第107話 決戦の地へ
「ギン!!」
シルバーサーカス団のテントに戻った俺はサーカス団の控室に来た。
控室にはギン、ミズキさん、フウカさんの3人がいた。
「おう坊主、今公演が終わったところだぜ」
「すまないギン!!俺は急遽アルガンド城へ向かう、色々ありがとう!!」
「はあ!?」
そう言い残し、立ち去ろうとする俺。
「待てよ!!そんなこと急に言われて、そうですかで終われるか!!」
ギンは俺を引き止める。
「そうだぜ坊主くん、まずは落ち着いて事情を説明しろよ」
「そ、そうですね。すいません、俺焦ってました」
ギン、ミズキさん、フウカさんに全ての事情を説明した俺。
「なるほど......そんなことが」
「だから俺行かないと!!魔王様もカエデも妹もピンチなんだよ!!」
「確かにな、今の魔王、第1、2、4魔将が不在の魔王城、狡猾な皇帝ベインなら狙ってきてもおかしくはない」
ギンは考え込む。
「だから俺行くよ、修業が中途半端になってしまって申し訳ないが」
「だから落ち着けって、徒歩だとここからアルガンド城までは1週間以上かかる。それだと到底間に合わないだろ」
「あ......」
そうだ、今自分が向かったところで全てが終わった後になってしまう。そう気付いた俺。
「じゃあどうすれば......」
「そうだな......」
「団長、迷ってる場合?」
「そうだぜ、娘さんを守るためにサーカス団団長になったんだろ」
ミズキさんとフウカさんがそう言う。
そう言われたギンは何かを決心したように立ち上がった。
「わかった、ミズキ、フウカ、俺達も一緒に向かうぞ」
「「了解!!」」
そう言うと、ミズキさんとフウカさんはテントの奥へと消えていった。
「へ?でももう間に合わないんじゃ......」
「良いから来い坊主」
そう言ってギンは俺を引っ張り、テントの奥へと向かった。
「お、おい!どうするんだ!?」
「良いから来いって!!」
そして、俺とギンはテントのステージに来た。
「な、何だよ!いつももステージじゃ......」
「ミズキ!開いてくれ!」
「OK!!団長!!」
そう言うと、ステージ裏のスイッチを押すミズキさん。
ゴゴゴゴッ!!
すると、テントの天井が開き始め、地面が2つに割れた。
「な、何だ!?」
ギュイィィィィィン!!
割れた地面からは巨大な飛行船が上がってきた。
「ひ、飛行船!?」
「これがシルバーサーカス団の移動用飛行船だ」
「ス、スゲー!!」
「団長!!用意出来てるぜ!!」
操縦席にはフウカさんが乗っていた。
「よし!!坊主!ミズキ!乗り込むぞ!!」
「あ、ああ!!」
俺は戸惑いながらも、飛行船に乗り込むギンとミズキさんの後を追って、飛行船に乗り込んだ。
「よし!!早速出発だ!!フウカ、アルガンド城へはどれぐらいでは着く?」
「飛ばして3日ぐらいだ」
「じゃあ2日で到着しろ!!」
「了解!!」
そう言うと、フウカさんはレバーを上げた。
すると、飛行船は静かに浮かび上がる。
「う、うわー!!マジで飛んでる!!スゲー!!」
初めて飛行船に乗った俺は目を輝かせていた。
そして、飛行船はテントの外に出て、東へ向かってて進む。
「よっしゃ!!アルガンド城へ向かって出発だ!!」
「で、でもいいのかよ!!サーカスの公演は」
「ああ、他の団員に頼んどいた。少しぐらい空けても心配いらん」
「そ、そうか......」
俺は窓の外を見る。
「よーし!!待ってろ!!魔王様!!サイさん!!カエデ!!リア!!」
こうして、俺はアルガンド城へと向かうのだった。
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