにっ!?チッ!!邪魔しやがって」
キーヤはサイを睨む。
「兄ちゃん、雪女サイも魔王に負けず劣らずの賞金首、先に雪女をやってしまおう」
白い髪の女改めヤットは静かにそう言う。
「そう簡単に私を倒せると思わないことだな」
サイはハーッと白い息を吐く。
「魔王軍第4魔将雪女サイ、魔王軍で最も冷酷で残忍とされるモンスターだ」
ヤットはそう呟いた。
「フッ!悪いな、私も今は色々あってフラストレーションが溜まっているのでな」
サイの周囲の地面はどんどん凍っていく。
「それとお前達、私は雪女ではなく氷魔人だ!!」
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