第108話 アルガンド城決戦、開戦
「あれがアルガンド城だね」
レイカ、カエデ、サイ、リコ、コアネールの5人はアルガンド城近くの茂みに隠れていた。
アルガンド城までは城壁と閉ざされた城門があり、城門の周りには兵士が配備されていた。
「厳重に警備されてますね」
「レイカやサイさんが来ることは予想されていたかも」
「そうですね......魔王様、如何なさいましょうか?」
「そうだね......」
レイカは考える。
「この警備は変に隠密で侵入しても見つかって逃げ道が無くなってしまうことになりそうだね。向こうも堂々と魔王城に襲撃してきたんだし、こっちも堂々と侵入しようか」
「あの数相手に大丈夫なの?」
「大丈夫、結局兵士が多く配備されてるのは城壁の外、あそこさえ奇襲出来れば後はそんなに大したことはないと思う」
「わかった、レイカを信じるわ」
カエデがそう言うとサイ、リコ、コアネールも頷く。
「みんなありがとう、こんなところまで付いてきてくれて」
「友達でしょ、当然よ」
「うん、それじゃまず目の前の城門の兵士、あれはここから奇襲で倒してしまおう。僕とカエデとサイちゃんが前線に出て戦うから、リコとコアネールは隠れてて」
「わかりました。すいません、力になれなくて」
「皆さん、ご武運を」
リコとコアネールは茂みに隠れながら応援した。
「じゃあ行くよ!!カエデ、サイちゃん!!」
ガサッ!!
レイカは茂みから飛び出し、闇魔法を手に溜める。
「何だ!?」
帝国軍の兵士達はレイカに気付いた。
「ハアッ!!」
レイカは手から闇魔法の散弾を放出した。
「うわぁぁぁぁ!!」
闇魔法の散弾は何人かの兵士の当たり、気絶した。
「来たぞ!!魔王軍だ!!」
帝国軍の兵士達は武器を構えた。
「ハアアッ!!」
レイカは闇魔法で巨大な手を生成し、兵士を吹き飛ばす。
「ぐあああああ!!」
「怯むな!!迎え撃て!!」
「兵士長!足が.....」
「な、何!?」
兵士達の足は凍り付き、地面から離れない。
「な、何だこれは!?」
「すまないな」
その瞬間、足が凍り付き動けない兵士達の横をサイが通る。
すると、兵士達は氷付けになった。
「ゆ、雪女サイだ!!」
「弓だ!!弓で射れ!!」
「させないわよ!!」
カエデが刀を掴みながら走り寄る。
「な、何だ!?」
「ハアッ!!」
居合斬りで数人の兵士を斬るカエデ。
「ぐあああああああ!!!」
兵士はバタバタと倒れ、気絶した。
「安心しなさい、峰打ちよ」
そう言ってカエデは刀を鞘に戻した。
城門前の兵士達は全て戦闘不能となる。
「やったね!!カエデ、サイちゃん」
「ふう、やっぱり魔王軍の魔王と幹部は強いわね」
「カエデ殿も見事だな」
3人は城門前に歩いた。
「凄いです!!3人とも!!」
「鬼のように強いですわね......」
すると、茂みに隠れていたリコとコアネールも集まった。
「よーし!!じゃあ門を通ってアルガンド城へ......」
その瞬間、レイカは何かを警戒する。
「来たわね......」
カエデもレイカが向いている方を見た。
そこには門の奥から歩いてくる3人の人影が見えた。
その3人は圧倒的な魔力を放っていた。
「早速のお出ましだね、カード」
その3人はカードのキング、クイーン、ジャックの3人だった。
「そちらは魔王レイカ・ユミナル・ダークに第4魔将雪女サイですか」
「美人が総出で忙しそうだねー、おい」
「ふん、こんなブスどもさっさとやっちまおうぜ」
キング、クイーン、ジャックは門前に立った。
「ようカード、魔王城の件はお世話になったね」
レイカはカードの3人を睨む。
「あらあら、大したことはなかったぜ」
そう言うクイーン。
「良くも僕の仲間を可愛がってくれたな!!」
レイカからは凄まじい魔力が漏れ出す。
「覚悟しろよクソども!!」
「待ってレイカ!!」
「ふえ?」
臨戦態勢のレイカを引き止めるカエデ。
「この3人は私達に任せてレイカとサイさんは先に行きなさい」
「ええ!?カードが3人もいるんだよ!?カエデ達だけじゃ無理だよ」
「エースとジョーカーがいないわ、ここで貴方達が戦ってしまったらアルガンド城へ辿り着けなくなる」
「けど、関係ないカエデにそこまでしてもらうなんて......」
「関係ないとか言わないの、それに私の実力舐めてもらっちゃ困るんだから!カードぐらい片付けて貴方達を追うわよ」
「カエデ......」
レイカはカエデを見つめる。
レイカに向かって笑顔を見せるカエデ。
「わかった!カエデ、お願いするよ!」
「任せなさいって!」
「サイちゃん!行くよ!」
「はい!」
レイカとサイは門に向かって走り出す。
しかし、思わず振り向くレイカ。
「カエデ!リコ!コアネール!本当にありがとう!!ずっと友達だからね!!」
そう言うとまた振り返り、走り出すレイカ。
それを見て微笑むサイ。
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