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第110話 謎のメイド

「ハアッ!!」


カエデは声を上げると、素早い動きでクイーンに斬り掛かった。


「させないぜー」


キンッ!!


しかし、ジャックに間に入られ、防がれる。


ギリギリ......


カエデの刀とジャックの剣は擦れ合い、金属音が鳴り響く。


「相変わらず速いね嬢ちゃん」


「まだまだ!!」


カエデはジャックの剣を弾き、背後に回り込んでもう一度斬り掛かった。


キンッ!!


しかし、またしても防がれる。


「前よりも速くなってるな嬢ちゃん」


「くっ!!」


その瞬間、ジャックを飛び越えてクイーンが蹴りを放った。


「オラッ!!」


ドゴッ!!


クイーンの脚は地面を踏み付ける。

カエデは間一髪クイーンの蹴りを避けていた。


しかし、避けた先にはまるでカエデがこっちに飛んでくることを読んでいたように、氷の礫が飛んできた。


「なっ!!」


咄嗟に腕で防ぐカエデ。


ドスッ!!ドスッ!!


「グッ!!」


氷の礫はカエデの腕の直撃した。


「捉え損ねましたか」


少し離れた位置でそう言うキング。


「いたた......」


腕を押さえるカエデ。


「休んでる暇はないぜー」


すると、カエデの背後にジャックが回り込み、剣を突き立てた。


「クッ!!」


ザシュッ!!


カエデは身体を反らして避けたが、腕を少し掠めた。


そして、距離を取るカエデ。


(くっ.....致命傷は避けられたけど、やっぱりキツいわね)


カエデはキング、クイーン、ジャックを見た。


(巧みな遠距離タイプの魔法使い、パワーのあるアタッカー、素早い剣士、隙がない良いコンビネーションね)


カエデは刀を構えた。


(そもそも私はジャック1人と互角かそれ以下、それが3人相手になると正直勝つことは困難、レイカのためどれぐらい持ちこたえられるか考えるべきね)


カエデは首にかけているカラスモンドのペンダントを掴んだ。


(ハア......今日、そっちに行くかも知れないわ、サフィちゃん)


ペンダントを離し、クイーンを見るカエデ。


(一番倒しやすいのはクイーン、パワーはあるけど私のスピードなら避けられる。倒しやすそうな順に倒して数を減らすしか勝機はない)


ザッ!!


その瞬間、カエデは凄まじい速さでクイーンの間合いに入った。


「は、速い!!」


「ハアッ!!」


カエデは無防備なクイーンに向かって刀を振り上げる。


「なんてな!!」


ガキッ!!


「な、何っ!?」


カエデの刀はクイーンの脇腹を捕らえたが、刀は脇腹で止まり、斬れない。


「俺の服は鋼鉄が入ってんだよ!!」


クイーンはカエデに腕を振り下ろす。


「ヤ、ヤバい!!」


カエデはクイーンのパンチを腕で防いだ。


ドゴッ!!


しかし、あまりの威力に吹き飛ばされる。


「ガハッ!!」


ズザザッ......


うつ伏せに地面に倒れ込むカエデ。


「いたた......何て威力なの」


カエデは地面を見る。


すると、地面には氷の結晶が形成されていた。


「ま、まずい!!」


ドスッ!!


その瞬間、地面から巨大な氷柱が発生し、カエデを襲う。


「ああっ!!」


カエデは氷柱を脇腹に受け、倒れた。


カエデの脇腹からは流血する。


「くっ!!キングの氷魔法ね」


「休んでる時間はないぜぃ」


倒れるカエデの背後には剣を振りかぶるジャックがいた。


(ま、まずい!!避けきれない!!)


カエデは目を瞑り、腕で急所を防ごうとした。


「無駄だ!腕ごとぶった斬ってやるぜ嬢ちゃん!!」


ジャックは無防備なカエデに剣を振り下ろす。


(レイカ、ごめん、あんまり時間稼ぎ出来なかった......)


カエデは目を瞑りながら、涙を流した。


(お父さん、サフィちゃん、ごめんなさい......)












『お父さん、行っちゃうの?』


実家の玄関で泣く私がいた。


その日、父親が魔王討伐の旅に出る日だった。


『カエデ、泣くんじゃない』


お父さんは私の頭を撫でる。


『でも......』


『カエデ、お前は強い剣士になる。しっかり修業して強くなるんだ』


『うん......負けたくない子がいるから頑張る』


『うん、お母さんの言う事聞いて良い子にするんだぞ』














『サフィちゃん、行っちゃうのね』


私はオルトルバの草原に立っていた。


私の目線の前には、青髪にツインテールの女の子が立っていた。


その子は私の親友で、今日家庭の事情で遠くに引っ越すことになっていた。


『フフ、カエデちゃん泣いてくれるの?ねえ』


『何よ......親友と思ってたのは私だけなの?』


『カエデちゃん、これ』


女の子は私にペンダントを渡した。


『これは?』


『私の宝物よ、カエデちゃんにあげる』


『いいの?』


『うん、カエデちゃんは私の分まで強い剣士になってね。ねえ』














ドゴッ!!


しかし、剣を振り下ろす前にジャックは吹き飛ばされた。


「ぐわっ!!」


ジャックは体勢を立て直し、着地する。


「な、何でぃ!?」


「諦めてしまわれたのですか?カエデ様」


カエデの前には何者かが立っていた。


「え?だ、誰!?」


その何者かはメイド服を着て顔には仮面を付けた長身の女性だった。


「助太刀致します」


仮面のメイドはカエデの手を取った。


「た、助けてくれたの?一体誰?」


カエデは仮面のメイドの手を取り、立ち上がる。


「私はスカーレ......じゃなくて、メイド仮面......でも無くて.......」


仮面のメイドはしばらく考え込み、閃いたような顔をする。


「メイドMです」


「メ、メイドM?良くわからないけど何でメイドMさんが私を助けてくれるの?」


「カエデ様は私の妹みたいなものですから」


メイドMはカエデを見つめながら言った。


「い、意味わからないわ......」


「意味わからないでしょうか?」


「まあいいわ、何にせよ」


カエデとメイドMはキング、クイーン、ジャックを見る。


「理由はわからないけど協力してくれるってことでしょ?人手が足らなくて困ってたのよ」


「カエデ様は物分かりが良くて助かります」

面白い!続きが気になる!今後に期待!


と思っていただけたら


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